
前回宮島の鹿をどうしたいのか方向性を定めなければ先には進めないと申しました。
今は鹿を山に返すというゴールだけ定めて施策が機能していない状態です。
理由は資金難からなのか?
山に返したいなら山に返せるように山中の植生環境及び生息密度の定数調査を正しく行う必要があります。
実はこれはやれていないようです。
そこで初めて実際の生息密度が適正な環境密度をどれくらい超えているから具体的にこれくらい頭数削減が必要になると言えるのでは無いでしょうか。
去勢は以前もお話したように近親交配の要因となり得ることから却下するとしても、避妊につきましては前向きに取り組んでもらいたいものです。
野生なのだから避妊はおかしいとの論調の方もおられますが、今、宮島の市街地に定着している鹿は江戸時代より現在まで人々に愛されて島民の食べ残し等を施しとして与えてもらっていた経緯から野生とは言えないのであり、山に住む自立した鹿とは切り離して考える必要があります。
観光に利用しない、完全に山に返す、野生として生きてもらうと言い切れるのであれば、今市街地に定着生息しているかつての施しを受け続けてきたそしてこれからも施しによってしか生きていけない鹿達に世代交代をさせない必要が出てきます。
今は環境ホルモンを用いない画期的な方法が開発されており、他の生物を始め環境汚染を招かないそうです。
避妊措置で暫定的な避妊を可能にするそうです。(これは初めに友人から教わりまして、協議会の方にもご紹介しました)
ところが自然保護の有識者の方からは例え実験が成功しても実際に使用となると想定外のトラブルが発生するとおっしゃっていました。以下引用。
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まず第一に
野生動物の繁殖もしくは生死に干渉することの倫理的議論が必要です。
基本的に野生動物の繁殖、生死は野生動物にゆだねるべきものと考えています。
実際に自由生活をする野生動物への避妊薬投与を完全に計画通りコントロールできるはずもない状況下では、実効性に疑問が残ります。
仮にそれをクリアーしたとしても環境への影響という問題が残ります。ですが、これはほとんどわからないことばかりです。
たとえば、処置をされた個体が死亡し、他の動物が処置済みの個体を食べた場合に問題はないのか、とか排泄物と共に外界へ出た微量の代謝物が他の生物に影響を及ぼす危険性はないのかなどなど解決すべき問題は数多くあります。
これらすべてに問題なしと言い切れる研究者はいないと思いますが、思わぬ時に思わぬ影響が出る可能性はゼロではありません。
そのように考えるだけでも、安易に避妊措置をとる合理的理由は見つかりません。
懸念材料がすべてわかっていないからこそ使ってはならないのです。
宮島のような照葉樹林帯に暮らすシカは、林床植物の少ない環境下で何とかやっているものです。
宮島にはまだまだ立派な森林があり、ある程度(個体群を維持できるだけの)個体群を維持することは十分に可能です。
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との事でした。
個体群を維持するのが可能なのか、どうなのか
これはいよいよ植生環境の定数調査をして現状把握が必要だといえるのではないでしょうか。
次にその定数調査について協議会関係者の方にうかがいました。以下引用。
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植生調査は、今のところ予算面や技術面からみて実現可能性は高くないと考えています。
また、これは廿日市市が予算をかけてやるには酷だと思います。
本来は、環境省などがもう少し主体的に関わるべき問題でしょう。
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廿日市には予算は無いのです。
一方ではまったく別の考えを持った方々もいます。
鹿の餌やり禁止の効果?で市街地の鹿はかなり減ってきている。
そこで宮島町主体で鹿せんべいを復活させ鹿を大いに観光に役立て、売上金で鹿の保護管理始め宮島の設備の維持管理をしていくために鹿に一役かってもらおうと言う考え方です。
今までの鹿を野生にと言う考え方とは真逆で心配のタネである鹿を強みに変えようという考え方です。
私も最初はうかがった時には若干耳を疑いましたが、宮島の少子化、過疎化、バブルの時に設備投資された施設の老朽化等の問題を抱えているのも事実。
更に世界各地どこへ行ってもこのように鹿がフレンドリーに人間に擦り寄ってくる光景は珍しく、皆様もよく宮島で外国の方が鹿と戯れて喜んでおられるのを目にされると思います。
奈良と宮島以外では鹿は駆除対象とされているので宮島では当たり前の姿もよその方からすると非常に珍しいそうです。
自然保護面、生物多様性の見地からは総スカンですが、やはり宮島の住民の方々が最も良いと思われる方向性を決める必要があります。
しかしながらこれも懸念材料として人間と鹿が接触する事で怪我、感染症、物品の破損、鹿の交通事故、等浮かびます。
そういったトラブルを避けるもしくは軽減するため、かつてのような市街地での鹿せんべい販売ではなく、遊歩道の先や大元公園から少し入った辺りでの販売及び餌やりをしたらどうかとの事でした。
いったいどの方向に向かうのが適切なのでしょうか。
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