今回はスペインACB21節からバルセロナとバレンシアのカードをピックアップ。
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リーグ3位のバルサと順位を落とし気味で5位のバレンシアによる4大チーム同士の対決は1ゴール差の接戦になった。
1Q
バルサはTOが多く出るが、メンバー的に優位性のあるインサイドを効果的に攻めて得点源にする。
バレンシアはFG31%でインサイドもアウトサイドも決定率に欠けるが、FTを大量に貰ってパーフェクトで決めるなど同点で終える。
バルサはシルヴァのカットと3P、エルナンゴメスのハイロー、カリニッチの3P、エルナンゴメスのプットバック、ブリズエラのドライブ、エルナンゴメスのC&Fなどで得点。
バレンシアはイングリスのハイロー、ジョーンズの連続ドライブ、プラディラのカット、ヨヴィッチの3Pなどで得点。
2Q
バルサは引き続きTOが多く出てもインサイドを強調して1Qを踏襲するような形から得点しリードする。
バレンシアも引き続きFGは37%で不調が続くが、FTは8/8でパーフェクトと大きな得点源にして4点ビハインドで折り返す。
バルサはブリズエラのドライブ、パーカーのミドルと連続ドライブ、ヴェセリーとパーカーのミドル、ブリズエラのロング3P、カリニッチのミドルなどで得点。
バレンシアはヨヴィッチのドライブ、オジェレイのフェイドアウェイミドル、アンダーソンのブレイク、アンダーソンのカット、プエートのコーナー3Pなどで得点。
3Q
バルサは序盤連続得点を挙げるが、その後は停滞する時間が続き、インサイドでの優位性も保てなくなり連続失点を浴びる。
バレンシアは序盤なかなか得点が伸びず、FTも今までのように貰えないが、終盤に16-0のランで逆転して2点リードで最終Qへ。
バルサはエルナンゴメスのポストプレイからの3点プレイ、ラプロヴィットラの3P、サトランスキーのカット、パーカーのブレイク、エルナンゴメスのハイロー、シルヴァとサトランスキーの連続ドライブなどで得点。
バレンシアはジョーンズのドライブ、プラディラのカット、ロペスのドライブ、プラディラのフローター、ヨヴィッチの連続ドライブ、プラディラのミドル、オジェレイとロバートソンの3Pなどで得点。
4Q
バルサは再びインサイドアタックを仕掛けて2P64%の高確率から追い上げて同点に持っていくが、追い越せず。
バレンシアはORからセカンドチャンスも獲得してゆっくりオフェンスを展開すると一度も逆転されることなく3点差で大金星を挙げた。
バルサはパーラのポストフック、P&Rからヴェセリーのダイブとミドル、サトランスキーの連続ドライブとブリズエラのドライブ、パーカーのブレイクなどで得点。
バレンシアはロバートソンの3Pとドライブ、ヨヴィッチのドライブ、プラディラの連続プットバックとダイブ、オジェレイのカット、ジョーンズのステップバックミドルなどで得点。
チームスタッツ
チームスタッツは3Pがバルサ4/16で25%、バレンシアは5/18で28%と確率と成功数でバレンシアが上回った。
2Pはバルサが26/45で58%、バレンシアは22/46で48%と確率と成功数でバルサが上回った。
FG全体ではバルサが30/61で49%、バレンシアは27/64で42%と確率と成功数でバルサが上回った。
FTはバルサが12/15で80%、バレンシアは20/22で91%と確率と成功数でバレンシアが上回った。
リバウンドはバルサがOR7本のトータル31本、バレンシアはOR12本のトータル34本でバレンシアが優勢だった。
TOはバルサが15個、バレンシアは13個でバレンシアの方がミスが少なかった。
個人スタッツ
個人ではバルサのウィリー・エルナンゴメスがポストプレイやC&Fなどでチームハイの16点とチームトップの10リバウンドでダブルダブルの大活躍。
ジャバリ・パーカーはミドルやブレイクなどで12点と4リバウンドを記録。
勝ったバレンシアはセミ・オジェレイがシュートやFT11本などでゲームハイの16点と4リバウンドで活躍。
ハイメ・プラディラはプットバックやダイブなどで15点と4リバウンドに1アシストで貢献。
総括
当ブログでスペイン4大チームと勝手にカテゴライズしているACBやヨーロッパでも上位の資金力とロスターを誇る両チームの対戦らしく面白い試合だった。
バルサはインサイドへのアタックで試合を優位に進めてFGではバレンシアを上回っていたのだが、ORを取られすぎたことやFTを与えすぎてことが敗因になった。
逆にバレンシアは内外ともにFGで苦戦したが、しっかりFTを貰ってパーフェクトに近い高確率で決めるなど得点源にできたことは大きかった。
中でもオジェレイのアタックは効果的でFTを10/1で決めるなどアテンプトも確率も素晴らしかった。
ボローニャ時代から凄い選手だったので上位チームに行くと思っていたくらいであり、バレンシア移籍が決まった時は驚いたが、来季こそは上位チームが放っておかなそうである。
FGで得点出来ない分、ORで攻撃権を稼げたのも地味に効いた。
ディフェンスでもペリメーターで素晴らしいディフェンスを見せてアウトサイドシュートをバルサに決めさせないなど格上相手にバレンシアは攻守で冴えていた。
これでバレンシアは順位が落ちてきていたところに歯止めをかけるような1勝となったが、バルサに勝てるなら下位チーム相手に落としたのは勿体無かったかもしれない。
プレイオフ圏内から落ちることはないと思っているので下位枠と上位枠どちらになるかは注目かもしれない。
バルサは昨季から予算が15億ほど大幅に削減されたが、それでもレアルに差を付けられただけで依然ヨーロッパでは最上位の予算とロスターは変わらず、強さも最上位のままである。
シーズン前にはミロティッチをキープ出来なかった代わりにNBAからエルナンゴメスとパーカーを獲得するなど凄まじい補強をしていることからもそれは窺える。
ただ、ミロティッチがいなくなった影響は節々に感じられ、未だにNBAでも主力としてプレイ出来ると評されるミロティッチの実力の飛び抜け具合は別格だったと改めて思わされる。
バルサがレアルにユーロリーグでもACBでも差を付けられているのはミロティッチの退団、つまり予算の削減が大きく関わっているのは明らかである。
今の戦力でも間違いなくユーロリーグ、ACBともに優勝候補であるのも間違いないが、レアル優勢と見ている人が多いのではないかと感じる。
ルビオが加わることが決まり、バルサがここからどれだけ調子を上げていくかも注目したい。