今回はBリーグから新外国人選手予想第1弾のサンロッカーズ渋谷編。


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はじめに


過去に某掲示板で勝手にやっていた外国人予想も当ブログに移って3年目となるが、毎度の如く妄想や願望ベースでの予想であり、基本はそのチームの弱点や強みなどから補強ポイントとして合いそうな選手や必要と思われる選手をリストアップして絞り込む形で選手を挙げている。


そして予想する上での方針として過去に予想した選手を新たに予想選手として再度挙げたり、国内で既にプレイ経験ある選手の再来日、国内間の移籍予想もなし。


12月から850人近い外国人選手リストから各チームのピックアップ作業を開始しており、最終候補5人以下になるまでの絞り込みが膨大すぎるあまり4月まで掛かってしまったが、楽しい作業でもあった。


今回の渋谷で言えば、ホーキンソンとクレモンズが残るパターンで用意していた複数パターンの1つと合致することや編成が大きく変わる帰化・アジア枠選手も確定していることで最終候補選手群からの絞り込みもすんなりと進んだので第1弾に選んだ。


さらに今オフには帰化・アジア枠とは別に編成事情が大きく変わる要素として渡邊の日本チームへの加入が挙げられるが、渋谷は可能性が0ではないと思いつつも本命予想とは違うので渡邊の加入はないと仮定しての予想選手となる。


また、渋谷はギブスと交渉継続という発表があったが、流石に44歳になる選手と再契約はないと踏んで新外国人選手の予想は2人。


以上を前提とした予想を以下本編で。


1人目


1人目はケリーの枠の選手であるのでポジション的にはフォワードかビッグマンが候補だと思っている。


まず、渋谷の編成の現状を見てみると現時点でベンドラメ、小島、田中、ホーキンソン、クレモンズ、村越、田中の残留が発表されている。


退団では盛實、津屋、マカドゥ、ケリーが確定でチェンバースとギブスが交渉継続となっている。


津屋は絶対残すべきだと感じていたので流出は痛いが、やはりあれだけの活躍をすると他チームからの需要が大きくなるのは当然であった。


外国人選手よりも日本人選手の獲得やキープの方が難しいリーグだと思っているので、実際に渋谷も交渉継続していた上での移籍なので仕方ない部分かもしれないが、チェンバースとの交渉も失敗に終わった場合はかなりウイング層が危うくなってしまう。


それに加えて稼働率の怪しい小島との再契約や1人でいいバックアップ要員が村越と永吉で2人いるのもどうかと思う部分でもある。


クレモンズとの継続も明らかな失策とまでは思わないが、昨季シーズン総評で述べたようにオン3のメリットを活かすならもう少し日本人選手とのマッチアップでアドバンテージを取れる選手にしなかったのは意外だった。


極め付けはギブスとの交渉継続であり、先述したように残留するとは思っていないが、東京と名古屋が加わって最激戦区間違いなしの地区で戦うチームの人事としてはユニークすぎる。


昨季のギブス獲得からそのまま最後まで行ったことでGMの手腕を疑ってしまっていたが、今季も既に期待感が削がれてしまったと個人的に感じている現状である。


なので津屋と同等クラスの日本人選手に加えて強力な外国人選手を連れてこないとプレイオフを目指すには厳しいと思っている。


そして渋谷のバスケについて見てみると、リーグ最高の3P%が現すシュート力、高いFT獲得率とFT%からFTを得点源にしていること、少ないTO割合、相手へのTO誘発率が強みや特徴になっている。


一方で2PA割合が高いのに2P%が低く、特にペイント内決定率やペイント内得点が低いなど本来なら得点源になるべき部分でギブスのペイント内決定率が低すぎたことなどが損失になっており、折角高確率の3Pによって起きるスペーシングが活かされていない。


もっと言うと、2PAが多いのにペリメーターでの得点が多いこととペイント内決定率が低いことに加えて高確率なのに3PAが抑え目であるが故に渋谷のオフェンスは効率的ではなくなっている。


ディフェンス面でもペースを抑えてるので相手の3PA割合は少ないのに高い被3P%、ペイント内での失点の多さ、セカンドチャンスからの失点率も高いので被EFG%も高く、相手には効率的なオフェンスをさせているなど自身のオフェンスとは真逆でディフェンスは大きく改善が必要なほど弱点になっている。


リバウンドも攻守ともに獲得率が低く、DR獲得率の低さがセカンドチャンスでの失点にも直結しているのでリバウンドは大きな課題になっている。


このように渋谷は弱点が多いが、ほとんどはマカドゥがギブスに入れ替わったことやケリーが大きくスタッツを落としたことで引き起こされた部分であると思っているので外国人選手2人の選択をよっぽど間違えない限り今季よりスタッツが悪化する可能性は低いと見ている。


なので、弱点を解決しつつ強みを更に伸ばせるような外国人編成をすることも可能だと思っており、そういう選手が望ましい。


そして先述した強みと弱点の部分をケリーに当てはめてみると


・3P%は高いが積極的に打っているわけではないのでアテンプトが少ない


・効率の悪いペリメーターミドルが多い上に確率も悪いので2P%もほぼ全休だったシーズンを除けば最低


・FTはアテンプトも確率も悪くなくTOも少ないが、ディフェンスとリバウンドは苦手


というように渋谷の強みであるシュート%には貢献している一方で渋谷の弱点であるディフェンスとリバウンド、効率の良くないオフェンスにも影響しており、弱点に与える影響の方が大きいことが分かる。


また、ケリーはコンディション面に不安があり、大事な試合での欠場が多かったこともマイナスだった。


以上からケリーの強みを維持しつつ弱点に関わっていた部分を減らすために1人目の選手に欲しい要素を上げると、


①フォワードかビッグマン

②シュート力があり積極的に打つ

③FTが貰えて高確率

④2P%が高い

⑤TOが多くない

⑥最低限ケリー以上のディフェンス力

⑦ビッグマン水準のリバウンド力

⑧試合数の多さに耐えられる頑丈さ


と大量で、なるべくこれらに複数当てはまる選手をリストアップした76名から最終的に予想選手として挙げるのは…


Dedric Lawson

(201cm/107kg/26age)


ローソンは非常に得点力高いPFでGリーグやトルコ、韓国でプレイし、昨季は韓国KBLのMVPにも選ばれた。


昨季は平均30分オーバーのPTで57試合に出場して平均22点で鉄人ぶりと高いスコアリング能力を発揮。


ストレッチ4と評されるようにプロ入り後5シーズン中3シーズンで3Pが34%以上を記録しており、昨季に至っては平均7本以上も打って35%だった。


C&Sはもちろんのこと、この体格でOTDのシュートも打ってくる起用さも持っている。


3P%が高くてもアテンプトが多いわけではなかった渋谷にとってこれほど積極的に打ってビッグマンとしては高い確率で決められる選手は合っていると感じる。


2Pにおいてもフィジカルを活かしたドライブが特に強力で高いフィニッシュ力を持っており、ミスマッチでもアタックせずにミドルを打っていたケリーと違う部分である。


もちろん3P同様にミドルも上手く、カットでも得点出来るので昨季の2Pは54%とシュートを打つ選手としては高かった。


FTも韓国で多くもらっており、確率もプロ入り後75%を切ったことはないほど得意である。


クレモンズがスイッチを誘発してミスマッチを作ってくれる渋谷でもFTが見込め、渋谷の強みで得点源だったFTでもケリー以上に上手く活用出来そうである。


アシストも平均4本以上あり、割合はビッグマンとしては非常に高い25%近くあるなど自身の得点力を活かしてアシストも可能。


そして何より凄いのがTOの少なさであり、平均30分出て平均22点、アテンプトも平均17本あってUSGは32%もあるのに平均TO2.2個で割合は10%未満という異常な少なさになっている。


この点もTOの少ない渋谷の強みと合致する。


リバウンドもケリーと違って非常に強力であり、各国でOR、DRともに獲得率が高く、DR割合に至ってはプロ入り後全てのシーズンで20%を超えているなど渋谷の弱点だったリバウンドにおいても改善に寄与出来、DRを取り切ればセカンドチャンスでの失点も減らせる。


ディフェンスではオンボールディフェンスに定評があり、特にペリメーターディフェンスの評価が高い一方でオフボールディフェンスの評価は高くない。


スティールやブロックも意外に多く、各国で良いディフェンシブレーティングを記録しているなどディフェンスの苦手なケリーを下回ることはないと見ている。


ファウルも平均30分以上のPTで2個未満と少なく、継戦能力も高い。


まとめると、ローソンは先述した弱点のうち2P%と3PA、ペリメーターディフェンスとリバウンド改善に寄与できて渋谷の強みである3P%とFTA、FT%とTOの少なさに貢献出来る。


渋谷にも合っていると思うと同時に渋谷に限らず日本の多くのチームで活躍出来る選手だと思っており、個人的にも凄く見たい選手である。


KBLでの活躍が凄まじかったので高騰している可能性が高いが、日本に来ることを期待したい。


2人目


2人目の選手はギブス(マカドゥ)の枠の選手で、交渉中のギブスと再契約しないという前提での予想となるが、1人目の章やシーズン総評で述べたようにマカドゥがギブスに入れ替わってシーズンを戦ったことで本来想定されていたスタッツより下がったり、想定していなかった弱点が生まれてしまった部分は多々あると思っている。


具体的には得点力、ペイントでのフィニッシュ力、リバウンド、TO割合、ディフェンスではマカドゥに比べてギブスが劣り、FT%ではギブスが圧倒的に上手いがマカドゥがギブスに入れ替わったメリットはそれくらいであった。


そして2人に共通して3Pがなく、それが2人の弱点とは思わないが、渋谷は高確率で3Pを決めているチームなので新しい選手が3Pを打てる選手の方が強みを伸ばせる意味で適していると考え、マカドゥがギブスになったことで失われた部分を多く取り戻せてギブスの強みであったFT%を損なわない選手が望ましいと感じた。


また、ギブス、マカドゥの枠の選手でホーキンソンのインサイドでの負担を減らすためにもビッグマン以外はあり得ないと思っている。


以上から2人目の選手に必要、あるいは欲しいと思われる要素をまとめると


①ビッグマン

②得点力

②シュート力

③ペイントでの得点スキルやフィニッシュ力

④FTが上手い

⑤リバウンド力

⑥ディフェンス力

⑦TOの少なさ


とこちらも大量にあるが、これらに複数当てはまる選手をリストアップした118名から最終的に予想選手として挙げるのは…


Dusan Ristic

(213cm/111kg/28age)




リスティッチはサイズとシュート力を兼ね備えたビッグマンで、プロ入り後はヨーロッパのみでプレイ。


昨季はスペイン内でシーズン中の移籍があり、1部と2部でプレイした。


1部、2部合わせて平均16分のPTで平均8.8点を記録しており、オフェンシブレーティングは毎年ながら高い。


シュート年々打つようになっており、今季は平均2本打って38.7%と高確率であり、3年連続で37%を記録するなど安定している上にセルビア代表として国際試合平均でも76%と超高確率で決めている。


なので、ギブスやマカドゥになかったビッグマンのシュートのオプションが増え、チームのスペーシングにも寄与出来る。


2Pでもミドル、ポストプレイ、ダイブで得点が可能で1部と2部の両方で5割以上決めており、レベルが下がるとはいえ2部では66%の超高確率でシュート力だけでなくペイント内のフィニッシュ力も持ち合わせている。


FG全体でもプロ入り後全てのシーズンで5割以上を記録しており、シュートが増えた近年も5割以上を維持しているのは素晴らしく、国際試合平均でも6割以上である。


意外にもFTが振れ幅あって今季は7割未満となってしまっており、ギブスと比べるとFTは劣るかもしれないが、その前の3シーズンは7割以上決めていたので国際試合で平均3割台なのは気になるがシーズンの長丁場でマカドゥより低くなることはないと見ている。


リバウンドは攻守ともに非常に強力で、特にDRには毎年のように割合が25%前後という脅威的な数字であり、昨季に至っては33%という異常な高さでブルゴスのトップリバウンダーだった。


TOの少なさも渋谷にマッチしており、毎年USGが25%前後ありながら4シーズン連続で平均TOは1個未満、TO割合も5シーズン連続で10%未満と非常に少ない。


ただ、ディフェンスにおいては当然ながらマカドゥには劣ってしまう。


というかマカドゥほどフィジカルとフットワークが両立してハイフラットにも対応出来るビッグマンなんてマカドゥと同ランク帯の選手ではパッと思い付かないくらいであり、いてもオフェンス力まで備えている選手は少ないと思うので、誰がきてもマカドゥよりはディフェンス力が劣るくらいに思った方がいいかもしれない。


まとめると、マカドゥとギブスが持ち合わせていなかったシュート力、渋谷の強みであるTOの少なさ、渋谷の要改善ポイントであるリバウンドとフィニッシュ力においてリスティッチはマッチする選手だと思っており、ルカと同じセルビア人選手ということもあって願望よりも予想に寄せた人選になった。


ディフェンスとFTは不安要素であるが、先述した7要素全てを満たすビッグマンは渋谷が今まで獲得してきたランクの選手ではいないと思うのでリストアップした中ではリスティッチがベストと思った。


2部でプレイしていることからもサラリー的にそんな高くないと思われ、資金力下位もチームでも獲得出来る選手かもしれない。


現時点で暗雲が漂っているような渋谷のオフシーズンであるが、セガサミー体制2年目の今オフは昨季のホーキンソン獲得のように外国人選手で驚くような人事を期待したい。