日本のアニメーション歴史年表 その3 1968(昭和43)年~1989(昭和64)年 | 日本アニメ視聴館  アニメ公式配信紹介

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アニメコンテンツやアイドルコンテンツに関して、記録や思ったことを徒然に記しています。

お越しいただき、ありがとうございます。
ここでは日本のアニメの歴史、1968年~1989年にかけてのアニメ―ション作品に関する年表です。


注:ある程度公開できる状態に至っているものの、まだまだ未完です。
※更新記録はデータ量考慮の為、割愛

各時代の年表はPCブラウザによるウェブページサイドバーにリンクを設置しています。

なお、1970年代以降、一気にアニメ作品が多く制作され、名作も非常に多く制作されていることから個人的に選んだ作品表記となっています。

ジャンルは商用・自主制作・作家作品、作画・ストップモーション・3DCGなど幅広い範囲となっています。

主に映像・コンテンツ展開など技術面で貢献した作品を優先的に紹介しています。
また、制作会社の設立年・著名なアニメーター・関係者についても一部記しています。
歴代アニメ作品については別記事で一覧紹介してゆければと思います。

まだ加筆すべき箇所がありますので時折更新予定です。
各作品名称に参考となるリンクを貼ってます。そこから公式ウェブサイトで詳細が確認できます。
添貼作品動画は予告なしに差し替え・削除するかもしれません。
📺マークはクリックするとバンダイチャンネル・YouTube(公式配信)につながり
アニメ視聴できます。 ※記述文・画像のコピー・転載を禁じます ※敬称略


1968年(昭和43年)

1月23日 株式会社手塚プロダクション設立 漫画制作のための会社
虫プロダクション社長を辞任 
3月 「巨人の星」 日本テレビ系列放映開始 元祖スポ根アニメ
7月 劇場版作品「太陽の王子 ホルスの大冒険」公開 東映動画制作  高畑勲 第1回監督作品 宮崎駿 場面設計・原画で参加
花折り」公開 壬生狂言「花折り」より 
脚本・演出・人形・アニメーション 川本喜八郎  声の出演に黒柳徹子が参加


1969年(昭和44年)
1月 「ひみつのアッコちゃん」 NET系放映開始 📺
3月 映画「長靴をはいたネコ」 東映アニメーションのイメージキャラクターに現在も採用されている
3月 瑞鷹エンタープライズ設立 (のちのズイヨー映像)
6月 「千夜一夜物語」公開(虫プロダクション) 大人向け劇場版アニメの先駆け


10月5日 「サザエさん」 フジテレビ系列放映開始 

日本一の長寿TVアニメ作品 当初、声優 大山のぶ代も参加
10月5日 「ムーミン」 フジテレビ系列放映開始 名作アニメシリーズの先駆け
東京ムービー1~26話、虫プロダクション27話~65話を担当
12月 「アタックNo.1」 フジテレビ系列放映開始 
女性キャラ中心のスポ根アニメかつ制服着用と部活を中心にしたアニメの先駆け


「やさしいライオン」公開 監督・原作・演出・美術 やなせたかし
製作 手塚治虫  アニメ制作 虫プロダクション  大藤信郎賞受賞


1970年(昭和45年)
4月「あしたのジョー」 日本テレビ系列放映開始 制作 虫プロダクション  出崎 統監督作品
その他のできごと 3月14日~9月13日 日本万国博覧会開催
6月14日放送のサザエさん「サザエ万博へ行く」放映

「あしたのジョー」の連載の頃より、コアなファンによるアニメイベントへの参加が一般に注目され始める  1970年3月24日に寺山修司の呼びかけにより力石の葬儀が執り行われ、多くのファンが参列した(厳密にはファンイベント)

安彦良和 虫プロダクション(旧)虫プロ養成所入社

「ホーム・マイホーム」公開  監督 岡本忠成
当時のマイホーム事情を如実に反映させたユーモアあるペーパークラフトアニメーション


1971年(昭和46年)
4月3日 特撮作品「仮面ライダー」毎日放送・NET系列放映開始
10月 「ルパン三世」(TV第1シリーズ)日本テレビ系列放映開始 📺  作画監督 大塚康生
モンキー・パンチによる原作コミックのTVアニメ化作品 大人向け30分枠TVアニメとして放送開始

現在に至るまでシリーズ化されている漫画連載50年を超える長寿作品

使用する武器やクルマなど、実際のものを採用した詳細な設定も当時革新的であった
画像はパイロットフイルムの1シーン



1972年(昭和47年)
大河原邦男 タツノコプロダクション入社 
10月 株式会社マッド・ハウス設立
10月 「科学忍者隊ガッチャマン」 フジテレビ系列放映開始


ど根性ガエル」 朝日放送放映開始 東京ムービー制作
12月 
映画「パンダコパンダ」上映 監督 高畑勲  脚本 宮崎駿
ともに幼い子をもつ父親だったことから子供を連れて映画館で観賞し、集中して楽しんでいる様子を見てアルプスの少女ハイジの構想に役立てる
マジンガーZ」 フジテレビ系列放映開始 
合体ロボおよび「ロボットに乗り込んで操縦するスタイルの先駆け 📺

有限会社サンライズスタジオ創業(旧虫プロダクションから独立スタッフによって設立)
その後、東北新社との共同出資によって株式会社創映社設立

その他のできごと 2月 連合赤軍あさま山荘事件


1973年(昭和48年)
1月~「山ねずみロッキーチャック」 フジテレビ系放送開始(ズイヨー映像制作)
4月 「ドラえもん」 制作 日本テレビ動画 ドラえもん役を富田耕生、野沢雅子が担当
8月 株式会社虫プロダクション倒産(旧虫プロ)
10月~「エースをねらえ!」 毎日放送系放映開始

川本喜八郎と岡本忠成による「パペットアニメーショウ」を開催 1980年まで開催された


1974年(昭和49年)
1月 「アルプスの少女ハイジ」  演出 高畑勲  場面設定・画面構成 宮崎駿
キャラクターデザイン・作画監督 小田部洋一  音楽 渡辺岳夫  制作 瑞鷹エンタープライズ
アニメ作品製作のため、スタッフは実際にスイスへロケーションハンティングに行き、作品作りに役立てた  フジテレビ系列放映開始 
4月 「チャージマン研!」TBS・毎日放送・テレビ西日本放送開始(ナック制作)
※戦後発掘されたアニメとしては主にネットで最大級の注目を集めた作品(ネタ的に)
10月 「宇宙戦艦ヤマト」 読売テレビ系列放映開始
宇宙戦艦ヤマトは再放送を経て人気が上昇 アニメブームの先駆け的作品となり、ファンによる考察本・二次創作漫画など、同人創作ジャンルの拡大、アニメ声優の人気向上、アニメコンテンツ産業の展開メソッドの開拓等、TVアニメ視聴世代の上昇と社会的背景も相まって、その後のアニメカルチャーに大きな影響を与えた
12月 NHKみんなのうたにて「北風小蔵の寒太郎」公開 アニメーション制作は月岡貞夫 詳細
詩人の生涯」 原作 阿部公房  製作・演出・アニメーション 川本喜八郎

この頃のアニメ視聴青年層の関心事が「反体制」から「おたく」へと変化してゆく


1975年(昭和50年)
1月 「まんが日本昔ばなし」 TBS系列
1月 「フランダースの犬」 フジテレビ系列 📺

厳しい世間のなか懸命に生きようとするネロとパトラッシュの悲しいラストとして知られる世界名作劇場作品 ネロの衣服が明るめに設定しているのは視聴者に重苦しいイメージを最初の時点で植えつけない配慮といわれている
4月 「勇者ライディーン」 NETテレビ系列 創映社制作(後のサンライズ ロボットアニメ第1作)
「ガンバの冒険」日本テレビ放映開始(~9月)
インパクト大なノロイのハーモニー画


9月 株式会社シャフト設立
10月 「一休さん」 NETテレビ 東映動画制作 (1977年よりテレビ朝日系列)
タイムボカン」 フジテレビ系列 タツノコプロ制作

当作品のOPおよびタイムマシン時空移動シーンで日本で1台しかないといわれるスキャニメイトを使用して当時最先端CGシーンを導入している

 

この年のできごと
3月 「ペヤングソースやきそば」発売
4月 「秘密戦隊ゴレンジャー」放送開始(~77年3月) スーパー戦隊シリーズの始祖
12月 第1回 コミックマーケット(C1) 日本消防会館会議室にて開催


ベータ規格の家庭用ビデオデッキ ソニーSL-6300発売 翌年に日本ビクターがVHS規格のビデオデッキHR-3300を発売。以降、所謂ビデオ戦争が10年ほど展開され、その間にアニメファンの録画、再視聴、観察、テープの貸し借りによる交流、レンタルビデオ店の出現等、ファン活動レベルが大きく進展する


1976年 (昭和51年)
1月~「母をたずねて三千里」 フジテレビ系列 日本アニメーション制作
9月 シンエイ動画 発足
タツノコプロの創設者 吉田竜夫 病気により死去(45歳)
10月~「キャンディ♥キャンディ」 東映動画制作
11月 東北新社から独立した創映社が株式会社日本サンライズに改組・商号変更


1977年 (昭和52年)
「草原の子テングリ」 原案 手塚治虫  原画・演出 大塚康夫 原画 近藤善文  レイアウト宮崎駿
アニメレジェンドによる共作ともいうべき、貴重なアニメ作品。乳製品会社のPRアニメ作品

下の画像は近藤善文が原画を担当したカット


1月 「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」 フジテレビ系列 タツノコプロ


押井守 タツノコプロ入社 
入社後、ほどなくアニメ演出が評価され、その後の「タイムボカンシリーズ」を担当する

1月 「あらいぐまラスカル」 フジテレビ系列 日本アニメーション制作
2月 「ジェッターマルス」 フジテレビ系列 東映動画制作
7月 高橋プロダクション設立(法人)
虫プロダクション 事業再開

この年のできごと
2月 「ドリフ大爆笑」放送開始
4月 小学館 コロコロコミック創刊
9月 王貞治 756号本塁打達成


1978年(昭和53年)
4月~10月 「未来少年コナン」 NHK総合 日本アニメーション制作 📺
6月 「はいからさんが通る」 朝日放送系 日本アニメーション制作

TV放映から39年の時を経て、2017年11月に劇場版が公開された
8月 「100万年宇宙の旅 バンダーブック」 24時間テレビ スペシャルアニメ第1作
日本初のテレビ2時間アニメ作品
9月 「銀河鉄道999」  CX系列 東映動画制作 📺

河森正治 スタジオぬえ入社

この年のできごと

音声多重放送開始
4月 サンシャイン60開館
5月 アニメ専門雑誌「アニメージュ」創刊 制作担当 鈴木敏夫
6月 スペースインベーダー駆動開始 大ヒットしたシューティングゲーム


1979年(昭和54年)
4月 「機動戦士ガンダム」 名古屋テレビ 日本サンライズ制作
これまでの勧善懲悪型ストーリーと異なる複雑な人間模様が描かれ、緻密な造形と戦略シーンが再放送を経て評価され、青年層を中心に多大な影響を与えた作品
アニメ作品を通じてガンダムのプラモデル(ガンプラ)の販売が大ヒット
鉄腕アトムのマーチャンダイジングに通じるキャラクタービジネスの可能性をさらに大きく示す作品としても評価されている

※画像をクリックするとバンダイチャンネル「機動戦士ガンダム」第1話視聴可能です


ドラえもん(2期:~2005年3月) シンエイ動画の楠部三吉郎が日本テレビ版の打ち切り後、再度アニメ化を藤子・F・不二雄に打診すると、ドラえもんのアニメ化についての企画書を原稿用紙で提出するよう返事を受け、悩んだ楠部は高畑勲に企画書制作を依頼 ドラえもん全巻を読んだ高畑は「夢想空想こそ子供たちの物語だ」と高く評価 高畑の企画書を読んだ藤子は再アニメ化をその場で承諾したエピソードがある

8月 「海底超特急マリン・エクスプレス」 日本テレビ系列 24時間テレビ 手塚プロダクション制作
9月 「劇場版 エースをねらえ!」上映
10月~「ベルサイユのばら」  日本テレビ系列 東京ムービー新社制作
12月 「ルパン三世 カリオストロの城」公開 宮崎駿初監督長編映画作品
大藤信郎賞受賞 商用作品としては初の快挙

日本アニメーション協会設立(初代会長 手塚治虫)
株式会社スタジオぴえろ設立

火宅」公開 能「求塚」より  脚本・演出・人形・アニメーション 川本喜八郎
芸術祭優秀賞ほか海外アニメーション映画祭・映画祭で多数受賞
燃え盛る炎は特殊効果で二重、三重の合成により表現


「野ばら」公開  原作 小川末明  音楽 林千尋  監督 高橋克雄
世界でも珍しい陶器によるアニメーション作品 釉による柔らかな色合いが穏やかな作風を生み出している

そのほかの出来事

声優による初のLPアルバム「富山敬ロマン」発売


【コラムっぽいもの】  日本流リミテッドアニメーションを最大限に活かした出崎 統の技法


1980年(昭和55年)
2月 「魔法少女ララベル」(~81年2月) タイトルに初めて「魔法少女」が採用される 📺
3月 映画「ドラえもん のび太の恐竜」公開
映画「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」公開
9月 TVアニメ「怪物くん」(2代目) テレビ朝日 シンエイ動画制作
10月 「ゲゲゲの鬼太郎」(第3シリーズ)  フジテレビ系列 東映動画
この年以降、トキワ荘出身漫画家作品のリメイクアニメ放映が増える

宮崎駿 「もののけ姫」の初期設定本(イメージボード)を手掛け、アニメ化企画を映画会社やTV局に提出するも採用されず


1981年(昭和56年)
3月 劇場版「機動戦士ガンダムⅠ」 富野由悠季総監督
ガンダムブーム(アニメ・ガンプラ)と以降のジャンル確立

黄金戦士ゴールドライタン」 東京12チャンネル系 道具(当作品ではライター)からの変形ロボアニメの先駆け 「トランスフォーマー」のアニメ化より4年早い放送であった(日本:1985年7月~)
4月 「Dr.スランプ アラレちゃん」 フジテレビ系列 東映動画

メガネをかけたヒロインアニメ作品第1号
キャプテン」 日本テレビ エイケン
6月 アニメ月刊誌「アニメディア」創刊

8月 第20回日本SF大会(DAIKON3)にて当時、大阪の大学に通っていた岡田斗司夫・武田康廣・山賀博之・庵野秀明・赤井孝美らによって制作されたアニメフイルム「DAIKON3」公開

芸術家 村上隆は大学時代に同作品を鑑賞 相当な衝撃を受けたことを公表している
10月 「うる星やつら」 フジテレビ系列 スタジオぴえろ・ディーン 📺

熱血・硬派とは異なる柔軟で新たなスタイルの青少年向けアニメの登場・浸透が目立ち始める

株式会社京都アニメーション創業(設立は1985年)
81プロデュース設立


1982年(昭和57年)
3月 「魔法のプリンセス ミンキーモモ」 テレビ東京ほか 葦プロダクション
第二期魔法少女ブームの到来
4月 「パタリロ!」 フジテレビ系列 東映動画

当時としてはまだタブーとされていた同性愛をコミカルなシーンと綿密に組み立てられたシリアスシーンにうまく組み込んでいたほか、クックロビン音頭など、大人から子どもまで楽しめるアニメ作品となった

映像は83年に公開された映画「パタリロ!スターダスト計画」冒頭シーン

主題歌は原作者の魔夜峰央が担当


7月 「The かぼちゃワイン」 ANB系 東映動画
10月 「超時空要塞マクロス」 MBS・TBS系列  公式サイト http://www.macross.co.jp/
タツノコプロ・アニメフレンド・スタジオぬえ・アートランド制作参加
ロボットアニメにラブコメ・アイドル・青春群像劇など柔軟なアイデアが随所にちりばめられた作品 庵野秀明 制作に参加

「おこんじょうるり」公開  監督 岡本忠成


海外 CGを導入した映画「トロン」公開
そのほかのできごと
2月 ホテルニュージャパン火災
4月 読売新聞にて「コボちゃん」連載開始(植田まさし作)
6月 東北新幹線 大宮―盛岡間開業


1983年(昭和58年)
3月 映画「幻魔大戦」 監督 りんたろう  キャラクターデザイン・原画 大友克洋
7月 ポリゴン・ピクチュアズ設立
魔法の天使 クリィミーマミ」 日本テレビ系列 スタジオぴえろ 📺

8月 第22回日本SF大会「DAIKON4」開催によるオープニングアニメーション公開 

「DAIKON3」制作メンバー、板野一郎ほか、プロアニメーターも参加。 参考
11月 「小鹿物語」 NHK総合 ビジュアル80制作
日本制アニメで初となる3DCGをOP/ED一部シーン・第2話デジタル彩色導入作品
12月 世界初のOVA「ダロス」発売 制作スタジオぴえろ


1984年(昭和59年)
2月 映画「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」公開 
押井守監督 制作 スタジオぴえろ・スタジオディーン
3月 映画「風の谷のナウシカ」公開 プロデュ―ス 高畑勲  原作・監督・脚本 宮崎駿 

制作 トップクラフト  毎日映画コンクール 大藤信郎賞受賞
庵野秀明が巨神兵登場シーンの作画を担当
関連記事→コチラ コチラ

「風の谷のナウシカ」の画像はすべてⒸ1984 二馬力・GHに帰属します。

3月 映画「少年ケニア」公開 大林宣彦監督 制作 東映動画
7月 映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」公開
監督 石井昇・河森正治 制作 タツノコプロ 製作協力 アニメフレンド
10月 「北斗の拳」 フジテレビ系列 芦田豊雄監督 東映動画 📺
「くりいむレモンパート1 媚・妹・Baby」発売(アダルトアニメOVAの先駆け)
12月 株式会社ガイナックス設立 沿革

映画「ドラえもん のび太の恐竜」がゴールデングロス賞最優秀金賞を獲得


1985年(昭和60年)
映画「銀河鉄道の夜」  杉井ギサブロー監督 制作 グループ・タック  原案 ますむらひろし
毎日映画コンクール 大藤信郎賞受賞
宮沢賢治の文学世界を見事にアニメーション化させた作品のひとつとして知られている
杉井氏が放浪の旅の途中、立ち寄った書店で読んだ、あだち充原作漫画「タッチ」の語らずとも意図を感じさせる描写から、アニメーションでも語らずとも心情を鑑賞者が感じ取ることが出来るのではないかという発見と挑戦により、アニメ作品において独特の作風に達している ※「タッチ」はその経緯から制作

 

池田宏 任天堂情報開発部長に就任  小田部洋一 任天堂へ開発アドバイザー就任

3月 「タッチ」 フジテレビ系列 総監督 杉井ギサブロー シリーズ監督 ときたひろこ
アニメ雑誌「月刊ニュータイプ」創刊
4月 スタジオジブリ設立

ドキュメンタリーバラエティ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」のOPにアニメを採用

なんきん、しりあがり寿、どおくまんプロ、江口寿史がそれぞれ歴代OPを担当
9月 任天堂ファミリーコンピューターゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」発売
12月 岩崎良美が歌う「タッチ」(第1期OPテーマ曲)が第27回日本レコード大賞金賞受賞
アニメソングとして初の快挙

そのほかのできごと
阪神タイガース初の日本一達成 カーネル・サンダース像 道頓堀へ投げ込まれる


1986年(昭和61年)
2月 「ドラゴンボール」  シリーズディレクター 岡崎稔、西尾大介 制作 東映
同年フランスのコミック誌PIFアニメグランプリ金賞受賞する
3月 「めぞん一刻」 製作担当 多賀英則 制作 スタジオディーン 📺
8月 映画「天空の城ラピュタ」公開  原作・脚本・監督 宮崎駿 制作 スタジオジブリ
10月 「Bugってハニー」 ゲームを元に当時有名ゲーマーだった高橋名人を元にしたキャラクターを登場させたメディアミックス作品。漫画・文芸原作以外のアニメの先駆け
「聖闘士星矢」放映開始(~89年4月)

11月 バラエティコント番組「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」OPにアニメ採用 後にCG版も制作

作画版制作は手塚プロダクション
12月 映画「火の鳥 鳳凰編」 りんたろう監督 
制作スタジオ プロジェクトチーム・アルゴス、マッドハウス*
併設上映は「時空の旅人」 真崎守監督*  *・・・制作は同じ
※手塚(存命時期)原作・宮崎原作長編映画唯一の同年公開上映
毎日映画コンクール 大藤信郎賞 「天空の城ラピュタ」における宮崎駿とその製作スタッフ


1987年(昭和62年)
3月 映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」公開  制作 ガイナックス

エグゼブティブ・プロデューサー 山科誠  企画 岡田斗司夫、渡辺繁

原案・脚本・監督・山賀博之  キャラクターデザイン・作画監督 貞本義行  美術監督 小倉宏昌
スペシャルエフェクトアーティストとして庵野秀明参加(作画監督も兼任)  音楽監督 坂本龍一

当時、20代前半若手クリエイターだった多くのメンバーが挑み・創り上げたハイクオリティーなストーリーとアニメーション描写に、その後のネットでの評判や円盤での売上によって今なお国内外に高い評価を得続けている 架空の世界の航空宇宙技術機器描写や非常に緻密な破壊・爆炎・ロケットの氷塊剥離シーンなど有名な見どころが多いことでも知られている。主人公のシロツグに俳優 森本レオが担当

4月 「シティーハンター」 こだま兼嗣監督 日本サンライズ制作(サンライズ)
赤い光弾ジリオン」 制作 タツノコプロ
7月 株式会社アニメイト設立
8月 映画「火の鳥・ヤマト編」 平田敏夫監督
10月 「ミスター味っ子」 今川泰宏監督 制作 サンライズ
※グルメアニメの先駆け的作品
ビックリマン」 シリーズディレクター 貝澤幸男  制作 東映動画
トレーディンング要素を持つアイテムを原作にしたアニメ作品の先駆け
12月 映画「火の鳥 宇宙編」 川尻善昭監督
ファミリーコンピュータ用ゲームソフト「ファイナルファンタジー」発売
パッケージデザインを天野喜孝が務めた


そのほかのできごと
4月 国鉄が分割民営化 JR7社に分割
6月 「世界の車窓から」放送開始


【コラムっぽいもの】 「ゲーム業界躍進を支えたアニメ業界出身者たち」
※敬称略

1980年代のファミコンブームとアニメーションとの関係において見逃せない事例は東映動画(現 東映アニメーション)に在籍していた池田宏と小田部羊一だろう。

二人は東映動画の同期生で1950年代~70年代に東映動画でアニメーション作品を制作してきた経緯をもち、1969年公開の「空飛ぶゆうれい船」では監督(演出)を池田、作画監督を小田部が担当。
1971年公開「どうぶつ宝島」では監督・演出を池田、原画を小田部が担当している。

その後、東映動画は研究開発部創設により池田は研究部に在籍。アニメーション制作における生産性と技術・コスト面の研究、各コンピューターメーカーとのアニメーション制作システムの技術的可能性を模索する。

小田部は東映動画を出て高畑勲、宮崎駿とともに東京ムービー制作「パンダコパンダ」、Aプロダクションを経て1974年にズイヨーに所属し、「アルプスの少女ハイジ」を制作。その後の高畑・宮崎コンビによる「母を訪ねて三千里」や宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」にも参加している。

それぞれ別の道を歩んでいた二人だが、池田はテレビゲームという別分野において任天堂が研究・開発を始めた1970年代半ばに業務用ゲーム開発でつながりができたことから、1983年にファミリーコンピューターが発売される前は同社から開発の相談も行っていた。

1985年に池田は任天堂情報開発部長に就任。ゲーム制作に関して組織管理担当と制作事務担当に分け、制作に集中できる環境作りを進める。その環境で思いっきり制作に打ち込めたのがファミコン躍進の原動力となった後にゲームプロデューサーになる宮本茂であった。

これからのTVゲームはアニメーションのノウハウが必要になることを把握していた池田は小田部に任天堂でのアドバイスを依頼し、二人はTVゲームという新たなステージで活動を行う。

まず最初に行った仕事は「スーパーマリオブラザーズ」のイラスト制作サポートだった。
従来、ゲームソフトではプロの漫画家やイラストレーターに依頼していたものの、今作品では既に時間切れになっていたことから宮本茂本人がパッケージイラストの原画を描くことになったエピソードがあるが、さらにスーパーマリオブラザーズの世界観を膨らませるようなイラスト作りをサポートしたのが小田部であった。彼が描いた線をスタッフが自分のものにして、それをゲームに取り込むことでさらに活き、その後3DCG化されることによって、より小田部の画力が重要なものであることに気づいたとのスタッフのコメントも残されている。※
※作画のマリオのイメージを活かしつつ3Dで動かせるデザインのマリオを小田部が描いてスタッフへ提案し3DCGのマリオが出来上がった

この後も小田部はゲーム「夢工場ドキドキパニック」や「マリオカート」でのゲーム制作におけるアニメーションのアドバイスを行ったという。

池田宏は1999年任天堂を退社した後も東映動画在職中から続けていた大学での講座や教授・研究に携わっている。小田部羊一は任天堂開発アドバイザーを務め2007年に退社。劇場版「ポケットモンスター」のアニメーション監修のほか、講演活動も行っている。

この二人の事例だけでなく、スクウェア(現スクウェア・エニックス)よりファミリーコンピューター用ゲームソフト「ファイナルファンタジー」のパッケージイラストデザインを担当したのはタツノコプロでアニメ作品制作に携わっていた天野喜孝であり、任天堂ファミリーコンピューター用ゲームソフト「パンチアウト」のキャラクターイラストは「魔法使いサリー」や「はじめ人間ギャートルズ」、ファミコンソフト「高橋名人の冒険島」を
ベースに作られたTVアニメ「Bugってハニー」の作画監督を務めた香西隆男である。


1980年代の家庭用ゲームソフト発展にアニメーターの貢献があった歴史は、この年表において、どうしても記したかったことでもある。

参照
インタビュー 3DCGの夜明け 池田宏氏 Enhanced-Endorphin
小田部洋一さんと『うごくメモ帳』 篇 社長が訊く『ニンテンドーDSi』
作画監督 小田部羊一さん その1 その2 NERIMA ANIMATION SITE


1988年(昭和63年)
2月 映画「森の伝説PART-1」 監督 手塚治虫・宇井孝司
第1・第4楽章のみ暫定的に完成し出品した作品
ウォルト・ディズニーへのオマージュと絵から始まりアニメーション技術草創期から、フルアニメーション・リミテッドアニメーションに至る制作技法をストーリーの演出に組み込みつつ、手塚にとってのアニメ―ションとのつながり(歴史)を振り返るような作品

「おそ松くん(2代目)」(~89年12月) 監督 鴫野彰  制作 スタジオぴえろ

4月 映画「火垂るの墓」 監督 高畑勲/「となりのトトロ」 原作・監督・脚本 宮崎 駿  制作 スタジオジブリ
鎧伝サムライトルーパー」放映開始(~89年3月) 制作 サンライズ  TV第1部 池田成監督 TV第2部 浜津守監督
イケメンキャラが登場するバトル系アニメ作品で同人誌の題材として女子ファンのあいだで大ブームに
一部放送局で同じ回を2度放送してしまった放送事故も有名

OVA「機動警察パトレイバー」(~89年6月 全7話)
原作(初期OVA)※・キャラクター原案は漫画家ゆうきまさみで漫画も連載。

小説、アニメ映画、TVアニメ、実写映画など、現在に至るまでメディアミックス、新作公開が行われる
実生活・社会感と近未来感がうまく調和された作品世界と表現で人気の高い作品
押井守が初期OVA(1~6巻)で脚本、劇場版2作と実写版「THE NEXT GENERATION-パトレイバー-」で監督を務めている
※新OVA・TVシリーズ・89年・93年劇場版の原作はヘッドギア※2
※2 伊藤和典・押井守・高田明美・出渕裕・ゆうきまさみによる制作グループ

7月 映画「AKIRA」 原作・監督 大友克洋 制作 東京ムービー新社
10月 OVA「トップをねらえ!」制作(全6話) 原作 岡田斗司夫 監督 庵野秀明 

【AKIRA】
原作・監督・脚本・キャラクターデザイン 大友克洋  
脚本 橋本以蔵  作曲・指揮 山城祥二 作画監督 なかむらたかし  
作画監督補佐 森本晃司  美術 水谷利春  音楽 芸能山城組  音響 明田川進
撮影 三澤勝治  制作 東京ムービー新社(現 トムスエンタテインメント)ほか
製作 アキラ製作委員会

製作期間3年 総製作費10億円 総セル画枚数15万枚 70mmフイルム使用という超大作アニメ映画 キャストのセリフにあわせて口の動きを描くプレスコ方式で制作されている

音楽は芸能山城組が担当。伝統的なアナログ奏法で収録されたと思いきや、DTMと独自の楽曲構築法を活用して作られた前衛的な楽曲に組み立てられている


10月 「それいけ!アンパンマン」 日本テレビ系列 制作 トムスエンタテインメント

「となりのトトロ」毎日映画コンクール日本映画大賞・大藤信郎賞ほか多数の賞を獲得

そのほかのできごと
3月13日 青函トンネル完成 青函連絡船の運航終了
3月18日 東京ドーム完成
4月10日  瀬戸大橋開通
リクルート事件発覚


1989年(昭和64年/平成元年)
1月 「ピーターパンの冒険」  フジテレビ系列 日本アニメーション 📺
キャラクターデザインを担当したなかむらたかし氏は「AKIRA」の作画監督を務めている
1月7日 昭和天皇崩御
1月8日 元号法に基づき改元 平成に
2月9日 手塚治虫 胃癌のため急逝(60歳)
なお、未完の「森の伝説」の第二、第三楽章は息子の手塚 眞氏が製作を発表 参考 シネマトゥデイ

日本のアニメの歴史年表は昭和期でひと段落入れます
日本のアニメーション歴史年表 その3 1989年(平成元年)~2000年(平成12年)はコチラ

参考
日本アニメーション映画史
日本のアニメ全史 
手塚治虫劇場
日本アートアニメーション映画選集
大藤信郎賞 受賞短編アニメーション全集
各アニメ制作会社 ウェブページ
あしたのジョー+エースをねらえ!+アタックNo,1+巨人の星=スポコン展!
他関連ウェブサイト 展覧会資料