以前、「なつかしのチゾルム街道」という歌について書いた(高校男子用音楽教科書~名曲・珍曲~愛唱歌奇遇 2010/7/30(金))。代表的なカウボーイ・ソングで“歌詞は何百番までもあり、全部歌ったららくに二日半はかかる”ことが頭の片隅に残っていた。その片鱗を最近発見した。
「フォークソングを歌おう」(江波戸昭, 三橋一夫 編 音楽之友社/1967)に、原語(英語)1節、訳で3節、歌詞付きの楽譜が載っていた。
原題は“Old Chisolm Trail”となっていた。これが判れば調べが捗る。昨日紹介したばかりの“BEST LOVED SONGS AND HYMNS, edited by James Morehead and Albert Morehead”にも、バッチリ収録されていた。
勿論、ネット検索すれば、処理しきれないほどの情報が得られる。参考情報として、あるサイトの解説を抄訳しておこう:
“南北戦争後、南軍の兵士たちが帰郷してみると、不在の間に増殖した牛たちがテキサスの平原に群れていた。南部では食べきれない肉牛の値段は下落したが、北部では増大する都市人口を養うための肉の需要が旺盛であった。
ここからカウボーイたちの黄金時代が始まり、キャンザス、ミズーリ、ワイオミングへと、最寄りの鉄道駅まで牛の大群を連れて行く道筋が出来た。これがChisholm Trailと呼ばれた。
鉄道の開通によりChisholm Trailが使われなくなる1882年までに、大勢のカウボーイたちにより、厖大な数の歌詞が“Old Chisholm Trail”に与えられた。”
なお、“BEST LOVED SONGS AND HYMNS”によれば、インディアン商人 Jesse Chisholm がこのルートを発見したとのことで、1870年代、“Jesse Chisholm’sTrail”と呼ばれていたという。
また、テキサス州サン・アントニオから最寄り駅キャンザス州アビリーンまで800マイルだったそうだ。
ところで、Chisholm は、実際の発音は“チズム”又は“チザム”、つまりchizm に近く、耳から覚えた人たちは Chissmなど様々な綴りをするそうだ。訳語のチゾルムは、正式の綴りを几帳面になぞったものだろうか。
また、上記のような Chisholm Trail の説明からすると、“街道”から連想するりっぱなルートではなかったのではないか。むしろ、平原や谷筋のような道なき道に近いものだったのではないかと想像される。「なつかしのチザム搬路」では如何。
chorus:
Coma ti yi youpy, youpy yea, youpy yea
Coma ti yi youpy, youpy yea
Coma ti yi youpy, youpy yea, youpy yea
Coma ti yi youpy, youpy yea
verses:
Come along, boys, and listen to my tale
I'll tell you of my troubles on the old Chisholm Trail
I'll tell you of my troubles on the old Chisholm Trail
I started up the trail October twenty-third
I started up the trail with the 2-U herd
I started up the trail with the 2-U herd
O a ten dollar hoss and a forty-dollar saddle
And I'm goin' to punch in Texas cattle
And I'm goin' to punch in Texas cattle
I woke up one morning on the old Chisholm Trail
Rope in my hand and a cow by the tail
Rope in my hand and a cow by the tail
(chorus) ~ ~ ~

