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普段の生活の中で「血圧が高くって。」とか
「糖尿病があって甘いものを控えているんだ。」とか
このような話は時々耳にされるかと思います。
HIV/エイズについては
高血圧や糖尿病などの病気ほどは
身近には感じにくいかもしれません。
HIV/エイズに関する取組みは
今、大きな転換期を迎えていると言われていますので
このことについてお伝えしたいなと思います。
HIVとエイズの違いって?
HIVとは
ヒト免疫不全ウイルス (Human Immunodeficiency Virus)の
頭文字を取ったもので、ウイルスの名前です。
一方、エイズ (AIDS) とは
後天性免疫不全症候群 (Acquired Immunodeficiency Syndrome) の
略称で、HIVに感染した人が
免疫力の低下により『エイズ診断のための指標疾患』
として定められた23の合併症の
いずれかを発症した状態のことをいいます。
HIVに感染していても
この23疾患のいずれかを発症しない限りは
エイズとは言いません。
つまり、HIVはエイズの原因となるウイルスの名前で
エイズはHIVによって引き起こされる病気の総称
ということになります。
治療法が進歩した
治療法の進歩により
HIVの陽性者の方は早期に感染を確認して
治療の早期開始・継続によりエイズの発症を
防ぐことができるようになりました。
それによってHIVに感染していない方と
同等の生活を送ることが期待できるようになりました。
治療を継続して体内のウイルス量が減少すれば
HIVに感染している人から
他の人への感染リスクが大きく低下することも
確認されているそうです。
治療の進歩でHIV陽性者の方の生活は大きく変わり
HIV感染の予防にも
その進歩に支えられた様々な選択肢が
用意されるようになりました。
昔のイメージが強く残っている
このように大きく改善された状況になったのですが
そうした変化が正確な情報として
十分に伝わっているとは言えず
HIV/エイズについては
『原因不明で有効な治療法が無い』という
過去の認識にとどまっている場合が少なくないそうです。
そのことがHIV感染を心配する人たちを
検査や治療から遠ざけてしまい
また、差別や偏見を招く要因の一つに
なってしまっているとも言われています。
3つの経路で感染します
HIVの感染力は弱く、性行為以外の
社会生活のなかでうつることはまずありません。
HIVは主に3つの経路で感染します。
1.性行為による感染
性行為による感染は最も多い感染経路です。
HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれています。
HIVは感染者の血液・精液・膣分泌液から
その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や
傷口を通ってうつります。
ですから、性行為におけるコンドームの正しい使用は
HIV感染症/エイズ予防にとって有効な手段です。
2.血液を介しての感染
HIVが存在する血液の輸血や
覚せい剤などの依存性薬物の“回し打ち”による
注射器具の共用などによって感染します。
日本では
現在、献血された血液は厳重な検査により
最高水準の安全が確保されていますが
きわめてまれとはいえ、感染の可能性を
完全には排除できない現状ではあります。
なお、血液凝固因子製剤については
加熱処理が行われているので
現在の血液製剤で感染する心配はありません。
3.母親から赤ちゃんへの母子感染
母親がHIVに感染している場合
妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあり
母乳による感染の例もあります。
日本では、お母さんがHIV感染症の治療薬を飲むことや
母乳を与えないことで、赤ちゃんへの感染を
1%以下に抑えることができると言われています。
もし、HIVに感染してしまっても早期発見、早期治療で
普段通りの生活を続けることが出来る可能性が高くなります。
全国各地にある保健所などで
HIV検査を受けることが出来ますので
ご心配な方は検査を受けられることをオススメします。
新型コロナにも言えることと思いますが
イメージだけで判断することなく
正しく理解していただいて
適切な感染予防策をとっていただきたいなと思います。