劇団6番シード「劇作家と小説家とシナリオライター」感想(Aチーム日程)その③ | ささぴーさんの長い文章 ☆ぐぐたすからお引越し☆

ささぴーさんの長い文章 ☆ぐぐたすからお引越し☆

Google+で公開していた舞台観劇、SKE48公演の感想ブログのアメブロ移籍版です。
めちゃくちゃ長い文章で感想書いてますが、お時間のある時にお読みください。

◎Twitter https://twitter.com/sasapy2016_MB

劇団6番シード 第67回公演
25周年記念公演第3弾

劇作家と小説家とシナリオライター(Aチーム日程)


11月23日(金) 18:00公演
11月24日(土) 13:00/18:00公演
11月25日(日) 13:00公演
11月27日(火) 19:00公演


池袋・シアターKASSAI

観劇感想 その③

 


<ご注意>

・この感想はだいたいネタバレです。ラストシーンまで書いてます。

 

 

 

ということで、「その③」です。

引き続き、キャストさん個別の感想です。

「その③」では登場人物の通称「ナンバーズ」さんです。

ここの内容だけで6000文字くらいありますので、

本当にお暇なときでお読みくださいませ。

 

パンフレット順で進めます。
感想の長さに一長一短ありますが、その点はご了承ください。

なお、Aチームのみです。

 

 

 

☆登場人物「one」 (佐藤修幸さん)

作家たちの物語の中では一番年上のリーダー的存在。
普段は中間管理職で、「生活意識調査」の会議の中では議長となる。
こちらは温和な性格で普通のおじさんという感じ。
しかし、横領の事実など闇の部分も垣間見える。
元々悪役設定にされそうだった人物。

実際の世界では、小説家さんのアルバイト先である
古本チェーン店(ブックオフ?)の地域統括リーダーを担当。
温和な性格?と思いきや、突然激高。
部下である店舗のチーフをこれでもかと怒り散らす。
常に自分の保身しか考えない人間で、
この店で起こったチーフ首謀の横領の案件を、
バイトである小説家さんに罪を被せる。

話の時間軸では「キャラ」⇒「実際」で登場するので、
いきなりのキャラクター変化にびっくりしました。
完全に性格の違う二役を演じてるような感じ。

激高するシーンはホント凄かった。
一気に劇場がピーンと張り詰める空気。

そういう意識付けをするから、
そこから後の「one」の見方も全然違ってきて。
あっちは普通の人、こっちは完全に悪役みたいな。

使い分けを瞬時に対応できる佐藤さんの演技が良いですね。
特に、現実と物語への繋ぎ方が巧すぎる。
脚本としての場面の入り方もあるんですけど、
その筋道を自然と切り替われるように演技されていて。

ラストシーンあたり、ゼロに「何かありますか」と問いかける声は
此処までの入れ替わりを完全に中和するかのようでした。



☆登場人物「two」 (高田淳さん)

「こういうトッポい奴は・・・・役者」って感じでイメージ設定されて。
劇作家さんの回想の中で、
劇団立ち上げ時から共に歩んできた俳優として登場。
いつしか、劇作家さんの中でも、現実と話の中でオーバーラップして、
「ここはお前の出番だ」と劇作家さんがアツくなる。

始めのうちはトラブルメイカー的な感じなのに、
劇作家さんの思い入れと共に重要な立ち位置になって。
でも、一番真ん中じゃなくて、真ん中の後ろあたり。

劇作家さんと、この俳優さんとの間柄が表現出来てたし、
その間柄が強固なものが感じられたし。

物語の中の1つのお話として、
「劇団ノーライフの日常」みたいな感じで
想像して観劇した方も多いんじゃないのかなと思ったり。(笑)
私の中ではこのセクションの思い入れが強くて。

舞台のことを演じる舞台。
たぶん、制作した人の思いも強かったのかな。
この「劇団ノーライフの日常」な部分は
お話の中で中身が濃いような感じがしたのは私だけでしょうか。

生活が舞台になっているような所作で。
「舞台袖の忘れ物」のエピソードの部分は、
話してるだけなのに、演技しているかのようで。

本人は役者辞めるとは言ってますけども、
何かしら未練も見えてる気がするなと私は感じましたが。

高田淳さんの演技を見たのは
2017年のロストマンブルース以来になります。
その時の演技と全然違う役の雰囲気で。
やや擦れた感じで俺カッコいいじゃん的な、
でも、口には全然出さないけど、滲みだしている感じの
役者さんの人柄を出せているのが良かったなと感じました。

身体の線が細いところに真っ白な衣装で。
めっちゃスタイルええやん。って感じでしたね。



☆登場人物「three」 (松本稽古さん)

物語の設定は「主婦」。
登場人物の「four」の保育士と恋仲(不倫?)になる感じ。

で、実際ではシナリオライターさんのママ友。

(ミカちゃんのママ。あ、そこも名前があるのね。。。。)

ママ友談義しているカフェで偶然来た保育士さんといい仲で。
この保育士さんの計らいで
シナリオライターさんの娘さんが保育園に入るんですけど。

ホント、若いママさんって感じで
でも、なんか異性としての滲み方も醸し出してて。
こういうママさんが居ると勘違いしまくりそうやなと。(笑)
お衣装の首元がぱっくり見えているのが
主婦って感じですけど、セクシーも忘れてないわよ的な。

団地に住んでいたら、無意味に野菜のおすそ分けして、
話をするだけでもいいからと週2で通いそうな勢い。
いつかはお茶でも頂けるような間柄になって、
またいつかは「奥さん、ごめんね!ごめんね!」に・・・・・・・
あ、私の気が乱れてしまいました。(汗)

そんな感じの不倫に繋がりそうな役柄を演じられてて、
すごく見応えがありました。

物語の中のキス未遂はめちゃくちゃ良かった・・・・。

シナリオライターさんも「現実は物語にならないの」と言いつつ、
現実の話を投影してるやんとツッコミしつつ。
生活感溢れる回想セクションはホッコリでしたね。
逆に、それを実際の物語で組み込むときに、
プロデューサーさんに指摘されるのはちょっと心が痛く感じられて。

松本稽古さんが出演されている舞台、
おそらく初めて観させて頂いたような気がします・・・・。
初めてじゃなかったらごめんなさい。
でも、初めてじゃないような気がして。(笑)



☆登場人物「four」 (添田翔太さん)

物語の設定は「保育士」。
登場人物の「three」の主婦と恋仲(不倫?)になる感じ。

で、実際でもとある保育園の保育士さん。
カフェで偶然会った、ママ友談義しているママさんといい仲で。
そこで一緒に話をしたシナリオライターさんの実情を聞いて、
保育士さんの計らいで
シナリオライターさんの娘さんが保育園に入るんですけど。

って、さっきの感想の冒頭をパクったりはしてません。(笑)

実際はもうピンからキリまで優しい男性。
激高したり、擦れたりせずに、優しさに溢れまくっている。
たぶん、世の女性は安心安全な対象かなと。

でも、物語の中では、設定がちょくちょく変えられ、
実は内情を知り、SNSでリークしようと。
最終的にはゼロの素姓のデータが入ったUSBメモリを紹介したり。
情報通としての内情を知る人間にもなったり。

若干、闇のある感じも物語では見えてますが、
実際では何も闇も見えてこない。
ちょっとした闇も出て来る?と期待しても、
全然闇も隙間も見えてこない。
ホントに、結婚するなら安心安全ですよという感じで。

でも、ホントに優しい人は
一番の心の闇が見えた時が人生で本当の勝負時です。

添田さんの舞台はボクラ団義さんの作品で演技は見ていて。
2回観たのがどっちも時代劇。
一度目が小沢さんも出演の「耳蒼(略)」で、
二度目は今年見た「戦国アイドルタイム」でした。
その時は今回と逆で激情型の怒りまくりのキャラで、
全然保育士の先生とタイプが違ってて。
ホント役者さんって凄いな。
色んな役を成り切って対応できるのがホントに凄い。

ということで、初めてちょんまげのない添田さんを見て。(笑)
現代劇の添田さんもめちゃくちゃ素敵でした。

 

 

 



☆登場人物「five」 (佐藤ゆうきさん)

物語の設定は始めは「恋人」と言う設定ですが、
どちらかと言うか、実際のシーンでの役柄が強い。
実際は編集者が勤める出版社の同僚。
編集者とは恋仲で、忙しい編集者に困らせるタイプ。

出版社にやってきた「私」に対してダメ出しをする。
というのは物語の中のお話ですが、
実際とのリンク性も非常に強くて。
「私、その小説書いた人知ってるんですけど」と
物語の中で言う部分も間接的に実際と繋がっている。

ちょっとワガママで気ままな感じがすごく良く出て。
話すたび語尾を上げるのが
良い感じで強調されてますね。
たぶん、大多数に半分嫌われるような、
嫌な部分の女性の見せ方をしているのが巧い。

見た目も翻弄しまくってるぞというような雰囲気で、
このストーリーにぴったりな演技でしたね。
印象的な役柄だったと思います。

佐藤さんの演技を見るのはこれで2回目です。
同じ会場で8月に上演された、
「アリスインデッドリースクール楽園」が初めて。

堂本ちゃんの役柄を演じてたと思いますが、
今まで見たことのないような新鮮な堂本ちゃんが見れて。
言い回しも早口で、意見をどんどん言うような感じで。
その時の印象も強かったんですが、
今回も佐藤さんならではの役柄を見せていて。
素敵な印象のある演技でした。

あと、カーテンコールでは
結構笑いのツボに入ってるのを見受けましたが、
もしかして、意外とツボが浅いのかな?(笑)



☆登場人物「six」 (井坂茜さん)

終盤あたりまでこのキャラ付けにかなり迷ってて、
最初は「美術家」。
途中から舞台監督さんと知り合いの美術担当さんに
こういうキャラクターが居るということで「職人」。

でも、作家さんたちは「コメディリリーフ」と軸にはしてて、
ただ、いざ流していくたびに不要さが増してきて、
でも、プロデューサーさんから、
「このキャラどうするの?」と指摘され、
舞台監督さんの助言でガテン系女子落ち着いたような。
(その辺りで舞監さんがこの会議の良さを知ったかも)

キャラが成り立ってないので、いろんな顔を見せて。
前衛ぽそうな美術家の発言を繰り返したり、
突然オペラのように歌を歌ってみたり。
最後、「職人」で決まった時には、
建築物ヲタクっぽく、捲し立てたり。
ガテン系なので、足が悪くて走れない「私」を
おんぶして最終目的地まで駆けていったり。

もう、事あるごとのコメディテイストが素晴らしくて。
これだけ多様性のある役柄をコロコロと
面白可笑しく表現されているのがめっちゃ凄いっすね。

初めて井坂さんの舞台観劇しましたが、
心からめっちゃ楽しめる演技で。

コメディなキャラは舞台監督さんと彼女ぐらいで。
(「私」のアドリブは置いといて・・・。)
最初舞台監督さんだけと思っていた笑いの「待ち」が、
彼女も笑いの「待ち」なんだなと認識されて、
その二人が現実世界で意気投合しているとは。
「待ち」のマリアージュ、ありがとござんすた!!!



☆登場人物「seven」 (渡辺咲季さん)

物語ではリーダー的な役割の議長補佐という感じ。
実際では小説家さんのバイト先の古本屋チェーンの
チーフとして働く存在。主婦。パートさんでしょうか。

この方も「Five」と同様に、
実際の役柄の印象が強かったですね。
その強い印象に至ったのがバイト内での言動。

非常に裏表の激しい女性で、
小説家さんと話す時はやや下に見るような話し方。
時たま、関西弁も飛び出したり。何故か。
しかし、統括リーダーと話す時には平謝り。
ゴマを擦ってという感じではなくて、
完全に主従関係で見下されている状態。

おそらく、この統括リーダーさんの下だから、
仕事場の普段の下への接し方も
リーダーさんの言動が伝染したのかなと思いつつ。
上の人がそうだと、下に対する言い方も
同じように伝染してしまうことがあるんですよね。
これは上司の方は気を付けて欲しい所。
(実際、私もそんな感じなので気を付けないと・・・。)

最終的にチーフさんは離婚をして、
このお店をやめるんですが、
横領をしたときにレシート裏に書く
「ごめんなさい」という懺悔の言葉に残したり。
強さと共に見える弱さや、
怖さを感じて、横領していることを
小説家さんにリーダーに言わないように懇願したり。

新天地のコンビニではうまくやってるのかな。
何事もなく、笑顔で過ごせればいいですね。
でも、統括リーダーさんが嫌ならば、
近くのコンビニに働くことないのに。と思いますが。
あ、何か見えない色の糸とかあるんですかね?(笑)

渡辺さんの凛とした立ち姿とか、綺麗ないでたち。
そして、綺麗に発する言葉とか印象が良くて。
主婦と言うよりかはキャリアのある仕事する人と言う感じ。
時より出る違和感のある関西弁はナイスでした。
良い感じで場面に味が出てきて。
調和と言うより、調和を崩していい掻き混ぜ方をする。

千秋楽後は私のツイートを続々とリツイートして頂いて、
リプまで頂けて。めっちゃ嬉しいです。
演者さんからリプいただけるのホントに嬉しいものです。



☆登場人物「eight」 (熊野隆宏さん)

あ、もう一人コメディ要素がいた・・・・・。(笑)

キャラ設定の際に最後の3人は適当に・・・・と
作家さんたちから軽くキャラ設定された1人。
物語で「フリーター」設定。
実際には、テレビ局の清掃バイトで、
会議室に入り込んできては「こんなアイデアあるんっすよ」と
プロデューサーさんや編集者さんに売り込んだり。
最終的にはアイデア採用まで漕ぎ着けて。おめでとうございます。(笑)

最初はホントに端役だけで終わると思いきや、
重要なネタ提供元になったり、
物語の中でスクレイバーで電子ロックドアを開けたり。

でも、端役といえば端役。
そこをブワッと役として膨らませるのがプロデューサーさん。
「ここ、カット!」は名言です。(笑)
で、その後、顔を押さえつける編集者さん。(笑)

物語を作り上げるという過程の物語で、
割愛されそうなキャラクターがこんなに生き生きするとは。
このお話ならではの役だろうなと感じました。
めっちゃ重要な役だったと思いますよ。

プロデューサーさんが言う
「必要じゃないキャラクターなんてない!」と
その言葉を具現化されているキャラだなと。
でも、大袈裟にせずというか。

完全にプロデューサーさん凄いねの話に終始しちまった。。。。

あ、あと小説家さんはしっかりと彼の裏設定を書いていて、
街で捨てられたガムを取るだけのバイトをしてて、
スクレイバーと言うヘラを使っている設定をしたり。
好きな人には愛されているんですね。

あと、議長に絡むところとかもあり、
一番、ピストルの持つ機会が多いのは彼。
噛みだし味わうと良い味が出そうな役柄なのかなとは思いました。



☆登場人物「nine」 (夢月さん)

適当にキャラ設定させられた「大学生」の設定。
ブレストが始まる前に「そろそろ始めませんか」と、
作家さんたちにお話するところ。
まさか、このキャラ達で真のリーダーはこの子なのか?

実際は「劇団ノーライフ」の新人女優さん。
青臭い演技とか、めっちゃ新鮮で。
劇団の後輩として立ち振る舞っているシーンでは
劇作家さんに話を仕向けてみたり、
ディープな話をどんどん展開していったり。

もう、この後輩ちゃんの仕草が可愛くて。
「~ですねっ」っていう言い方がめっちゃ好きで。
あんなにニコニコされて語尾付けられたら、
おじさん、タピオカの飲み物驕っちゃいますわ。(笑)

先輩が役者をやめる時には、
めちゃくちゃ反論したり、苦虫を噛んだり。

劇作家さんが泥酔して、介抱しているとき、
先輩から「お前大学だろ?今日は帰れよ。」と言われて
それでも、悲しみを見せずに、
「はい」と言って走って場を去る時のシーンとかは
切ない演技するなこの子と思って良かったです。

もうめっちゃ可愛すぎです。
こんな妹欲しいなぁって感じで観てました。

劇作家さんの実際のシーンで、
劇作家、俳優という構図だけじゃなく、
第三のキャラとしてしっかり立っていたと思います。
劇団員さんが5人位と言う設定を物販台本で書いてましたが、
彼女と残り2人での裏ストーリーも観たい感じです。

 

 

 

その③はここまでです。

続きはその④で。次は「ゼロ」と「私」になります。