今回はスペインACB23節からグラン・カナリアとバスコニアのカードをピックアップ。
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現在4位で好調のグラン・カナリアと9位でプレイオフ圏外という驚くべき位置のバスコニアの試合は立ち位置がそのまま反映される結果になった。
1Q
グランカナリアはTOを出さずに3P40%、2P50%、FT7/7でパーフェクトという素晴らしいオフェンスから先行する。
バスコニアもインサイド、アウトサイドともに6割超えでFTパーフェクトと高精度なオフェンスだがFTAの差で4点ビハインドで終える。
グランカナリアはシュルナの3P、ハップのポストフック、ブルッシノのC&Dから3点プレイ、ハップのダイブ、ブルッシノの3P、ランデスバーグのプルアップミドルから3点プレイと3P、サルヴォのコーナー3Pなどで得点。
バスコニアはマリンコヴィッチとコステロの3P、マッキンタイルのドライブと3Pとドライブ、コステロのミドル、マッキンタイルのOTD3Pとドライブなどで得点。
2Q
グランカナリアは引き続きTOが少なく、3P40%、2P67%にFTパーフェクトで高品質なオフェンスでリードを広げる。
バスコニアはTOが多く出て依然アテンプトが少ないことからインサイドでのフィニッシュ率の割に9点ビハインドに広がって折り返す。
グランカナリアはラマーズとハップのダイブ、ブルッシノのドライブとプルアップ3P、アルビシーのブレイク、スロウターの連続ミドル、シュルナのコーナー3Pなどで得点。
バスコニアはディエスのコーナー3P、コッツァーのダイブ、モニーケのトランジション3P、マッキンタイルのドライブとプットバックとドライブなどで得点。
3Q
グランカナリアは後半に入っても3P50%、2P56%でオフェンスの勢いを維持したままリードを広げる。
バスコニアもFG64%で依然インサイド、アウトサイドともに好調だがペースを抑えられて11点ビハインドで最終Qへ。
グランカナリアはブルッシノのロング3P、ハップのティップイン、バッサスの3Pとドライブ、シュルナとサルヴォのポストフック、ランデスバーグの3P、ラマーズのC&Fなどで得点。
バスコニアはニコラオスのプットバックと連続3P、マリンコヴィッチのドライブ、コステロのダイブから3点プレイ、マリンコヴィッチのドライブ、モニーケの3Pなどで得点。
4Q
グランカナリアは最後まで3P50%、2P57%でFTも大量かつ高確率で決めるなど効率的なオフェンスで隙を与えない。
バスコニアもFTこそ大量に貰うが、好調だったアウトサイドシュートが今までのように決まらず18点差で完敗した。
グランカナリアはランデスバーグのプルアップミドル、ペロスの3P、ラマーズのプットバック、シュルナの3P、ラマーズのプットバックとダイブ、ハップの連続ダイブ、バッサスのドライブ、スロウターのプルアップジャンパーなどで得点。
バスコニアはマッキンタイルのドライブ、コッツァーのダイブとC&F、マッキンタイルのプットバック、セデカースキスのプットバック、ハワードとニコラオスの3Pなどで得点。
チームスタッツ
チームスタッツは3Pがグランカナリア11/24で46%、バスコニアは11/26で42%と成功数は同じだが確率はバスコニアが上回った。
2Pはグランカナリアが23/39で59%、バスコニアは17/28で61%と確率はバスコニアで成功数はグランカナリアが上回った。
FG全体ではグランカナリアが34/63で54%、バスコニアは28/54で52%と確率と成功数でグランカナリアが上回った。
FTはグランカナリアが19/22で86%、バスコニアは13/21で62%と確率と成功数でグランカナリアが上回った。
リバウンドはグランカナリアがOR12本のトータル33本、バスコニアはOR9本のトータル28本でグランカナリアが優勢だった。
TOはグランカナリアが6個、バスコニアは12個とグランカナリアは非常に少なかった。
個人スタッツ
個人ではグランカナリアのニコラス・ブルッシノがシュートやブレイクなどでチームハイの15点とチームトップタイの5リバウンドに3アシストでマルチに活躍。
シルバン・ランデスバーグはシュート中心にチームハイタイの15点と1リバウンドに1アシストで貢献。
負けたバスコニアはコディ・ミラー・マッキンタイルがシュートやドライブなどでゲームハイの24点とチームトップの5リバウンドにチームトップの6アシストで3部門トップの大活躍。
チマ・モニーケはシュートやオフボールの合わせなどで13点と1リバウンドに1アシストを記録。
総括
本来なら資金力もタレントも上であるはずのバスコニアをグランカナリアが効率的なオフェンスから圧倒する形で勝利した。
グランカナリアはTOが40分で僅か6個と異常に少なく、それがリズム良いオフェンスを産み出したのか終始シュートが決まっており、スペーシングにも作用してインサイドへのアタックも効果的になる相乗効果になった。
当然ディフェンスは的を絞れないことからFTももらいやすくなり、大量のFTをもらって高確率で決めるなどとにかくグランカナリアのオフェンスが完璧だった。
しかもリバウンドでもバスコニアを上回るなど全局面でグランカナリアが上回っていた。
逆にバスコニアはマッキンタイル以外がいつも通りのプレイをさせてもらえず、特にハワードはいつもの理解不明なセレクションから理不尽にシュートを決める姿からはほど遠く、そもそもアテンプトもほとんどなかった。
バスコニアは国内より激戦のユーロリーグでは好調なのにACBではプレイオフ圏外と意外な苦戦を強いられている。
他のユーロリーグ参戦チーム同様に国内とユーロリーグで選手起用法が違うとはいえ資金力やロスター的には上位枠でなくてもプレイオフ圏外で終わることが許されないチームなのでこのまま圏外にいるとは思えない。
昨季トンプソンを獲得して初のユーロリーグで大ブレイクして出世したように今季はマッキンタイルが初のユーロリーグで大きなインパクトを残しているのでバスコニアの目利きは随一だと思っており、今の順位が続くようなら非ユーロリーグのチームから引き抜きもあるかもしれないので注目したい。
勝ったグランカナリアは流石に非ユーロリーグチームの中では上位の資金力を持つだけに昨季ユーロカップ優勝に続き今季も強い。
ベルリンでずっと主力だったラマーズなどユーロリーグ経験者やユーロリーグでも通用しそうなハップやブルッシノ、今季不調気味だが昨季まで大活躍だったシュルナなど4大チームと戦えるようなロスターになっている。
同じスペインのウニカハやイタリアのヴェネツィアと並んで非ユーロリーグチームでは飛び抜けた豪華チームなのでACBでの高順位も納得である。
このままグランカナリアが上位枠をキープしたら面白いのでバレンシアの追い上げを振り切ってほしい。