今回はBリーグからシーズン総評最終弾の広島ドラゴンフライズ編。


昨季シーズン総評はこちら『Bリーグ22-23 シーズン総評 広島ドラゴンフライズ』今回はBリーグからシーズン総評第9弾の広島ドラゴンフライズ編。 昨季シーズン総評はこちら『Bリーグ21-22 シーズン総評 広島ドラゴンフライズ』国内シーズン…リンクameblo.jp


今季開幕前総評はこちら『Bリーグ23-24 開幕前総評 広島ドラゴンフライズ』今回はBリーグ開幕前総評第2弾の広島ドラゴンフライズ編。昨季シーズン総評はこちら『Bリーグ22-23 シーズン総評 広島ドラゴンフライズ』今回はBリーグからシ…リンクameblo.jp



 

チーム評

 

まず今季の広島の編成を見てみると、辻と佐土原が退団して山崎とロバーツが加入。


シーズン中には三谷と武内の加入、ソットとチリの入れ替えもあった。


辻と佐土原は戦力的に残せたら大きかったが、広島側も実際に残そうとした上で2人の方から退団を選んだので広島的には最大限の手を尽くしていたことや今季の結果から見ても2人の流出は層的に痛手ではあったとしてもミスではなかった。


それどころかポテンシャル感じる三谷とプレイオフで活躍した山崎の獲得、ソットとチリを入れ替える決断など岡崎GMの選択は全て当たっており、神懸り的でミスがなかった。


また、岡崎GMはディフェンスの改善を最優先事項としていたが、チームメンバーを大きく変えてディフェンスを強化するのではなく、あくまで想定外に出ていった選手の穴を埋めるべく最小限のメンバーチェンジに留まった。


つまり、岡崎GM的にはコアメンバーがそのままでもビルドアップすればディフェンスも改善出来ると信じてミリングHCに託したわけで、それに応える形で大きくディフェンスを改善させたミリングHCの手腕も素晴らしかった。


当ブログでは以前からミリングHCをディフェンス志向のHCと評しているが、それでも開幕前総評で書いたようにメンバーが大きく変わらない今季の広島ではディフェンスの改善は難しいと思っていたのでミリングHCは凄すぎた。


しかも広島は寺嶋が終盤手前でシーズンアウトの重傷を負ってしまい、正直言うとプレイオフの芽は無くなったかと思っていたが寺嶋が欠けてもチーム力は落ちることなく2シーズン連続でのプレイオフ進出と初優勝を成し遂げた。


もっと言うと、昨季はQF敗退だったチームが優勝にまで大きく成績を上げており、同じく新興チームと個人的に位置付けていて未だにプレイオフ出場経験のない群馬や右肩下がりの島根に大きく差を付ける躍進となった。

 

そんな今季の広島はオフェンス面ではペイント内得点割合とアシスト割合が低く、ディフェンス面では失点におけるセカンドチャンスポイントと3P割合の割合が高く、DR獲得率も低かったのがネガティブな点かと思う。


一方でオフェンス面の得点におけるセカンドチャンスポイントとTOポイントの割合やOR獲得率の高さとTO発生率の低さ、ディフェンス面における被3P決定率と失点におけるFT割合と与FT確率の低さ、TO誘発率の高さなどポジティブな点が特にディフェンスにおいて多かった。


相手のEFG%もリーグ上位の低さであり、相手に効率的なオフェンスをさせていないわけで、ディフェンスが向上した証でもあった。


また、外国人選手3人の欠場数が全員3試合未満という頑丈ぶりも素晴らしく、外国人選手の怪我で大きく狂わされるチームも多い昨今のリーグでそのような状況にならなかったのも良かった。


GM、HC、選手の全てが噛み合った今季の広島は大成功でしかなかった。



個人評

 

主力選手や気になる選手について見ていくと、


・ブラックシアー

広島の大黒柱的ビッグマンで今季はインサイドでのフィニッシュ率が大きく伸びて非常に高かった。


ドライブとダイブでのフィニッシュ力が特に高く、コンタクトやトラフィックシチュエーションでもバックボードを上手く使ったりフィンガーロールの技術がビッグマンとは思えない上手さだった。


プットバックやポストプレイでも得点するゴール下でが73%の決定率だった。


2P全体でも見てもRSで6割以上決めるなど昨季から3%以上も伸びた。


反面、得意なシュート面では3P%が大きく10%も落ちて30%となるなどシュートが下手な選手の確率になってしまい持ち味を発揮出来なかった。


FTも依然ビッグマンとしては高確率の78%であるが、昨季から5%も落ちるなど得点源的に痛かった。


ただ、ブラックシアーのシュートの上手さに関しては疑いようがないので今季の3P%の急降下は一過性のものと見るべきものだと感じる。


リバウンドは依然高水準でOR、DRともに取れており、広島がOR獲得率上位の一因でもあった。


ビッグマンとしてはパスの上手さも持ち合わせており、アシストは数も多いが割合で見ても2割以上でビッグマンとは思えないほどのアシスト率だった。


一方でTOは個数も割合も昨季より増えており、特に割合は15%を超えてしまったので少し勿体無かった。


ディフェンスでは広島のビッグマンでNo.1であり、昨季に続いてビッグマンでありながら平均1本以上のスティールを記録するなど良い意味で手が出ていた。


しかもファウル数が大きく減っており、今季はチリが入ったことに加えてブラックシアーのファウルトラブルが少なかったことでインサイドが苦しくなることは昨季に比べて減った。



・メイヨ

PT、FGAが昨季とほぼ同じという点からスタッツはほぼ低下したといえるが、大きく下がったのは3P%のみで、それでも3P%自体も高確率なことから高安定した成績を出している選手とも言えるかもしれない。


3Pはどのスポットでも基本的に高確率であり、右半分のスポットではほぼ4割以上で決めてくるなどフリーで打つことが多いとはいえ凄まじい確率だった。


打てそうな場面でもよほどのオープン、もしくはショットクロックの少ない時間帯でないと積極的に打たずにシュートフェイクからドライブする場面も多いので、確率的にもう少し積極的に打っても良いかもしれない。


ミドルもエルボー横にペリメーターは5割以上の高確率で安定しており、ペイント内のジャンパーより確率が高かった。


そのペイント内のジャンパーが5割を切っており、ミスマッチの場面でもリムまでドライブやポストプレイでアタックすればいいところをプルアップを選択して5割の以下のショットになることが多いのは渋谷のケリー同様に勿体無かった。


ミスマッチを攻めるのが得意でないなら高確率のスポットアップに徹してエバンスやブラックシアーにミスマッチを任せても良かったかもしれない。


ダイブやカットでも得点しており、ゴール下の決定率はブラックシアーより高かった。


FTは今季もRS85%以上でリーグトップクラスの上手さで安定しており、シューターレベルの上手さを持っている。


だからこそアテンプトが少ないのが勿体無く、先述したミスマッチを攻められない部分がアテンプトの少なさにも繋がっているのでFTの上手さとオンのメリットを活かし切れなかった現れでもあった。


リバウンドは他の外国人選手2人に比べると劣り、フォワードのエバンスよりもリバウンド割合が低いのはDR獲得率がリーグワーストレベルの広島としては痛い部分であった。


ディフェンスも苦手でペリメーターディフェンス、ポストディフェンスともに狙われがちであるが、メイヨはディフェンスが苦手でもサボることなく一生懸命ディフェンスするので印象は悪くなく、好感的だった。


まだ26歳でありながら帰化意思も持ち合わせていることから国内での需要は相当高い選手と思われる。



・エバンス

リーグ屈指のオールラウンダーで走攻守揃った万能フォワード。


平均得点やFG%、オフェンス効率は下がってしまったが、依然高い水準で今季も得点力ある外国人選手が揃ったチームで平均得点はトップだった。


シュートはC&SがメインでOTDからはショットクロックが少ないシチュエーションで打つことが多い。


3Pはコーナーの確率が極端に低く、全体でも昨季より確率が落ちてしまったが、それでも34%以上で悪くなかった。


エバンスの1番の武器はフィジカルとフィニッシュ力を兼ね備えたドライブで、フィニッシュ出来なくてもFTを貰える確率が高いので強力なオプションになっている。


今季はチームの3P%が昨季より下がってスペースが減ったせいか無駄にボールをこねてショットクロックを消費するシーンも多かったが、もっと強引に行ったとしても許されるくらいなのに謙虚なプレイぶりだった。


ポストプレイも技術はそこまで高いわけではないが、フィジカルが非常に強いのでバックダウンからビッグマン相手でも得点出来る。


トランジションでの破壊力も高く、DRや相手のTOなどから自らのCTCやワンパスでフィニッシュまで持っていくなど強力。


FTはアテンプトは多いが、今季は確率が大きく下がってポジション的には高確率ではなかった。


アシストも平均3本以上で割合は24%と非常に高く、自身の得点力にディフェンスが寄ることから味方の得点も演出出来る。


それでいてTOが昨季から大きく減って平均1個台、割合ではUSG25%なのに11%と非常に少ないのが素晴らしい。


リバウンドもフォワードとしてはかなり強く、ORも DRも取れている。


ディフェンスでもフィジカルとフットワークでマルチなポジションにマッチアップ出来る上にファウルも昨季から大きく減らすなど有用性は留まることを知らなかった。



・チリ

今季広島の救世主とでも言うべき帰化選手で、インサイドでの貢献は特に大きかった。


帰化選手としてはPTは長くなく、アテンプトや得点力もあるわけではないが、プットバックやC&Fなどで地道に得点していた。


FTも苦手で、オフェンス面ではフィニッシャーとしての役割が中心だった。


一方でリバウンドではオン3の影響もあってかORが非常に良く取れており、広島がOR獲得率上位チームになる要因にもなった。


ディフェンスでもファウルは多めだが、体を張ったポストディフェンスを中心にフィジカルを使ってインサイドで貢献。


外に釣り出されてもステイローとハンズアップを使いわけつつ距離感も調整しながらバックコートの選手を守りきるだけでなく、ドリブルスティールするなど予想外のプレイでの活躍も印象的だった。



・寺嶋

怪我でシーズン2/3ほどの出場になったが、離脱するまで広島の日本人選手トップの得点とアシストでチームを引っ張った。


今季シュートはミドル、ロングともに低確率で入っていなかったが、スピードのあるドライブは強力でゴール下での決定率が70%以上もあるなど外国人ビッグマンの構えるゴール下でサイズのなさからは想像出来ない決定率の高さを記録。


ゲームメイクでもスピードでディフェンスを振り切ってのキックアウトなど寺嶋ならではのプレイが随所に見られた。


ディフェンスでもオンボールでは激しく当たり、オフボールではパスを読んでのスティールからブレイクに繋げるなどスピード感溢れるプレイは攻守で爽快だった。



・山崎


PTが大きく伸びたのに伴ってアテンプトも大きく増えた。


各シーズンで安定せず3P%が乱高下している印象通り昨季が高すぎたとはいえ大きく確率が下がっており、RSではシューターとして高確率とは言い難い35%だったが、プレイオフでは5割以上決めるなど大舞台でパフォーマンスを上げた。


オフェンスではC&Sが中心でコーナーの3Pはどちらも4割以上決めるなど特に高確率だった。


一方でドリブルをした際の危なっかしさは他の多くの日本人シューター同様であり、C&S以外のことをすると強みが薄れる印象。


ディフェンスでは粘り強いディフェンスで貢献しており、広島のディフェンスが大きく改善する一因にもなった。



・マーフィー

思っていたよりPTは伸びなかったが、主にディフェンス面で貢献。


オフェンスでは捨てられがちな分ノーマークで打てることが多いとはいえ、3Pを33%で決めており、シュートが苦手な選手としては悪くない確率だった。


ドライブでは身体能力の高さやフィジカルの強さでフィニッシュまで持っていっており、ゴール下での決定率は78%と非常に高かった。


一方でFTはRS21%とシュートが苦手でサンプルも少ないとはいえ低すぎる確率になっており、以前の68%からここまで落ちるのは精神的な要因ではないかと思うほどの低確率だった。


ディフェンスでは外国人ガードやスイングマン、果てはフォワードにまでマッチアップしており、マッチアップの幅広さやミリングHCからのディフェンス面の信頼の厚さが窺える。


実際に激しいディフェンスでマッチアップを削っており、ディフェンスにおけるマーフィーの存在は大きかった。


・中村


個人的に選ぶ今季のMIPで寺嶋離脱後のプレイぶりは素晴らしかった。


23歳とは思えない落ち着いたプレイでディフェンスを見てからプルアップとドライブ、ドライブでのフィニッシュとディッシュなど選択肢を絞るタイミングが非常に上手かった。


数字的には特に良いわけではないが、オフェンス面で数字以上のものをチームにもたらしていたのは寺嶋がいないチームを優勝させたことからも明らか。


プレイオフで平均得点を一気に上げて二桁に乗せたのも見事だった。


ディフェンスではオフェンス以上に良い影響を与えていたと思っており、オンボールディフェンスやスイッチの判断など素晴らしかった。


ミスマッチでも上手くファウルを使ったりと落ち着きぶりが尋常でなかった。


開幕前総評でPTを与えたら化けるかもと述べたが、思っていた以上の化けぶりで広島優勝になくてはならない存在だった。



・三谷


非常にポテンシャルを感じる選手で、エバンスとメイヨが3番起用されることもあるチームで平均15分ほどPTをもらっているのはチーム側からも期待を感じる。


ただ、佐渡原と同じように他のチームからも需要が高そうな選手なのでPTや大きな役割を求めるなら他のチームの方が合うかもしれない。


・上澤


プレイオフでは3P%が大きく落ちてしまったが、RSでは38%以上で昨季より下がったとはいえ高確率をキープ。


プレイオフでも決勝ゲーム2では良い場面でシュートを決めて活躍していた。


シュートが上手い一方でゲームメイク能力は低く、サイズの割にPG適性が高くないのが惜しい。

 


​主要チームスタッツ比較

 

主要チームスタッツについて昨季と今季で数字や順位について見てみると、


・平均得点

平均得点は昨季が84.1点でリーグ3位、今季は79.2点でリーグ13位に得点と順位が大きく下落。

ペースの低下に加えて辻の退団や寺嶋の離脱など様々な要因があって得点力は大きく低下している。


・平均失点

平均失点は昨季が78.4点で少ない順でリーグ12位、今季は73.4点でリーグ3位で失点を大きく減らし、順位も大幅に上昇。

得点が減った以上に失点を減らしており、オフェンスのマイナス分をディフェンスで取り戻した形になっている。


これだけでも広島のディフェンスが大きく改善したことが分かる。


・平均FG

平均FGAは昨季が63.8本でリーグ18位、今季は64.6本でリーグ15位とアテンプトと順位が上昇。

平均FGMは昨季が30.5本でリーグ4位、今季は29.1本でリーグ12位に成功数と順位が下落。

平均FG%は昨季が47.8%でリーグ1位、今季は45.0%でリーグ8位に確率と順位が下落。


ペースが下がってもORの増加などでアテンプトは増えており、ORや TOが影響してのことだと思うが、アテンプトは増えたのに成功数や確率は大幅に下がるなど効率が下がったことが分かる。


昨季が凄すぎたので下がるのは仕方ないが、下げ幅がかなり大きかったのにディフェンスで取り返しているのが見事だった。



・平均2P

平均2PAは昨季が38.4本でリーグ18位、今季は36.9本でリーグ17位にアテンプトは減って順位は上昇。

平均2PMは昨季が21.3本でリーグ8位、今季は19.6本でリーグ15位に成功数と順位が大きく下落。

平均2P%は昨季が55.6%でリーグ2位、今季は53.1%でリーグ7位に確率と順位が下落。


アテンプト、成功数、確率の全てが下がっており、アテンプトはリーグ全体で2PA割合が減っている影響で順位が上がっている。


確率が落ちたのは痛いが、依然上位なので悪い数字ではない。



・平均3P

平均3PAは昨季が25.4本でリーグ14位、今季は27.7本でリーグ13位にアテンプトと順位が上昇。

平均3PMは昨季が9.2本でリーグ5位、今季は9.5本でリーグ8位に成功数は増えたが順位は下落。

平均3P%は昨季が36.2%でリーグ2位、今季は34.3%でリーグ6位と確率と順位が下落。

辻がいなくなったのにアテンプトが増えたことで当然ながら確率も落ちてしまったが、こちらも確率上位をキープした。



・平均FT

平均FTAは昨季が17.7本でリーグ9位、今季は16.3本でリーグ14位にアテンプトと順位が下落。

平均FTMは昨季が13.9本でリーグ2位、今季は11.5本でリーグ16位に成功数と順位が大きく下落。

平均FT%は昨季が78.2%でリーグ1位、今季は71.0%でリーグ17位に確率と順位が大きく下落。


ペースが下がったことでアテンプトが減るのは仕方ないが、成功数と確率は上位から下位に急落するなど下げ幅が凄まじかった。


辻がいなくなっただけでなく、本来FTが得意なはずの外国人選手の確率が良くなかったのが響いており、非常に勿体無い部分だった。


・平均リバウンド

平均オフェンスリバウンドは昨季が10.1本でリーグ19位、今季は11.9本でリーグ10位に本数と順位が上昇。

平均ディフェンスリバウンドは昨季が25.6本でリーグ16位、今季は26.0本で18位に本数は増えたが順位は下落。

平均トータルリバウンドは昨季が35.7本でリーグ20位、今季は37.8本でリーグ12位に本数と順位が大きく上昇。

ペースが落ちたのにOR、DRともに伸びており、特にORは獲得率でもリーグ上位であり、広島の新たな武器になった。


・平均アシスト

平均アシストは昨季が21.3本でリーグ8位、今季は17.6本でリーグ17位に本数と順位が大きく下落。

1対1が得意な選手が外国人選手にいることやアシスト先であった辻の退団など様々な要因がアシスト数低下に繋がったと見ている。


・平均ターンオーバー

平均TOは昨季が11.3個で少ない順でリーグ6位、今季は11.2個でリーグ7位にミスを減らしたが順位は下落。

ペースが下がった割にTOの減り具合は僅かなものになった。


・平均スティール

平均スティールは昨季が6.7個でリーグ9位、今季は7.3個でリーグ5位に個数と順位が上昇。

ペースが減ったのにスティールが大きく増えており、広島がTO誘発率の高いチームだったことが分かる。


その誘発率の高いTOが広島のTOポイントの多さにも繋がった。


・平均ブロック

平均ブロックは昨季が2.5本でリーグ11位、今季は2.6本でリーグ9位に本数と順位が上昇。

ペースが下がってソットもいなくなったのにブロック数が増えているのは凄かった。


・平均ファウル

平均ファウルは昨季が17.9個で少ない順でリーグ13位、今季は17.0個でリーグ3位と個数を減らして順位も爆上げ。

ファウルの少なさは一気に上位になっており、失点が減ってファウルも減ったことからディフェンス面の改善がここからも窺える。


実際に広島はFTを与える確率がリーグトップクラスに低く、失点に占めるFTの割合も低いことから無駄なファウルが少ないチームというのも分かる。



・オフェンシブレーティング

オフェンシブレーティングは昨季が116.9でリーグ2位、今季は112.8でリーグ8位に数値と順位が下落。

2P、3P、FTと全ての確率が大きく落ちているので当然ながらオフェンシブレーティングも大きく下がった。


とはいえ今季も上位であり、昨季ほどの破壊力がないだけでオフェンスが悪いわけではなかった。


・ディフェンシブレーティング

ディフェンシブレーティングは昨季が109.1で良い順でリーグ12位、今季は104.5で5位と数値と順位が爆上げした。

得点と失点の関係同様にオフェンシブレーティングの下げ幅よりもディフェンシブレーティングの上げ幅の方が大きいなどオフェンスのマイナスをディフェンスのプラスが上回った。


一気にリーグ上位のディフェンス力となっており、今季の広島はディフェンスチームに生まれ変わるなどミリングHCの手腕が反映されていた。

以上24項目中、昨季より順位が落ちたのは14個あった。

ディフェンス関係の項目の改善ぶりが目立った。

チームスタッツ順位の分布としては、上位が10個、中位が10個、下位が4個だった。

改善が必要なのはFTA、FT%、獲得率の低いDRが優先順位の高い部分と感じる。

 


​来季編成

 

広島は現時点で誰の去就も発表されていない。


残すべきと感じるのは寺嶋、中村、山崎、上澤、船生、マーフィー、三谷、メイヨ、エバンス、ブラックシアー、チリ。


上澤と船生は他の選手に比べると必要性が高いとは思わないが、上澤はシュート確率が安定して高いのでポイント起用しやすく、船生はディフェンスで良い働きをするのでベンチにいると安心出来る。


空いた日本人枠には来季も中盤までは寺嶋が復帰出来ない可能性を考えると中村以外のPGは絶対欲しい。


上澤も船生もPG起用されることはあるが、適性はほとんどないと思っているので中村が下がった時間帯も任せることが出来る選手がいるとオフェンスで安定感が出るように思う。


外国人選手ではメイヨが本来なら入れ替え候補かもしれないが、帰化意思があるのでキープしないわけはないと見ている。


優勝したことで広島側から大きくチームを入れ替えることはないと思っているが、どのようなオフになるか楽しみにしたい。