今回はBリーグからシーズン総評第9弾の広島ドラゴンフライズ編。
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チーム評
まず、今季の広島の編成やロスターについて見てみると、レンタルや特別指定などを除けばケネディとジャクソン、エチェニケの主力が退団。
ジャクソンとエチェニケはプレイエリアもプレイスタイルも被り気味で得点力の高いジャクソンが平均11点ほどしか取れなかったことからも同時出場した時に互いの持ち味を潰し合うような結果になってしまっていた。
なので最低でもより貢献の少なかったエチェニケの放出は予想通りだったが、ジャクソンまで退団するのは意外だった。
また、ケネディは帰化選手でシュートを良い確率で決めつつ、ミスマッチを突いて得点していたので、オン3に必要なことからも残すものと思っていた。
レンタルや外国人選手の移籍で空いた枠に広島は上澤、エバンス、ブラックシアー、そしてアジア枠でバルタザールを獲得した。
エバンスは既に日本で大活躍しており、ブラックシアーもシーズン前総評や総評番外編で述べたようにガラタサライ時代から良い選手だと思っていたのでワクワクさせられた。
しかし、外国人予想広島編でも書いた通りバルタザールはハイライトを見て不安しか感じなかったので実際に使われず、契約解除した時にはケネディを失ってまで獲得したのは何だったのかと理解出来なかった。
ただ、広島が凄かったのはバルタザールで失敗してもすぐに手を打ったことであり、契約の関係で期間が開いたとはいえ、ソットを獲得するというビッグサプライズをやってのけた。
ソット加入は全チーム通して今季の人事面で最も驚いた移籍であり、弱点でもあったリバウンドをカバーすると同時に本来バルタザールでやろうとしたオン3に漕ぎ着けた。
広島はソットだけでなく、シーズン中にも青木を出して中村を獲得したり、怪我人が出れば僅か3試合のためでもスタツを緊急で獲得したりと川崎と違ってGMが妥協せず迅速に出来うることをしている。
また、広島は選手の移籍の際には経緯や意図などもGM自ら丁寧な説明をしており、見る側にとっても透明性を感じるようなチーム作りでGMのコメントも楽しみの1つになるなど試合以外でも話題を提供し続けてくれた。
そんな広島は中盤までアジア枠が活用出来なかったにも関わらず、序盤から勝ち越しをキープすると、ソット加入でオン3解禁もありプレイオフ圏内に留まり続けて昇格3年目にしてプレイオフ進出を成し遂げた。
素晴らしいのは年々成績を上げていることであり、今季はRS41勝18敗で勝率69.5%と昨季から大幅に成績を上げた。
最下位、勝率5割以上、プレイオフ進出と3年間の伸び率は凄まじく、昇格チームのプレイオフ進出は島根や秋田の先例があるが、1度降格した島根と違ってB2スタートで昇格から定着してプレイオフまで辿り着いたのは恐らく初めてだろう。
しかも、プレイオフでは歴代最高勝率の千葉相手にアウェイで先勝するなど初めてのプレイオフで絶大なインパクトを残す怖いチームだった。
特にオフェンスはリーグトップクラスの凶悪さを誇っており、外国人3選手ともに得点王になってもおかしくないくらいの布陣で強力。
その攻撃力を活かすために昨季は不十分だったスペーシングが今季で大幅に改善するなど、ただ得点力がある選手が集まっただけのチームではなかった。
スペーシングを可能にするフロアバランス取れる編成、そのスペーシングから繰り出される攻撃力という連結した2点が広島の強さと躍進のポイントだったように思う。
個人評
主力選手や気になる選手について見ていくと、
・ブラックシアー
概ねシーズン前総評で述べた通りのプレイで主にオフェンス面で大活躍だった。
得点力が非常に高く、シュートレンジが広い上に3Pは41.7%で安定した高確率を誇る。
2Pでもミドルやダイブ、カットやドライブに加えてポストプレイやプットバックなど得点パターンが多彩でどのスキルも高水準なので高確率かつ止めにくい。
特にダイブやドライブからバックボードを使ったフィニッシュはコンタクトを受けてタフショットに見えるにも関わらず高確率でねじ込んでいる印象。
それでいてFTも多く獲得して8割以上で決めるなどスコアラーとして申し分ない性能を備えている。
アシストもビッグマンとしては非常に多く、ショートロールやドライブからシューターへのキックアウトやカッターへのディッシュなどオープンを見付けて捌ける賢さも持ち合わせている。
リバウンドではORが強く、そこからセカンドチャンスに繋げるなどしているが、DRは思ったより伸びなかった。
ディフェンスではフィジカルを活かしたポストディフェンスが上手く、それに比べるとペリメーターディフェンスは劣る印象を受けるがビッグマンとしては十分なレベルと感じる。
少なくともメイヨやソットと比較すると全然ブラックシアーが上だろう。
ただ、これも開幕前総評に書いたがファウルが多く、ファウルトラブルでブラックシアーが必要な場面で下がらざるを得ないシーンが多々見られたのは改善の余地があるかもしれない。
・メイヨ
ブラックシアーと同等レベルのシュート力を持っており、3Pはアテンプトを絞り気味とはいえ43.5%もの高確率で決めた。
2Pもミドル、ダイブ、カットが中心で他の外国人選手と比べてミドルが多いにも関わらず、主力選手中トップの2P確率を誇る。
ドライブやポストアップからも仕掛けたりするが、ブラックシアーやエバンスと比べてオンボールでのスキルは低く、FTAも2人と比べて少ない。
ただ、FT自体は84.2%の超高確率で安定して決めてくれる。
DRが少ないのが弱点で、それが広島の弱点にもなっている。
ディフェンスも苦手でポストディフェンスもペリメーターディフェンスも突かれる場面が多く、ローテーションの遅れも気になった。
オフェンスが強力なだけにディフェンスとリバウンドの粗が目立ってしまった。
・エバンス
リーグトップクラスの実力を持つオールラウンダー。
オフェンスでは得点力の高い選手が集まったチームでトップのスコアラーになるほど高い得点力を持っており、得点パターンが多彩でどれもスキルフルである。
中でもドライブはフィジカルとスピードの両方を兼ね備えて侵入してくるのでどのポジションの選手がマッチアップしても1人で止め切るのは難しい。
オン3で出場時にはポストアップやシールしてのハイローからフィニッシュするなど合理的プレイで得点を稼ぐ。
シュートも多く打つわけではないが、毎年安定した高確率を記録しており、今季も中盤までは確率が良くなかったが終盤で確率を上げて37%以上の高確率で決めるなど帳尻を合わせた。
基本的にフリーで打つように留めているのが高確率に繋がっていると予想しており、ドライブやポストプレイの方が自身の強みと分かっていて無駄打ちしないのが賢さを感じる。
オフボールではC&Sの他にカットでも得点が可能で、ブラックシアーのショートロールやドライブに合わせてベースラインカットしてくるパターンが印象的。
トランジションでも自らプッシュしてそのままフィニッシュするなど運動能力を活かして無類の強さを誇る。
この得点面だけでも十分強力な選手なのだが、エバンスはアシストもチームトップで味方の得点を演出するのにも長けている。
さらにリバウンドもチーム2位でサイズやポジションの割に意識高くリバウンドに飛び付いて確保している。
ディフェンスでも強靭なフィジカルと抜群のフットワークでほとんどポジションを選ばずマッチアップ出来るなど攻守全局面でハイレベルな活躍だった。
・ソット
終盤からの加入だったが、インパクトは抜群だった。
リーグ最長身のサイズは強烈で、ゴール下でボールを持つと簡単にフックを打ってくる。
ダンカースポットに待機してるだけで存在感は抜群で、少しでもマッチアップがヘルプに出ればロブパスからアリウープが炸裂する。
ダイブでも同様で通常より高いパスでも掴んでしまうので守りにくい。
FTも多く打ったわけではないが、75%でビッグマンとしては優秀な確率である。
オーストラリアでも見てて思っていたが、パスもなかなか上手く、アジア人ビッグマンとしては珍しくローポストやハイポストから綺麗なアシストを繰り出す。
リバウンドもORが特に強く、そのままプットバックやチームのチャンスに繋げるのは大きい。
ソット個人のリバウンドだけでなく、オン3によって広島のリバウンドも増えることになるのでアジア枠でソットがいる意義は大きい。
また、オン3に関連して言えば、エバンスだけでなくメイヨを3番起用するなど2パターンのオン3を広島は使っており戦術の幅が広がる点でも有用だった。
ディフェンスでは圧倒的なサイズによりゴール下ではリムプロテクターとして君臨。
反面、スイッチから外に釣られて平面のミスマッチを狙われるなどマイナス面もあった。
しかし、終盤から加入して初めての日本でのプレイ、相手は外国人選手ということを考えれば総合的に素晴らしい活躍だったと思う。
・寺嶋
昨季より数字が下がった項目もあるが、チームに強力な選手が増えたことにより負担が減ったという見方も出来る。
3P%は特に下落幅が大きいが、昨季が入りすぎだっただけで今季も悪いわけではない。
また、3Pの確率は落ちてもミドルは引き続き高確率で入っている印象で、広島の3Pとゴール下へのドライブを止めに来ているディフェンス相手には寺嶋のミドルが有効的に決まっている。
ドライブではリーグ屈指のスピードでストレート、クロス問わずに置き去りにしてビッグマンのチェイスダウンもかわしてフィニッシュに持っていく。
FTは8割から転落してしまったので確率をもう少し持ち直したい。
ゲームメイクではチームのフロアバランスが改善されてオンボールで得点出来る選手が増えたことやアシスト出来る選手が多いこともあって寺嶋自体のアシストも減っているが、PG層が薄いチームなので負担的には悪いことではない気がする。
ディフェンスではバックコートから激しく当たってのドリブルスティールや、オフボールやチームディフェンスでパスを読みきってのスティールなどでブレイクやトランジションに繋げるなどチーム1のスティール力でディフェンスでも貢献していた。
・辻
プレイメイカーにもなれるシューターであるが、今季はアシスト出来る選手が増えたことやスペーシングが改善した影響でシューターに比重が寄った印象。
というのも、平均3PAは増えてアシストは減っているからであり、3Pはアテンプトを増やしてリーグ開幕以来最高確率を記録していることからもシューター注力は良い結果に繋がった。
また、元々プレイメイカーもこなす割にTOがキャリア平均1個台のミスが少ない選手でありながら、今季は昨季から大幅に減らして平均1.1個と非常に少なかった。
FTはシューターなので85%くらい決めて欲しいが、3Pで難しいショットを多く打ちながら39%を記録し、ハンドラーとプレイメイクもこなしてミスが少ないというのはここ数ジーズンの辻でベストパフォーマンスだったと感じる。
ただ、ディフェンスではいつも通り横着や怠慢が見られた。
それでもミリングHCの信頼が厚いのは見て取れ、大きな活躍だった。
・マーフィー
オフェンスでは高い身体能力を利用したドライブやミスマッチによるシールからのフィニッシュが良く決まっている印象。
シュートは苦手でシーズン序盤は3Pが2割台だったと記憶しているが、フリーであれば躊躇なく打って中盤からコーナーからのシュートが良く決まり32.8%とシュートがかなり苦手な選手としてはそこまで悪くない確率まで上げた。
一方でFTは最後まで確率が上がらず5割を切るなど厳しいものとなった。
リバウンドではORでもDRでも積極的に飛んでおり、掴めなくてもチップアウトでチームのORにするかアウトオブバウンズにしてトランジションに持ち込ませないなどリバウンドへの意識と貢献が高い。
ディフェンスはマーフィーの最も強い部分で、外国人ガードやスイングマンにマッチアップさせることができ、他の日本人選手がマッチアップするよりよほど効果的だった。
・佐渡原
フィジカルが強いのでコンタクトに強く、外国人選手へのディフェンスや日本人選手へのポストプレイで活躍。
タイミングの上手いカットでも得点が可能で、プレイオフでは千葉相手に連続得点で流れを引き寄せた。
ただ、広島はソットの加入でエバンスだけでなくメイヨも3番起用されるなど佐渡原がPTを得るには高すぎる壁があったのでPTは伸びなかった。
3番に日本人選手を置きたいチームであれば需要は引くて数多で活躍ももっと出来る選手だろう。
主要チームスタッツ比較
主要チームスタッツについて昨季と今季で数字や順位について見てみると、
・平均得点
平均得点は昨季が80.7点でリーグ10位、今季は84.1点でリーグ3位に得点と順位が大きく上昇。
得点力ある外国人選手が集まったことやフロアバランスの改善で得点力はリーグ屈指のチームに成長した。
・平均失点
平均失点は昨季が81点で少ない順でリーグ12位、今季は78.4点でリーグ12位で失点を大きく減らし、順位そのまま。
ただ、チーム数が増えたので順位は悲観することでもない。
・平均3P
平均3PAは昨季が20.8本でリーグ21位、今季は25.4本でリーグ14位にアテンプトと順位が一気に上昇。
平均3PMは昨季が7.7本でリーグ13位、今季は9.2本でリーグ5位に成功数と順位が大きく上昇。
平均3P%は昨季が37%でリーグ2位、今季は36.2%でリーグ2位と確率は落ちたが順位はキープ。
アテンプトと成功数の大幅増加はまさにフロアバランスとスペーシングの改善による効果であり、昨季も確率は良かったのにアテンプトが少なかったのは効率的にも合理性でも勿体なかった面なので3Pでは思い通りの結果を出せたのではないだろうか。
確率だけ昨季より下がっているが、今季はリーグ全体で下がっていることと順位は依然トップクラスなのでネガティブに捉える必要はなさそう。
・平均2P
平均2PAは昨季が41.7本でリーグ7位、今季は38.4本でリーグ18位にアテンプトと順位が大幅に下落。
平均2PMは昨季が21.9本でリーグ10位、今季は21.3本でリーグ8位に成功数は減ったが順位は上昇。
平均2P%は昨季が52.5%でリーグ11位、今季は55.6%でリーグ2位に確率と順位が大きく上昇。
3PAが増えたので代わりに2PAが減ったわけでアテンプトと成功数の減少は悪いことではない。
なにより、ポストゲーマーが2人いた昨季より確率が大きく上がっているわけであり、シュートが入ることでディフェンスが広がって2Pも決めやすくなったのが分かる。
・平均FG
平均FGAは昨季が62.5本でリーグ18位、今季は63.8本でリーグ18位とアテンプトは増えたが順位は変わらず。
平均FGMは昨季が29.6本でリーグ12位、今季は30.5本でリーグ4位に成功数と順位が上昇。
平均FG%は昨季が47.4%でリーグ7位、今季は47.8%でリーグ1位に確率と順位が上昇。
アテンプトはリーグでも少ないのに確率は上げてリーグトップに、成功数もリーグ上位になるなどオフェンスの精度の高さが読み取れる。
これだけ高精度ならアテンプトが増えればもっと得点が伸びる余地があるとも言えるかもしれない。
・平均FT
平均FTAは昨季が18.6本でリーグ6位、今季は17.7本でリーグ9位にアテンプトと順位が下落。
平均FTMは昨季が13.8本でリーグ7位、今季は13.9本でリーグ2位に成功数と順位が上昇。
平均FT%は昨季が74.2%でリーグ12位、今季は78.2%でリーグ1位に確率と順位が大きく上昇。
FTはアテンプトが減ったにも関わらず成功数と確率が上がっており、特に確率の上げ幅は凄まじく、1位になるなど広島の得点源になっている。
外国人選手が3人ともFTが上手い上にチーム全体でもアテンプトが少ない選手含めて75%以上決めている選手が多いので納得の確率であり、FTが広島の強さの一因なのは間違いない。
・平均リバウンド
平均オフェンスリバウンドは昨季が10.3本でリーグ14位、今季は10.1本でリーグ19位に本数と順位が下落。
平均ディフェンスリバウンドは昨季が25.5本でリーグ14位、今季は25.6本で16位に本数は増えたが順位は下落。
平均トータルリバウンドは昨季が35.8本でリーグ17位、今季は35.7本でリーグ20位に本来と順位が下落。
リバウンドは全て本数と順位が落ちており、だからこそソットを獲得したのだが、ソットを獲得しても克服出来なかった部分でもある。
リーグ全体のリバウンド強化についていけなかったとも言え、明確な広島の弱点だろう。
・平均アシスト
平均アシストは昨季が21本でリーグ10位、今季は21.3本でリーグ8位に本来と順位が増加。
シュートの上手い選手が増えたことや、それによってインサイドも空いたことで合わせやすくなったことなどがアシスト増加の要因と見ている。
・平均ターンオーバー
平均TOは昨季が13.2個で少ない順でリーグ17位、今季は11.3個でリーグ6位にミスを大幅に減らして順位も大きく上昇。
TOの多さは広島の弱点だったわけで、それを平均2個近くも減らしてリーグ上位に改善したのは凄いとしか言いようがない。
・平均スティール
平均スティールは昨季が7個でリーグ9位、今季は6.7個でリーグ9位に個数が減ったが順位はキープ。
リーグ全体で減っていることや順位が同じことからネガティブなものではないと感じる。
・平均ブロック
平均ブロックは昨季が2.6本でリーグ8位、今季は2.5本でリーグ11位に本数と順位が下落。
ソットが最初からいればブロックも本数と順位を上げていたかもしれない。
・平均ファウル
平均ファウルは昨季が18.4個で少ない順でリーグ13位、今季は17.9個でリーグ13位と個数は減らしたが順位は変わらず。
ソットやブラックシアーが無駄なファウルをしていることを考えたら昨季から減っているだけでも上出来かもしれない。
2人とも継続したので無駄なファウルが減らせればチームのファウルも減らせるので課題が明確。
・オフェンシブレーティング
オフェンシブレーティングは昨季が111でリーグ9位、今季は116.9でリーグ2位に数値と順位を大幅に上昇。
強力な外国人選手の獲得とフロアバランスの改善による結果なのは明白であり、リーグ屈指のオフェンスチームであることが分かる。
・ディフェンシブレーティング
ディフェンシブレーティングは昨季が111.4で良い順でリーグ12位、今季は109.1に12位と順位は変わらなかったが数値は改善。
これもプラスな結果だろう。
以上24項目中、昨季より順位が落ちたのは6個と少ないことからも成績の伸び具合が分かる。
チームスタッツ順位の分布としては、上位が12個、中位が8個、下位が4個と下位が最も少なくチームの底上げが大きくなされた。
課題や改善が必要な項目はリバウンドが最優先で、他には課題というわけではないが折角オフェンスが強烈なのにFGAが少ないのは勿体無く、特にリーグトップクラスの高確率で決まっている3Pはアテンプトが増えても中位なので増やせたらより火力が増しそうである。
リーグ全体で3PAが増えている背景もあるので広島も比重を増やしてもいいのかもしれない。
来季編成
広島は現時点で辻と佐渡原を除く全選手とHCの継続、山崎の加入が決まっている。
ここ数年移籍関係では毎度大きな話題を振りまく広島だが、今季も早速驚きの動きがあった。
それはなんと言っても辻の退団であり、今季のチーム成績や個人成績から考えて当然広島もキープすると思っていたし辻側も残るものだと予想していた。
ところが、広島側の継続オファーを蹴ってまで辻側が退団を決めたというのでビックリした。
恐らく寺嶋と並んで広島の日本人選手ではサラリーの高い辻は年齢的に考えて残留オファーを蹴ってまで移籍するのはリスクが高いように思えるが、より高待遇を提示してくれるチームがあったのか、待遇度外視で本人の言うようにチャレンジを選んだのか分からないが広島側にとっては痛いだろう。
チームで最も3Pを打っていた選手で高確率でも決めていたわけであり、それに加えてプレイメイカーにもなれた辻がいなくなると3P%がトップクラスでも3PAが中位だった広島が確率を落とさずにアテンプトを増やすのは難しいかもしれない。
辻の代わりということなのか分からないが、新加入の山崎は今季良い確率で3Pを決めてはいるが、辻ほどPTをもらえるのかという点とアテンプトもそこまで打てる選手とは思えないので代役としての獲得ならば厳しそうではある。
もう1人退団が決定した佐渡原は個人評でも述べたようにソットが残る以上はPTが望めず、しかし他の需要はかなりあると思うので広島側も残したかったと思うが移籍する方が活躍の場はあるはずなので本人にとってプラスの選択と感じる。
継続メンバーも日本人選手は辻を残せなかった以外は概ね妥当に感じるが、メイヨは入れ替えると思っていたのでメイヨ継続も個人的には驚いた。
というのも、広島はリバウンドが弱点なので外国人選手3人で最もリバウンドが弱く、ディフェンス面でも2人より劣るメイヨはシュート力が惜しいとしても入れ替えるべきだと思っていたからである。
ただ、GMのコメントではエバンスとともに帰化の意思があることを明かされており、恐らくそれがメイヨ残留の理由なのではと推測する。
順当ならエバンスより先にメイヨの帰化が通ることなど帰化関係の理由ならば納得だが、1番チームを大きく変えられる部分である外国人選手は昨季と変わらない上に日本人選手で大きな役割を果たしていた辻もいなくなるので、既に山崎の加入は決まっている広島は残り1枠の日本人選手でよほどの強化がないとチーム力というかタレントレベル自体は昨季以下になることもあり得る。
なので、帰化意思があるとしてもメイヨは入れ替えるべきだったと個人的には思うが、残り1枠の日本人選手で大きく戦力アップと感じる選手を広島が獲得出来るか楽しみにしたい。
毎年プラスの移籍サプライズを起こしてくれた広島が辻のマイナスを超える選手を連れてくることを期待。