感染症による咳
かぜ症候群でも咳嗽が遷延・慢性化した後に
自然軽快することは少なくありませんが
そう考えて油断していると重大な結果を招くのが結核です。
結核は現在の日本でも年間1.5万人前後の新規患者さんと
2千人前後の死亡者が出ている感染症です。
診断・治療が遅れれば重症化するだけでなく
大勢の人に感染させることになりますから
咳嗽が2週間以上経過しても改善傾向がないとか
再燃するような時は胸部X線検査で確認する必要があります。
その他に咳嗽が遷延する感染症には百日咳や
マイコプラズマ、肺炎クラミジアなどがあり
家庭や学校、職場で集団感染することがあります。
いつもと違う激しい咳や発熱を伴う時などは早めの受診が必要です。
アレルギー疾患による咳
咳喘息は喘鳴や呼吸困難を伴わない
慢性の咳を特徴とする疾患で、主な原因の一つです。
咳嗽は就寝時、深夜、早朝に悪化しやすい
季節性があるなどの特徴があるとされています。
治療には気管支拡張薬が有効ですが
喘息に移行することが少なくないので
吸入ステロイド薬も使用されます。
鼻腔・副鼻腔疾患による咳
胃食道逆流症による咳
慢性閉塞性肺疾患(COPD)による咳
喫煙は慢性の咳の原因ですが
喫煙によるいつもの咳と思って気にせずに過ごしていると
肺の破壊が進んでしまい
慢性閉塞性肺疾患(COPD)による
呼吸不全になる場合がありますので注意が必要です。
今からでも良いので、卒煙(禁煙)しましょう。
長引く咳には上記の他にも呼吸器疾患、心疾患
薬剤性、心因性など様々な原因がありますが
早めに医療機関へご相談なさってくださいね。