ソニー、白いPSPの広告で「人種差別的」と非難される | 自分道場(副題:ゴルフ 100への道)

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世の中のニュースについて、思うところ・新たなアイデアを思いつくままに書いてみます。それが自分のアピール力にもつながると思うので。("ゴルフ100への道"も継続します)

今日はもう一発。


CNETからです。


セラミックホワイト色の新しい「PlayStation Portable(PSP)」を売り込むために、ソニーがオランダで出した広告が、国際的な騒動を巻き起こしている。「DigitalBattle 」に1枚の画像が掲載された米国時間7月4日以降、ゲーム関連のウェブサイトや掲示板はこの広告をめぐる議論で盛り上がり、カリフォルニア州議会のLeland Yee議員(サンフランシスコ選出、民主党)と全国有色人種地位向上協会(NAACP)のサンノゼ/シリコンバレー支部がこの問題について所感を表明した。


問題の写真は↓です。

http://digitalbattle.com/2006/07/04/racist-white-psp-ad/ より)


この手の問題は、歴史的にも非常に長いので、デリケートなものだと思います。

まさか、グローバル展開しているソニーがそのようなプロモーションをすることは無いだろう、と思っていたので、正直、私自身も、前述の議員の過剰反応では、と思っておりました。


写真を見る限り、大いに問題があると思ってしまいます。


確かに、ソニーが言っている、「新旧PSPの色を対比させるのが狙い」ということは言われてみればわからなくも無いです。

ただ、そこに黒人女性と白人女性を使う必要性があったのでしょうか?

白と黒の違いを見せるのであれば、チェスとかオセロとか白黒つけるものもあるし、やり方はいくらでもありそうなものですけどね。


企業というものは、利益を追求して、株主や従業員に還元することが目的の組織です。

ただ、消費者や顧客に対して、何らかの「幸せ」を提供する組織で無いといけないはずです。

ソニーはPSPを通じて、ゲームや音楽・映像をだれでもどこでも簡単に楽しめる、という「幸せ」を提供しようとしていたはずなのです。


その商品がもつ「幸せ」を訴求するための広告は、当然「幸せ」な感じのものでないといけないはずです。

ところが、今回の広告はインパクトだけを狙ったように見えますし、PSPに対する「想い」が伝わってこない。

最近のCMには、インパクトの強さやスタイリッシュさを追求するあまり、何を言いたいのかわからないものが多いと感じています。

周りに聞いてみても、インパクトだけのCM(=自己満足の広告、となるのでしょうか)については、不愉快だ、という意見もよく聞きます。それが一般消費者の偽らざる意見なのだと想います。


従って、このプロモーションを行なった広告代理店およびソニーは2つの過ちを犯してしまったのです。

一つ目は、ゲーム機のプロモーションに(図らずも)人種問題を持ち込んでしまったこと

二つ目は、PSPの訴求が全くといっていいほど出来ていないこと。


ところで、マス広告については、これまでのAIDMAの中の「Interest」や「Desire」「Memory」といった、人間の感覚に依存するファクターが多かったため、十分な効果の測定が出来ていませんでした。

そこで、インターネットの広告がクリック数、成約数などが比較的正確に測定できるため、新しい媒体として台頭してきたのだと思います。(不正クリック問題などいろいろな問題があるにしても、です。)


ただ、インターネット広告の広がりが出てきて、AIDMAといわれなくなり、AISASやAIDEESなど新しいモデルが提唱されてきています。

AISASは「Action→Interest→Search→Action→Share」で、興味をもったら検索をし、購入後にブログなどで情報共有をする、というものです。

また、AIDEESは「Action→Interest→Desire→Experience→Enthusiasm→Share」というものです。

つまり、経験したことに対して、より深い思い入れ・心酔を抱いてもらい、その気持ちを友人同士で共有してもらう、というものです。


ここからは私の勝手な考え方ですが、

AISASの購買モデルについては、興味をもった内容を検索してもらうということがミソとなります。

当然、顧客が関心をもっていることを「検索してもらう」ことは重要ですが、ここのところ、SEMなど「検索をしてもらった後、いかに顧客の目に付くようにするか」ということだけに関心が移っているように見えてしまいます。

また、AIDEESについても考え方自体は良いと思うのですが、こういう内容が「バズ・マーケティング」といわれて、その手段・手法にのみ関心が移ってしまうのではないかと感じています。


インターネット、特に最近のWeb2.0の考え方から、顧客同士、また、メーカー・顧客間の情報のやり取りがスムーズに出来るようになったといわれています。

離れた場所の人と瞬時にやり取りができる、そんな便利な時代だからこそ、よりエモーショナルな要素を大事にするべきでは無いでしょうか?


ソニーの例でいうなら、色の違いだけをスタイリッシュに見せるのではなく、PSP自体で何をしたいのか、どう楽しんでもらいたいのかをもっと熱く語るべきだと思います。


先日、PS3の記事を書いたとき、非常にたくさんの方に読んでいただきました。

それだけ、PS3の販売戦略(価格を含めて)に多数の人が不安をもっているのだと思います。


現在のところ、PS3で何ができるの?とか、ソニーとしてどんな使い方をして欲しいの?というメッセージがわれわれ一般消費者まで届いていないと思います。

細かな機能の話や、専門的な話よりも、こんな遊び方ができる、とか、映画鑑賞がPS3ならこう変わる、といった話が未だ無いことが不安を駆り立てているのだと思います。


私の今度始める事業でも、広告の提案がメインとなります。

そのときは、商品を使用することで提供できる「幸せ」や、企業の「思い入れ」を十分に汲み取った提案をしていきたいと思います。

たとえそれが、カッコ良いものでなくても。