永年の疑問が解けた一件。
数十年前、ラジオの英会話講座を聴いていた頃の忘れ難い思い出に、講師の“おき どき”なる締めの言葉がある。英語文中だから、英語の表現だとは思ったが、対応する英語を思いつかなかった。
聴講しているのは日本人であるという状況に鑑み、日本語でサービスしたのかとも思われた。想定されるのは“起き時”だった。そのような慣用語は無いとも思うが、その番組が早朝の放送であったとすれば、“寝床の中で聴いている君、もう起きる時間だよ”と呼び掛ける親切心の現れであったのかと。
その後、数十年の間に下手な英語を喋った時期もあったが、“Oki doki”なる表現を聴いた記憶はない。
かくて、我が英語彙に納まらないまま、永遠の謎に終わりそうだった“Oki doki”に光の当たるときが訪れたのは、この正月の9日(水)、朝日新聞の朝刊p.21の≪「生きた英語」楽しく学ぼう≫を何気なく読んでいた時だった。
ある設定の会話の中で、「オーケー」の意味で“okey-dokey”と言うとあった。発音は示されていなかったが、素直に読めば「おーきー どーきー」だ。長音記号の横棒を入れるか否かは微妙だが、これに違いないと確信した。
数十年前に想像した「起き時」は失笑ものだが、謎が解けて爽快な気分だ。
“Oki doki”など、「生きた英語」に接する人には初歩の段階で自明の表現に違いないが、読み書きに専念する学校英語で育った当方には簡単な日常語でも永遠の謎に終わったかも知れない。