今回はオーストラリアNBL最終20節からケアンズ・タイパンズとメルボルン・ユナイテッドのカードをピックアップ。
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現在8位で他のチームの結果次第ではプレイオフ進出可能なケアンズと1位でプレイオフ進出が確定のメルボルンの立場が違いすぎる1戦はモチベーションの大きさが勝敗を分けた。
1Q
ケアンズはTOを出さずにFTとペイントへのアタックを得点源にしつつディフェンスでもメルボルンを抑えて大きくリードする。
メルボルンはORを大量に取るが、TOも多く、折角もらったFTもほぼ外してアウトサイドシュートも決まらないなど13点ビハインドで終える。
ケアンズはクリントマンのC&Fから3点プレイと3P、ウォーデンバーグのドライブから3点プレイ、マコールのドライブ、ロバーツのC&F、マコールのFTとドライブから3点プレイ、クリントマンのカット、ウォーデンバーグのポストプレイ、クリントマンのFT、ミラーのドライブ、ウォーデンバーグのハーフコートブザービーターで得点。
メルボルンはトラヴァースのアリウープ、デラベドバのドライブ、トラヴァースのCTC、フックポーティのアリウープ、キャメロンのドライブ、イリーのブレイクとFTで得点。
2Q
ケアンズはアウトサイドシュートとFTを高確率で決めて大きな得点源にするとリードを大きく広げる。
メルボルンはアウトサイドシュートが全滅してインサイドでの得点が中心となるが、失点が止まらず22点ビハインドで折り返す。
ケアンズはアームストロングのドライブ、ミラーのコーナー3P、ミラーのブレイク、アームストロングの3P、ロバーツのカット、ミラーのドライブから3点プレイと3P、マコールのカット、ロバーツのFT、メネンガの3PとFTで得点。
メルボルンはクラークのプルアップミドルとオフスクリーンミドル、デラベドバとクラークのフローター、イリーのミドル、ゴールディングのブレイク、フックポーティのFT、クラークのドライブから3点プレイ、フックポーティのカットとプットバックで得点。
3Q
ケアンズはFGが35%に急落するが、FTを大量に貰って高確率で決めるなど得点源を確保してリードをキープ。
メルボルンは依然アウトサイドシュートが全滅し、インサイドとFTで加点するも23点ビハインドに離れて最終Qへ。
ケアンズはマコールのドライブとFTとドライブ、アームストロングとウォーデンバーグのFT、ミラーのプルアップミドル、マイェンのトランジション3P、ロバーツのFT、ミラーのプルアップジャンパーから3点プレイで得点。
メルボルンはフックポーティのドライブとポストピン、デラベドバのFT、トラヴァースのドライブ、フックポーティのプットバック、クラークのFT、ボウエンのC&Fからの3点プレイとポストプレイ、アチールのブレイクで得点。
4Q
ケアンズは大量リードの緩みからかトランジションで一気に失点が増えるとたちまち一桁差にされるがファウルゲームも乗り切る。
メルボルンは速いオフェンスからアウトサイドシュートやペイントアタックで一気に詰めるも時間が足りず9点差で敗北となった。
ケアンズはアームストロングのフローターとFTとフローター、マコールのミドルとプットバック、ロバーツとイリーのFT、マコールのドライブ、ウォーデンバーグのカット、マコールとミラーのFTで得点。
メルボルンはデラベドバのフローター、アチールのプットバック、デラベドバのミドル、クラークのドライブ、デラベドバのポストフック、アチールのプットバック、クラークの3Pとブレイク、デラベドバの3P、クラークのドライブ、アチールのプットバック、ゴールディングの3P、フックポーティとトラヴァースのポストプレイで得点。
チームスタッツ
チームスタッツは3Pがケアンズ8/24で33%、メルボルンは4/26で15%と確率と成功数でケアンズが上回った。
2Pはケアンズが25/52で48%、メルボルンは33/57で58%と確率と成功数でメルボルンが圧倒。
FG全体ではケアンズが33/76で43%、メルボルンは37/83で45%と確率と成功数でメルボルンが上回った。
FTはケアンズが23/29で79%、メルボルンは10/17で59%と確率と成功数でケアンズが圧倒。
リバウンドはケアンズがOR10本のトータル46本、メルボルンはOR13本のトータル49本でメルボルンが優勢だった。
TOはケアンズが8個、メルボルンも8個で異様に少なかった。
個人スタッツ
個人ではケアンズのタジャ・マコールがドライブやトランジションからのフィニッシュにFTも大量でゲームハイの23点とチームトップの9リバウンドに10アシストで2部門トップかつダブルダブルの大活躍。
パトリック・ミラーはシュートやドライブ、ポストプレイなどで20点と8リバウンドに4アシストでマルチに貢献。
負けたメルボルンはイアン・クラークがミドルやドライブなどでチームハイの20点と2リバウンドに1アシストで活躍。
マシュー・デラベドバはシュートやドライブなどで16点と5リバウンドに5アシストでオールラウンドに活躍。
総括
プレイオフ進出の可能性に賭けるケアンズが序盤から大量にリードして勝負を途中までで決めたかと思ったが、最終的にメルボルンが猛追を見せて熱戦になった。
シュートが両チーム低確率だったが、メルボルンはインサイドへのアタックを高確率で決め、ケアンズはFTを大量かつ高確率で決めて3Pの不調を補うなどしていた。
勝敗の分かれ目はFTの確率で、メルボルンは半分ほどしか決めておらず、途中4点差までいったことからもあと数本決めていればタイムアウトの撮り方やファウルゲームの可否など展開が変わっていただけに勿体無かった。
ただ、メルボルンは1位でプレイオフ進出が決まっており、負けたところで何も変わらない状況にも関わらず負けていい試合を全力で勝ちに行ったもは素晴らしかった。
ケアンズもプレイオフへの思いが現れた結果であり、他の団子チームも全て勝ってしまったのでケアンズは残念ながらプレイオフ進出はならなかったが見事だった。
この試合で特筆すべきは試合ペースと両チームのTOの少なさであり、NBLらしいハイテンポで両チームのFGAは70本以上、しかもメルボルンに至っては80本以上でケアンズもFTを30本近く打って76本なので如何にハイペースだったかが分かる。
それでいて両チームTOが8個と異常に少なかったのはプレイオフがかかったケアンズとプレイオフ前に負けたくないメルボルンの集中力がなせるものだったのかもしれない。
これでRSは終わり、ケアンズは敗退となってしまうが、気になるのはミラーの行方である。
数年前からユーロリーグでもプレイ出来ると思っていた選手で、冒頭関連リンクのNBL特集でもケアンズの注目選手に挙げている通りNBLでも大活躍を予想して実際に大きなインパクトを残した。
仮にユーロリーグからオファーがないとしても、中国や世界中で引っ張りだこの選手だと思うので移籍先がどこになるかは注目したい。
日本でもずっと見たいと思っていた選手であるが、ガードの選手を抱えているチームではタイプ的に佐賀以外に合いそうなチームはく、佐賀はガルシアが活躍していることからもわざわざ切ることはないはずなので日本に来る可能性はないと見ている。
ユーロリーグでプレイするのも見てみたいが、恐らくユーロリーグでも活躍するはずで、そうなると日本に来る可能性はますますなくなるので心情的に難しい。
ミラーがどこを選ぶか注目したい。
いよいよプレイオフであるが、個人的注目は崖っぷちの状況から大逆転でプレイオフに滑り込み3連覇の可能性を繋いだシドニーと1位のメルボルン、タレントチームのパースを挙げたい。
優勝予想は悩ましいが、好きな選手の多いパースを推したい。