3週にわたって行われた「国民スポーツ大会(国スポ)」(以下,旧称の「国体」で)の予選会は,完全なダメ元での参加だった長男.

 それでも「力試し」にはなろうし,「超ハイパーウルトラスポコン研修会」だと思えば,頑張ったほうだと言えよう.

 6ゲームずつ3日のトータルは3,000をクリアして,AVG.としては170一歩手前だった.あのコンディションかつ1ゲームごとボックス移動という環境を考えれば,及第点だろう.

 ましてや,昨年の国体予選の際のデータ(初回の「伊勢原ボウリングセンター」は,仕事のためついて行けなかったので,それ以外)を確認すると,「タチバナボウル」でも「川崎グランドボウル」でもAVG.120台に終わっているのを考えれば,相当に上達したと言っていいだろう.その時期,他の「大会」などの記録を見れば,AVG.160台だった頃である.

 

 そんな第2週の後,その後に控えている「第23回JB関東地区高等学校対抗ボウリング競技大会・県予選会」兼「第48回JOCジュニアオリンピックカップ全日本高校ボウリング選手権大会・一次選考会」兼「高体連加盟校全国選抜高等学校ボウリング選手権大会・県選考会」という,名前だけ見れば「何のこっちゃ」なんだけど,その実は「要するに『合同予選会』」を考えて,例年これの会場になっている「江の島ボウリングセンター(114-104)」に「下見」に行ったのだった.

 

 

 1年生の時には,見事「関東大会」への切符は手にして,「高校選手権」の最終選考会にもギリギリ引っ掛かったのだが,流石にその時点ではまだ「全国」の壁は高かった.

 実は,上記の「高体連全国選抜」は,その「高校選手権」の最終選考から漏れた選手を中心に選抜しているらしく,昨年度までは「東海北信越高等学校ボウリング選手権大会」というものに「乗っかって開催」だったのが,今年度から純粋な「全国選抜」としての位置付けになったらしい.分離したのか,乗っかられていたほうの「東海北信越大会」が変更なりになったのかは定かではないが.

 とすると,1年生の時にこの「高体連全国選抜」に出られていたのでは,という気もするのだが,新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みて少なくともこの年,神奈川県は選手を派遣していなかったらしい.

 

 2年生の時には,当時3年生の先輩と2人だけになってしまったものの,その先輩の成績で「関東大会」には連れて行ってもらった.しかし,個人成績は振るわず,最終選考会には残れなかった.この年から「高体連全国選抜」への派遣が復活したので,これまた「全国大会」デビューを逸することになったのだ.

 結果的に「全国デビュー」は,その年の暮れの「学校対抗」までお預けとなった.

 

 今年は3年生.

 泣いても笑っても,全ての大会が「最後のチャンス」である.「春高ボウリング」は,既に「最初で最後」が終わったが.

 

 先輩が卒業し,部員が1人だけになってしまって(なのに顧問は6人に増えて),どうなることかと思ったのだが,1年生の男女各1人が入部.更に男子2人が仮入部となったようで一安心.

 ただし「経験者」はいないらしい(勿論,一般の客として投げたことはある筈).

 最後まで,誰か1人くらいをハウスボールでもいいから,と県予選に出すことも考えたらしいが,最終的に「時期尚早」として見送りとなったようだ.長男が万一「プラス」で行ければ,もう一人はAVG.100でも何とかなるんじゃないか,と思った(実際,関東予選として見た場合の「ライン」はチーム戦3ゲーム✕2人で900に届いていなかった)のだが,そこにも届いていなかった……ということ? まだ新入生が投げているところを見ていないので,何とも言えないが…….

 

 そう考えると,まだ「歴」が浅かったとは言え,入学時から既にマイボウラーだったため,そのままこの予選会からデビューした長男が「期待の新人」扱いだったのも頷ける.

 今回は,神奈川県全域から男子35人,女子11人のエントリーで「1年生」は,男子3人,女子はゼロ.この「男子3人」は,それこそ県連の「ジュニア強化練習会」などでも知っている子たちばかり.中2から始めたとはいえ,中学校時代にそのようなものに参加したこともなかった長男だが,それでも今になって見ると,高校から始めたと思われる選手からは上級者に見えるであろうと思えるようになった.

 

 この日の予選会には,顧問の先生5人(うち3人は今年度から顧問)と「仮入部」の1年生男子2人が「応援」と「見学」に来ていた(更にOBで「コーチ」の木村晃プロ(1431/60期)も).だが「出場」するのは長男だけである.比率からすれば,会場内で最も「大規模」な「応援団」だ.

 こうなっては,いい所を見せなければ,と思ってしまうのだが,この「江の島ボウリングセンター」は前年度のこの予選会を始め,秋の県高校総体などでも苦戦して「苦手意識」が強かった.それもあって,先日「練習」に来てみたのだが,それがどう出るか.

 

 (↑ 今回もまた写真撮影を忘れたので5年前に撮った写真で誤魔化す……💧)

 

 実は,前々日の夜に「事故」が起きていた.

 

 飼っている元「保護ネコ」が,何かの弾みでケージの上から「転落」し(元々猫のくせにかなりどんくさい),更にケージのドアとの隙間に尻尾が挟まって「宙吊り」になってしまったところ,救出しようとした長男が引っ掛かれた上に噛まれてしまった.

 左手甲の親指と人差し指の間に3cmほどのひっかき傷,右手首に1cmほどのひっかき傷,そして左親指のIP関節(第1関節)とMP関節(第2関節)の間を噛まれたらしい.

 

 ダメージが大きいのは,左手の親指…….

 

 長男は「左投げ」なのだ.

 

 サムレスや両手投げならともかく,普通にストローカーしているため,左のサムがダメージを受けるのは,文字通りの「致命傷」である.

 筆者のように「右でも投げられるから,どうにか……」という訳にはいかないのだ(そんな奴のほうが超・少数派だろうが).

 

 慌てて24時間営業のドラッグストアまで,片道40分をかけて歩き(晩酌後だったため)往復.消毒液と化膿止めの軟膏,コロプラストタイプの絆創膏を買って来て「応急処置」はしたのだが…….

 痛みはさほどではなく,すぐに流水で洗い流したこともあって,腫れなどもほとんどないが,このまま投げるのは難しいかも知れない.

 

 翌日(予選会の前日),プロショップにいるOBのドリラーに相談し,コロプラスト絆創膏を貼ったままで指が抜けるなら何とかなるのでは,ということになった.

 手の甲の傷は,投球に影響しないだろうが,問題は親指の咬傷.

 部位的には指の「内側」(人差し指側)で,関節と関節の間にあるため,サムソリッドに圧迫される場所ではない.ただし「紙一重」であることは間違いなく,何も貼らなければ擦れることは確実だ.再度傷が開いて出血する可能性もあるので,コロプラスト絆創膏で保護しておかなければマズイ.しかし,コロプラスト絆創膏の「特性」として,傷口からの浸潤を受け止めて膨らむことがあり,これによって「抜け」が悪くなる可能性がある.

 元々,サムはギリギリのサイズで調整しており,寝起きなどは浮腫んで「そもそも指が入らない」ということもあるような長男なので,コロプラスト絆創膏が触れる部分のサムソリッドに,しっかりと鑢掛けして削りつつ,ざらざらにして空気が入(って滑りやすくな)るように細工する.

 

 会場入りしてすぐに,この「加工」を行い,それまでに長男も水分を入れて浮腫みを落とす.

 どうにか「何とかなりそう」という感じになった.

 本人曰く「スペアボールは何故かそのまま使えそうなんだけど……」とのことで,「ZEN GoldLabel」は若干,「NANODESU AccuDrive III」は「きつくて無理」という話だったので,「AccuDrive」を最優先で鑢掛け.使うかどうかわからないものの「PHYSIX PowerElite Blue」も長男の「感触」を聞いて,若干加工しておいた.

 

 その甲斐があったか,第1ゲームは3フレまでスペアで繋いだら,4フレから5th.9フレで7番タップをカバーミスしたものの,220UPと上々のスタート.

 第2ゲームも,2度のダブルを挟んでノーミスで210UPと,昨年暮れの「学校対抗」を彷彿とさせるような滑り出し.

 

 

 前半3ゲームは「個人戦」として行われ,ボックスを移動した後半3ゲームが「チーム戦」扱い.これを合わせた「個人総合」が「高校選手権」や「高体連全国選抜」の選考に使用される.

 この予選会そのものの「表彰」対象としては,今回(一人参加なので)「学校」は関係なく,個人は上位6位までが対象らしい.

 この時点で5位らしく,これはもしかすると……と期待が高まる.

 

 第3ゲームもターキーでスタートし,4フレの7番タップをカバーしたところで「これは」と思った.

 しかし,5フレで10番が残ってしまう.

 半月前に「練習」した時にも感じたが,このレーンパターンはかなり遅い.長男は,遅いレーンでの10番カバーは苦手なのだ.

 そう思っていたら,案の定ミスってしまった.

 すると,7フレの7番タップもミス.更に8フレでは刺さってしまって4-6-10スプリットに.こういうのは「引き摺る」傾向もある.

 

 

 そして,最後の最後,ストライク後の10フレ3投目で,またも10番残りをミス.

 10フレ3投目だから,1ピンの差にしかならないのだが…….

 

 「こういう1ピンが明暗を分けるんだよ」(by木村P)

 スペアやストライク絡みでもない,たったの1ピン.

 しかし……個人6位が621ピンだった……Σ( ̄▽ ̄;;

 

 しかも,所謂「Low-High差」では,そちらは「73」(248-175)もある.長男はこれが「40」なので,どこかであと1ピン取っていれば「入賞」だったのだ.

 ちなみに7位と8位も「同ピン(620)」で,これを「Low-High」で抑えて7位にはなった.それだけスコアは(最後に少し勿体なかったとは言え)安定していたと言えよう.

 プラスを打ったのは10人.上から,830(!),732,664,644,625,621,620,620,618,617(次点:595).上位は飛び抜けているが,5位以下は「ダンゴ」状態である.

 惜しくも入賞は逃したが,超トップレベル(それこそ小学校からガチでやっている人々)に続く「第2集団」の中に食い込む健闘を見せた.

 

 後半の「チーム戦(相当)」3ゲーム.

 

 前半も同ボックス(5人打ち)には,他にレフティがいなかったが,後半もいない.ただし,このボックスでは前半に一人レフティがいたので(タイプは長男と似た感じ),変化の度合い的には「さっきの続き」から読んで行けばいいかと.

 全体的に「激遅」に見える上に,変化が速い.そのため「左右差」も大きくなりやすい.

 後半に入り,大半を占める右投げの選手の多くがスコアを落としていき,木村プロによると「ほとんどプラスを打ってる人がいない」状態.こうなってくると,レーンの変化がゆっくりな左投げには有利になるとはいえ,それでもかなり難しそう.

 

 第4ゲームは,2フレまでスペアで繋いだところで,木村プロが「まだ『AccuDrive』で行ける,とこだわっているみたいだけど,練習投球でも『ZEN』は両方のレーンでストライクになっているし,今も『AccuDrive』は少し厚めに入っているよね」と,ボールチェンジを示唆.3フレから「ZEN GoldLabel」にチェンジしたらストライクに.

 4フレは惜しくも8番が残ったが,こちらのほうがピン飛びもいい感じだ.すると5フレからダブルが来て,7フレ,8フレとタップが続くがカバー.

 「お,いいじゃん」と思ったものの,9フレで7-10に…….

 10フレも1投目はストライクとなったが,2投目が3-6-7スプリット.しかしこれを見事にメイク.

 「ギャラリー」も盛り上がり,魅せるところはしっかりと魅せているかと.これで正式「入部」の決心がついてくれればいいのだが.

 

 しかし,第5ゲームは1フレで10番,2フレでは7番が残り,いずれもカバーしたものの,長男は少し悩んでから「『AccuDrive』で中から絞って投げてみる」と再チェンジして3フレをストライクにした.

 だが4フレで刺さって「ビッグ5」崩れに…….5フレはストライクとなったが,6フレが7番タップをカバーミス.7フレでストライクとなるも,8フレが再び7番タップ.これはカバーして9フレがまたストライクに.

 

 ここで木村プロ,「左右のレーンでボール使い分けるか.右レーンでは厚く入ったり刺さったりしているから,少し弱いボールのほうが合わせやすいと思う」と.

 結局,このゲームは172に留まったが,これがこの日の「ローゲーム」.崩れてもこのくらいで踏み留まれたのは大きかった.

 しかし,ここまでプラスを維持していたところ,これで「マイナス15」と落としてしまう.どこまで巻き返せるだろうか.

 

 最終の第6ゲームは,左レーン(7番)では「AccuDrive」,右レーン(8番)では「ZEN」と使い分けて投げる方針.

 2フレまでは9カウント止まりだったが,無難にカバーしたら3フレからダブルに.5フレで4-6スプリットになって途切れたものの,気落ちせずに6フレからターキー.これでこのゲームをプラスに引き戻した.

 9フレは6番が残るもカバー.

 10フレでダブれば,トータルプラスも見える……と思った.何より,このシフトでは左(7番)レーンはほぼ完全に合っているのだ.「AccuDrive」でも刺さりもせず,綺麗にポケットに入っていく.このゲームは8番スタートだから,10フレは7番だ.

 

 

 ここぞの大一番で,見事にダブルを決め,最後は1本残したものの,見事に6ゲームトータル「1,208」とプラスで終えた.

 

 レーンの変化を受け,順位の変動があったものの,総合も7位でキープ.

 トータルプラスは長男までの7人で,いつもなら長男よりも上位になる面々を何人もぶち抜いた.

 神奈川県の高校生ボウラーとして「ベスト10」入りした,と言っても過言ではなかろう.

 

 今回も「再利用」せざるを得なかった「江の島ボウリングセンター」の写真を撮影した5年前.

 その頃に投稿した写真に,長男の投球フォームがあった.

 これは,マイボウラーになる直前のもの.

 小柄なため,小学生に見えそうだが,中1から中2にかけて(新型コロナウイルス感染症が騒動になる直前)のものである.

 容姿だけではなく,ボウリングも大きく「成長」したと,改めて思う.

 

 なお,これで「高校選手権」と「高体連全国選抜」の最終選考には余裕で残った.

 来週の「最終選考会」でよほどへまをやらかさなければ,「高校選手権」も夢ではない.

 昨年度の「学校対抗」と「春高ボウリング」に続いて,これで高校生の「三大全国大会」を全て経験できる可能性が高まった.

 

 一方,関東大会については,当然ながら学校としての出場権はない.

 しかし要項によると「選出されなかったチームの選手及び同一校でチームが組めなかった選手についてはメイクチームでの選考対象」とする,とある.

 今回,男子では「一人校」が4校4人.そしてその4人は全員上位に食い込んでいて(そりゃまあ一人でも出ようと思うくらいだし),県連としても確かに「関東大会に出さないのは勿体ない」ということなんだろう.

 過去には,元々親しかった他校の選手とメイク前提で出場する人もいたが,今回は全員,特にそういう予定はなかったらしい.

 結局「一人校」の選手で,メイクでの関東大会希望をしたのは長男を含めて2人.後は,チーム選出外となった選手のうちから2名選抜する,ということで,計4人で2チームを組むことになった.

 誰とがいい?と訊かれても,全員そういう「根回し」もないので「くじかじゃんけんでもいいのでは」ということに.

 結局,長男はもう一人の「一人校」の選手と,あとはチーム選出外の2人(別々の高校)という組み合わせに.

 

 ちなみにこの「もう一人の一人校の選手」は,1年生なのだがかなりの上級者で,個人戦は10位,総合では巻き返して,何と4位で終えている.

 総合4位と7位のメイクチーム……その辺の学校チームよりも強いかも知れない.

 

 ということで,6月の関東大会出場は決定.

 3年連続3回目,最早「常連」である(笑).

 

 なお,今年度の関東大会は茨城県が「当番」だそうで,会場は「フジ取手ボウル(108-008)」.

 

 

 昨年の「会場」だった「北小金ボウル(112-039)」の下見の際に,ここにも寄っている.

 何と,今回は「下見済」だった…….

 この時,長男のスコアはバラつきが大きかったものの,5thをはじめ連発も多かったこともあって,本人もかなりいい感触を持っている.

 何しろ,いきなり1ゲーム目から210UPしているのが印象に残っているようだ.

 

 むしろ,その翌日に寄った「STAR LIKE BOWL」で相当に苦戦したことのほうが深く刻まれていて,それは筆者も同じである.

 

 

 しかし,関東大会のついでにリベンジ……というのは,ちょっと時間的に難しいかも知れない.

 筆者は「夜中に抜け出して……」という方法がないでもないが……(笑).