甲州ぶどう | ambiguouswordsのブログ

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先日、休みをとってコーカサス地方をぶらぶらしていた。
黒海とカスピ海に挟まれた地域。
グルジアとかアルメニアとか。

現地のワインを楽しみ、カフカス山脈で原種に近い小さなリンゴをかじり、
現地の人たちの容姿や言葉の響き、ロマ民族の様子などを興味深く眺めていた。

ワイン発祥の地と聞いていたので楽しみにしていたけど、
正直なところ、おいしいワインには出会わなかった。

手づくりワインはぶどうの皮の風味やフレッシュさがおもしろかったけど、
どうもボリュームというか厚みのある味のワインが少ない。
白ワインを飲むと、一昔前の香りやボリュームに乏しい甲州ワインを思い出した。

少しワインを飲んでいる人であれば、コーカサスのワインはシャルドネやリースリング、
ソービニヨンブランなどと全然違うと感じるだろう。

帰国してから、甲州ワインのルーツがコーカサス地方にあることをニュース記事で知った。
グルジアで飲んだワインに甲州と似たものを感じたのは、偶然ではなかったようだ。

しかし、記事の中の「中国の野生種」とは何だろう。西安のあたりにでも野生種のぶどうはあったのだろうか。
「ウイグルの野生種」であれば納得しやすいが。

中国の一部となっている新疆ウイグル自治区は、客観的に見ると
植民地支配を受けている状況ではないかと思われるけど、
日本の平和主義者や反植民地主義者は批判をしない。不思議。

ウイグル地方では、むかしからウイグル人たちによるぶどう栽培が盛ん。
干しぶどうもたくさん作られている。
乾燥した地域に育つウイグルのぶどうがとても甘くておいしかったことを思い出す。

コーカサスから、中央アジア、ウイグルを経て中国からたどり着いた甲州ぶどう。
目のぱっちりしたコーカサスの人も、古代の日本に来ることがあっただろうか、などと想像する。


http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201311080068.html
■ブドウ甲州はコーカサス起源
 白ワインに多く使われる日本在来のブドウ「甲州」が、黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方からシルクロードを経由して伝わってきたことを酒類総合研究所(東広島市)などの研究班が解明した。DNA解析などで分かった。9日に甲府市である日本ブドウ・ワイン学会で発表する。
 酒総研研究企画知財部門の後藤奈美部門長(56)=ワイン醸造学=によると、「甲州」は奈良時代の僧行基が薬師如来から授けられたという伝承もあるほど古くから日本で栽培されている。欧州などを原産地とするブドウがどのようなルートで伝わったのか、中国を通ってきたと推定されていたがはっきりしていなかった。
 後藤部門長は、米国コーネル大などの研究者に協力を要請。精度の高いDNA解析などでコーカサス地方原産のブドウ、ビニフェラと同じ性質を約7割、中国の野生種と同じ性質を約3割持っていると分かった。ビニフェラと野生種が交雑したブドウに、さらにビニフェラが掛け合わさった品種の可能性が高いという。
 後藤部門長は「甲州ははるばるシルクロードを渡り、日本の気候風土に適応した。起源の解明は、品種改良での活用にもつながる」と話していた。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131108-OYT1T00388.htm
■日本在来ブドウ甲州、起源はコーカサスと中国
コーカサス地方の品種と中国の野生種が交雑・交配したことで誕生したことが判明した「甲州」=酒類総合研究所提供 ワイン用として使われる日本の在来ブドウ品種「甲州」は、ロシア南部・コーカサス地方の品種「ビニフェラ」と中国の野生種が交雑・交配して誕生したことが、独立行政法人・酒類総合研究所(東広島市)のDNA解析でわかった。
 9日に山梨大(甲府市)で開かれる「日本ブドウ・ワイン学会」で発表される。
 同研究所によると、奈良時代の僧・行基が薬師如来から授けられたなどの言い伝えを持つ甲州の起源を巡っては諸説あり、これまではビニフェラがシルクロードを経て日本に伝わったという説が有力だった。
 その一方で、「ビニフェラではない」とする説もあり、同研究所が米・コーネル大などの研究チームと共同で昨年からDNA解析をしていた。
 その結果、甲州は、71・5%がビニフェラの遺伝子を、残り28・5%は中国の野生種の遺伝子を受け継いでおり、ビニフェラと野生種が交雑した後、さらにもう1度、ビニフェラと交配した品種である可能性が高いことがわかった。
 同研究所研究企画知財部門長の後藤奈美さん(56)(ワイン醸造学)は「甲州の起源を解明することで、甲州の特長を生かした新種開発につながれば」と話している。
(2013年11月8日14時20分 読売新聞)