今回はユーロリーグ22節からツルヴェナとバスコニアのカードをピックアップ。
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現在13位のツルヴェナと8位でプレイオフ圏内のバスコニアの試合はハイスコアゲームかつ1点差の接戦になった。
1Q
ツルヴェナはTOをほとんど出さず、3P62%、2P78%の超高精度なオフェンスで30点を叩き出しリード。
バスコニアはアウトサイドシュートを高確率で決めるが、TOが大量に出てアテンプトを10本も確保出来ず10点ビハインドで終える。
ツルヴェナはヤゴの3P、ボロンボーイのプットバックとアリウープ、ヤゴの3Pとドライブ、ラジッチのコーナー3P、ヤゴのフローター、ダヴィドヴァッツの3P、ギエドライティスのプットバックなどで得点。
バスコニアはハワードのロング3Pとミドル、マリンコヴィッチの3P、モニーケのカットなどで得点。
2Q
ツルヴェナはTOが急激に増えるが、FG60%で依然アウトサイド、インサイドともに高確率でリード。
バスコニアもORを大量に取りアウトサイドシュートを引き続き高確率で決めつつFTをパーフェクトで得点源にするなど9点ビハインドに詰めて折り返す。
ツルヴェナはハンガのドライブから3点プレイ、スマートとギエドライティスの3Pなどで得点。
バスコニアはマッキンタイルのプルアップミドル、モニーケのドライブから3点プレイ、コステロの3P、コッツァーとモニーケのカット、モニーケのブレイクなどで得点。
3Q
ツルヴェナは後半になると一転してFG25%に急落し、FT以外の得点源を作り出せず逆転されてしまう。
バスコニアは後半に入ってもアウトサイドシュートの高確率を維持した上にインサイドでのフィニッシュも決まって7点リードに逆転して最終Qへ。
ツルヴェナはダヴィドヴァッツのトランジション3P、ヤゴのドライブ、ハンガのフローター、スマートのミドルなどで得点。
バスコニアはハワードのステップバック3Pとトランジションロング3P、モニーケのブレイク、ハワードのサイドステップ3PとC&S3P、マリンコヴィッチのトランジション3Pなどで得点。
4Q
ツルヴェナは再びインサイド、アウトサイド問わず高確率で決めてFG67%かつFTも11本貰うなど猛追する。
バスコニアは最後までアウトサイドシュートを4割以上決め続けファウルゲームのFTも決め切ると1点差で勝利した。
ツルヴェナはヤゴのフローター、ギエドライティスのカット、ミトロヴィッチのポストプレイ、ギエドライティスのコーナー3P、ヤゴのブレイクと3Pなどで得点。
バスコニアはハワードのコーナー3P、マリンコヴィッチの連続3P、ハワードのステップバックミドルとプルアップミドルとフローター、マッキンタイルとマリンコヴィッチのFTなどで得点。
チームスタッツ
チームスタッツは3Pがツルヴェナ12/28で43%、バスコニアは17/34で50%と確率と成功数でバスコニアが上回った。
2Pはツルヴェナが20/28で71%、バスコニアは13/27で48%と確率と成功数でツルヴェナが上回った。
FG全体ではツルヴェナが32/56で57%、バスコニアは30/61で49%と確率と成功数でツルヴェナが上回った。
FTはツルヴェナが14/20で70%、バスコニアが14/17で82%と成功数は同じだが確率でバスコニアが上回った。
リバウンドはツルヴェナがOR6本のトータル23本、バスコニアはOR15本のトータル36本でバスコニアが優勢だった。
TOはツルヴェナが11個、バスコニアが16個でバスコニアはミスが多かった。
個人スタッツ
個人ではツルヴェナのヤゴ・マテウスがシュートやドライブからFTも獲得してチームハイの26点と3リバウンドに5アシストで得点を牽引。
ロカス・ギエドライティスはシュートやブレイクなどで13点とチームトップタイの5リバウンドを記録。
勝ったバスコニアはマーカス・ハワードが3P7/10やFTなどでゲームハイの32点と2アシストで大活躍。
ヴァニャ・マリンコヴィッチは3P5/9など持ち前のシューティング力で18点と4リバウンドに2アシストで貢献。
総括
ユーロリーグらしからぬ点取合戦で面白い試合だった。
両チームともに3Pが4割以上、バスコニアに至っては全身Qで4割以上かつ最終的に5割という異常な高確率で各選手のシュート力が際立った。
中でもハワードは相変わらず意味不明なセレクションで打っても入るという昨季のパンターを想起させるような理不尽なシュート力で、トランジションからロング3を選択して決めるのは流石だった。
ツルヴェナは2Pも7割以上でインサイドでも効率的かつ高確率にフィニッシュするなどFGは57%でTOは11個、FTもファウルゲームのあったバスコニアより多く貰うなどオフェンスが最高の出来だった。
ただ、バスコニアにORを5割近い超高確率で取られてしまったのはシュートタッチの絶好調だったバスコニアにセカンドチャンスを大量に与える結果になり失点に繋がった。
最後もFTをバスコニアが外したのにORを取られてもう一度ファウルゲームにいかなかければならなかったところから決勝点のFTに繋がってしまった。
ハワードを止められないのは他のユーロリーグチームでも同じであるが、ORを抑えていれば30点は取られなかったしFG57%で負けることもなかったように思う。
ツルヴェナはバスコニアにTOも多く出させていたわけで、FGや TO、FTと優位な状況を多く作っておきながらリバウンド1つが劣勢だっただけで負けてしまったことからも勿体無い試合だった。
逆にバスコニアはサイズがあるわけではないが、モニーケやセデカースキスなど得点に比重のかかるハワード以外の選手がリバウンドで踏ん張ったのは見事だった。
これでツルヴェナは借金が増えてプレイオフ圏内が遠のき、バスコニアは圏内をキープした。
バスコニアは良い選手が集まっているが、プレイオフ進出は難しいと思っていたので終盤でも貯金を作るだけでなく圏内にいるのは予想外だった。
反対にツルヴェナはサプライズ的にプレイオフ進出しそうと思っていたのでプレイオフ枠からゲーム差がこれほど離れるのは違った意味でサプライズになった。
ガードはユーロリーグ内でも上位レベルの選手層であると思うが、フロントコートの物足りなさが今の成績の理由と見ている。
開幕前にもフロントコートのタレント不足を感じていたが、ガードが凄まじすぎるのでカバー可能と思っていた見通しが甘かった。
巻き返しに期待したいが今季の試合を見ていると難しいかもしれない。
今季のユーロリーグはあまりにもレアル独走体制がすぎるので終盤でどこか捲ってくれたら面白いが、そちらも厳しそうである。
順位が落ちてきたボローニャあたりが生き残れるかは特に注目しておきたい。