発酵食品は文化の粋(すい)。日本酒もおいしい! | ambiguouswordsのブログ

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100年前と今との一番の違いは何でしょう、と問われたら、私は「冷蔵庫の有無」と答えたい。
数十年前に冷蔵庫が一般家庭に普及することによって、人類の生活は大きな変化を迎えた。

何より、生ものを冷蔵庫の中に入れていたら1週間から10日も保存することができるのだ。なかなか腐らないのだ。

何千年も何万年も食べ物の腐敗と戦った人類は、ついに腐敗に勝利した。
この勝利の日を境に、保存食品のありがたみは小さくなっていった。
いつでも新鮮なものを食べることができるのだ。干したり漬けたり発酵させたり加工したり、さまざまな手段を使って保存を試みなくてもいいのだ。

なまけた人類は何千年も何万年もかけてつちかってきた発酵食品の技術を劣化させてきた。パン、醤油、味噌、ビール、ワイン、日本酒。どれも手作りは手間がかかるからといって、ニセモノみたいな形ばかりの工業品を作り出した。
だけど、人々の生活が豊かになり、文化も充実してくると、そんなニセモノに満足できない人々が増えてきた。
本物の、何千年も何万年もかけて完成した知恵を味わおうとする人が増えてきた。
日本酒やワインやビールなどの醸造酒には長い間につちかわれた人類の知恵を感じる。
だからこそ、ちょっと感度のいい人がおいしくお酒を飲んでいる。

近年日本酒離れが深刻だとも言われているけど、日本酒愛好家は増えている。
高品質な日本酒を造る蔵元は増える一方。
吟醸酒や生酒を保管する体制を整えた販売店も増えている。
おいしい刺身を出すお店には趣味のいい日本酒が揃っていることが多い。
おかげで、望めばおいしい日本酒を手軽に飲むことができる。

白鶴や菊正宗を置いているのはあまり日本酒に興味がない飲食店。
八海山や菊姫を置いているのは少し日本酒にも気を配っている普通の店。
磯自慢や貴を置いている店で、わるい店はないと感じている。勝手ながら。

今年に入ってからもいろんな日本酒を飲んでいる。

栃木の鳳凰美田、愛知の醸し人九平次、青森県の田酒、神奈川県の天青、静岡の開運、島根県の王禄、兵庫県の香住鶴、龍力“米のささやき”、山口県の貴、その他いろいろ。
どれもちょっと日本酒をたしなんでいる人にとってはとても有名なおいしいお酒だ。
今日部屋で飲んでいるのは大信州吟醸生酒“吟にごり”。これは世田谷区若林の有名酒販売店、港屋さんのお勧めだ。
発泡した感覚もさわやか。フルーティーなものが好きでない人にとっては物足りないだろうけど、飲みやすいさわやかなお酒だ。

でも今年いちばんインパクトがあっておいしいと感じたのは、石川県の福正宗“純米黒麹超辛”。不思議なことに、黒麹ならではの香ばしさと、コクがあるのにドライな感覚のバランスがいい。上品な粕取り焼酎(酒粕を蒸留した焼酎)や黒麹とタイ米を使う泡盛にも少し通じるものを感じる。


沈殿物(おり)のある発泡した日本酒を飲むと、韓国の生マッコルリを思い出す。
韓国のマッコルリは米と雑穀を発酵させた、白濁した醸造酒。甘酒と日本酒との間のような素朴な味わい。火入れした、菌の死滅したものしか飲食店には置いてないけど、新大久保の「韓国広場」などの韓国系スーパーに行くと「二東(ニードン)マッコルリ生」を購入することができる。火入れしたマッコルリと違って酵母が生きているから、泡を吹いている。わざと栓をゆるくしめてあるから、発酵して生じた炭酸の勢いでちょっとずつあふれ出してベトベトする。だけど、この生マッコルリはおいしいんだな。火入れした普通のマッコルリが甘ったるくて飲んでられなく感じるくらい。

日本酒も、温度管理をしっかりとする販売店が増えてきたせいか、酵母の生きた、すこし発泡している生酒の販売が増えてきた。

生酒大歓迎。酵母は健康にもいいし~。
何年間も保管した、ちょっと紹興酒っぽい香りも出てきた日本酒の古酒もおいしいけど、やっぱりフレッシュな瑞々しい日本酒はおいしい。

日本の各地方の文化でもある、各地方の特徴ある日本酒を振興するためにも、マスコミは大事に日本酒を取り上げてほしいな。

今日、読売新聞で「日本酒でも栓飛ぶ事故」っていう記事があったけど、日本酒に詳しい人の記事なのかな。
「日本酒造組合中央会によると、生酒は、一般の日本酒やにごり酒とは違って、出荷時に加熱処理をしていない。そのため、酵母が瓶の中で生きていることがある」
って書いてあるけど、本当に酒造組合中央会の人がそんなこと言ったのだろうか。
「生酒の一部には酵母が生きていることもある」、というような表現に見える。
でも、生酒の検査をしたら、9割以上のものに生きた酵母が検出されるのではないでしょうか。
日本酒の分類として、酵素(デンプンを糖に変化させる)と酵母(糖をアルコールに変化させる)が生きているものが「生酒」ではないかと思う。
<参考>
http://amytt.net/nihonnsyusyurui.html

ついでに言うと、生酒を販売している店では、きちんと生酒に対しての注意をしているはずです。買って帰ってから室内に放置したりする人は、生酒に手を出すべきではありません。繊細な生酒のコンディションが悪化して、せっかくの酵母と炭酸が噴出してしまうかもしれませんから。要注意!いいお酒は丁寧に扱って飲みましょう。


<参考>
2008年(平成20年)1月23日(水曜日)(27くらし12版)
■日本酒でも栓飛ぶ事故 骨折例も
 加熱処理をしていない生のにごり酒や生の中汲みと呼ばれる日本酒は、開栓する際に栓がシャンパンのように勢いよく飛ぶ危険があることが国民生活センターの調べで分かった。同センターには鼻を骨折するなどの事故事例も寄せられており、注意を呼びかけている。
 同センターによると、昨年6月、高知県の30歳代の男性が、瓶入りの生のにごり酒の栓を開ける際、栓が飛んで顔に当たり、鼻の骨折と眼底打撲で5日間入院した。
 同年3月にも、滋賀県の30歳代の男性が、一升瓶に入った生の中汲み酒を開栓したところ、栓が勢いよく飛んで眼鏡にあたり、片方のレンズにひびが入る事故があった。同様の事故事例は、過去10年間で、計5件起きているという。
 こうした事故を受け、同センターで商品テストを行った。事故が起きた瓶は、ワインのコルクのように、瓶の口にプラスチック製の中栓が詰められ、そのうえにアルミ製の金具(外栓)が覆われていた。
 まず、高知県の事故と同様に、生のにごり酒を冷蔵庫で冷やした後、20分間室温で置いてから開栓した。すると、外栓を外した途端、中栓が勢いよく飛び出した。
 生の中汲みでも、滋賀県での事故同様、室温で約3週間保管した後、開栓した。外栓をはずしただけで、中栓は3分の1ほど開いた。さらに、中栓を軽く押すと「ポンッ」という音を出して、中栓が勢いよく飛び出した。
同センターの担当者は、「ぶつかった際の衝撃はかなり強いので、開栓時には、周囲に人がいないかなど気を付けてほしい」と指摘している。
日本酒造組合中央会によると、生酒は、一般の日本酒やにごり酒とは違って、出荷時に加熱処理をしていない。そのため、酵母が瓶の中で生きていることがある。
 そして、生酒のなかでも、生のにごり酒や生の中汲みは、もろみなどの発酵成分が残っているため、酵母が活性化してより多くの炭酸ガスを発生し、栓を押し上げることもあるという。
 同会では各メーカーに対し、注意表示をより分かりやすく工夫するように呼びかけている。