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ご家族の助けを借りながら、自宅で生活できて

 

長生きできるのは喜ばしいことだと思います。

 

ですが、ご家族の介護力にも限界が訪れることがあります。

 

 

 

90歳近い女性患者さん

 

息子さんご夫婦の手助けで、ご自宅で生活なさっていました。

 

気管支拡張症や慢性気管支炎による慢性呼吸不全や

 

心臓弁膜症による心不全のために在宅酸素療法を行い

 

ほかにも病気があったため、内服などで治療を続けていました。

 

 

 

 

 

 

 

患者さんご自身は、もっと自宅で生活したかったようですが

 

徐々に呼吸状態も悪化し、体力も低下して

 

ご家族と介護保険を使っての自宅での生活が限界に達したと

 

息子さんご夫婦から相談があり

 

慢性呼吸不全の急性増悪で入院していただくこととしました。

 

 

 

 

 

 
ご家族には
 
全身状態や年齢的なものを考えて
 
自宅退院できるまでに回復することは難しいということをお伝えし
 
最終的には
 
看取りまでを希望されるということを確認した上での入院でした。
 
 
 
 
 
 
今回の入院について
 
息子さんご夫婦は患者さん本人と、よく相談の上の決断で
 
患者さん本人も了解してはいたのですが
 
いざ入院してみると
 
面会制限があり、思うようにご家族と会えないことや
 
急な環境の変化なども影響したのだと思われます。
 
これまでは、自力で食事摂取できていたのが
 
入院後には食欲が低下てしまい、介助が必要になり
 
食形態も工夫しても誤嚥し、食物残渣を吸引しなくてはならなくなりました。
 
 
 
 
 
 
会話はでき、意思の疎通は可能でしたが
 
食事を食べる意欲が失われていきました。
 
効果がある可能性がある薬を投与してみましたが、無効でした。
 
患者さんが好きなものは
 
「ちょうだい。」とおっしゃるので、1日何回か摂っていただきました。
 
 
 
 
 
 
生きていけるほどの量を口にはしようとしないため
 
栄養の摂り方について、ご本人にお聞きしたところ
 
経管栄養や中心静脈栄養は希望されず、でした。
 
複数の薬も内服していただいていましたが、拒薬がみられるようになり
 
すべて吐き出してしまうため、中止しました。
 
末梢点滴も本当はイヤ。とのことではありましたが
 
それもしなかったら、すぐに死んでしまうからと説明し
 

末梢点滴は行うことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

このように、急激な状態の変化があったため

 

入院後の状態についてご家族にご説明し

 

ご家族の面会を許可し、定期的に会っていただくこととしました。

 

内服薬を中止し、末梢点滴と好きなものだけを口にしてから

 

状態は悪いながらも、1か月程療養された後に寿命をお迎えになりました。

 

最期の時を、どこでどう迎えるか本当に難しいです。

 

 

 

 

老年期、終末期に関する記事です。

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