難しい、珍しい病気も、さまざまな検査で診断してくれて
必要な治療もしっかり受けられますので
とても頼りになりますよね。
でも患者さんは、その病気だけでなく
他のいろいろな病気にもかかりますよね。
大きな病院に通院していても
他の医療機関に受診して、治療を受けるということも
けっこうあるんじゃないかなと感じます。
公立病院の循環器内科に
慢性心不全で通院されている70代の男性患者さんがいます。
数か月前、慢性心不全の急性増悪があり
入院治療を公立病院で受けて
リハビリ目的で私の勤務先に紹介、転院されてきました。
2か月ほどの入院で
杖歩行まで可能となり、施設に退院されました。
退院後の通院加療は
元の公立病院を希望され、そちらに受診されることとなりました。
数日前に定期受診をしたそうですが
その後、全身倦怠感、発熱、咳やタンが出てきたので
私の勤務先に相談がありました。
公立病院の受診をしたのはよかったけれど
半日もかかって、大変くたびれてしまったそうで
こちらへの受診を希望されました。
公立病院ほどの設備はなく
高度医療も出来ないということをご説明し
ご了解いただいての受診でした。
新型コロナ検査は陰性で
診察、検査の結果、心不全の急性増悪と
それによって呼吸困難感などが出現し、誤嚥したため
軽い誤嚥性肺炎も伴っていました。
聞けば、先日の定期受診で
心臓がかなり弱っていると言われていたそうですが
帰宅となっていました。
病状を説明したところ
そのままここで入院加療を受けることを希望されたので
緊急入院していただくこととしました。
酸素吸入を開始し
心不全や誤嚥性肺炎の治療を行いました。
治療の効果があって
症状は軽減し、在宅酸素(HOT)を導入して
別の施設へと退院されました。
大きな病院に通院されていても
気軽に相談や受診できる、かかりつけ医があったらいいですね。
