今回はBリーグ開幕前総評第2弾の広島ドラゴンフライズ編。
昨季シーズン総評はこちら
広島は昨季優勝も狙えるチームで最高勝率の千葉にアウェイで先勝するなど、もしかしたらという怖さがあった。
スペーシングが一昨季から大幅に改善されたことでオフェンス全体で飛躍的な向上が見られ、FG%リーグトップなど破壊力あるチームに生まれ変わった。
一方でリバウンドやディフェンスを課題としており、岡崎GMもディフェンスを最優先の強化事項として挙げている。
そんな広島の今オフでの選手人事は厳しいものとなった。
まず、なんと言っても辻の退団は広島にとっては大きな痛手であり、個人的にも辻は引退まで広島に残るものだと思っていたので意外だった。
辻は広島で3Pを最も打っており、確率も高確率だったのでスペーシング改善にも大きな役割を果たしていた。
それだけでなくプレイメイカーとしても優秀で、TOが少ない上にアシストも出来るというのはPTを見れば分かる通り広島にとっては大きな戦力だった。
また、佐土原の退団も広島にとってはマイナスでGMのコメントからも広島側は残したかったと思われる。
佐土原はエバンスが3番起用もされることでPTが少なくなってしまうとはいえ、エバンスが3番起用されるためにソットの出場が不可欠であるのでファウルの多いソットのいない時間に3番起用で繋げる選手として有用だった。
辻と佐土原の有力選手2人が抜けて代わりに入ったのは山崎1人で単純な戦力比較ではダウンになるのは間違いない。
外国人選手を3人とも継続した点も0からチームを組み上げる必要がないメリットはあるが、1番チームに影響力がある部分かつチームを変えられる部分で変更がないということになり、課題や弱点だったディフェンスとリバウンドの強化などは難しくなる。
メイヨが帰化の意思を持っているからこその変更なしと思われるが、新加入選手による上積みが大きく見込めない以上は既存選手でチーム力を高めるしかない。
そんな広島のロスターをポジション別に見てみると、PGは寺嶋、上澤、中村でプレイスタイルや特徴が異なる選手が揃っており、サイズは気になるがバランスは悪くない。
寺嶋が下がった時間帯のゲームメイクに不安はあるが、中村はポテンシャルを感じる選手で久保田や吉井のようにPTが伸びれば急激に存在感を発揮するかもしれない。
ウイングはマーフィー、船生、朝山、新加入の山崎で、辻がいなくなったことでマーフィーのPTが伸びるのではないかと予想。
山崎は辻のようにハンドラーやプレイメイカーになれるわけでもなければシュートもC&Sが基本で確率も近年乱高下している。
一方でディフェンスでは怠慢や横着の見られた辻と違ってディフェンスはサボらないし強度も高いのでPTもアテンプトも多くないと思われるが、使い勝手は良さそうである。
辻のオフェンス面の穴をディフェンスで埋められるのか注目したい。
フォワードはリーグ屈指のオールラウンダーで攻守ともに穴のないエバンスがいるので何も心配はない。
ビッグマンはブラックシアー、ソット、メイヨでソットがどうなるかは改めて発表されるようだが、仮にソットがいなくなると弱点のリバウンド面はより厳しくなることが予想される。
広島の外国人選手は全員が高い得点力を備えているのでオフェンス面は昨季で証明しているように問題はないが、ソットやブラックシアーがファウルしがちな点やメイヨのリバウンドなどオフェンス以外の問題点が昨季と比べてどうなるのか興味深い。
GMが言うように同じメンバーのまま課題の克服や弱点強化が出来るのかに注目したい。
ワイルドカードでプレイオフに出れるかどうかと予想。
個人的注目選手はブラックシアー。
得点力抜群な上に得点パターンも豊富かつフィジカルにも優れたビッグマンで広島のスペーシングをシュート力で助けるだけでなく、自ら空いたスペースにドライブやダイブ、空いたスペースでポストプレイなど合理的にプレイする。
ソット、メイヨと比較してディフェンスが良いのでブラックシアーのファウルさえ気を付ければディフェンスが緩まる時間も減ることになる。
ソットとメイヨのディフェンス力が急激に上がることはないと思うので外国人選手の入れ替えがなかった広島で最も手軽に改善出来そうな部分がブラックシアーのファウル数という意味でも注目したい。