今回はBリーグ開幕前総評第7弾の群馬クレインサンダーズ編。


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群馬は同じく新興チームと言える広島と島根が結果を残しているのとは対照的にプレイオフ出場経験がなく、昨季は勝率5割を切るなど思うような結果が出ていない。


TO3PA3P%、ファウルの多さなど改善するべき点も多かった群馬は外国人選手含めて多く入れ替わると思っていたが、思っていたほどでもなかった。


ただ、入れ替え人数は少ない代わりに驚くような加入劇もあった。


そんな群馬のロスターを順に見ていくと、PGは並里、五十嵐、菅原が残留してフリッピンが加入。


フリッピンはTOが多く、ボール運びもPGとしては安定しているとは言い難いが身体能力を活かしたドライブとディフェンスは上手い。


ゲームメイクはリーグでも上位クラスの並里がいるので別タイプのフリッピンは良い補強と言え、PG層は強化された。


SGは辻と木村の新加入2人となっている。


広島の開幕前総評記事でも書いた通り辻の群馬加入は今オフの驚かされた移籍の1つで、奇しくも山崎との入れ替わりという形になった。


山崎のようなディフェンスは出来ない代わりに単なるシューターではなくドリブルが突けてプレイメイカーにもなれる稀有な選手であり、プレイの幅が広い。


なので、パーカーやターズースキーのような優秀なフィニッシャーとは相性がいいはず。


ただ、群馬には並里とジョーンズがいるので2人と同時出場している時間帯はオフボールでのプレイがメインになるかもしれない。


シュート面に関しては昨季アテンプトが多かった上に39%の高確率で決めており、高確率でもアテンプトの少なかった山崎と違って群馬の3PAは増えることになりそう。


広島ではC&Sが多かった印象だが、OTDでもシュートが打てる点も山崎との違いであり、ジョーンズのドライブやターズースキーのダイブにためのスペースを与える意味でも寄与出来る。


辻が加入しただけで群馬のSGは大きく強化されたと考えている。


SFは星野、八村、ジョーンズの3人が継続したが、チェンバースが抜けて昨季より層は薄くなったかもしれないが、ジョーンズがいる時点で群馬のSFは強力なことには変わりない。


ジョーンズはシュートもドライブもハイレベルな上にFTは貰うのも決めるのも上手いリーグ最強格のスコアラーで、今季も群馬のトップスコアラーになるだろう。


抜群の得点力でディフェンスを引きつけられるのでアシストも割合が多く、オフェンスで何でも出来る万能性は群馬の大きな武器になっている。


八村もコンバートされて昨季良い活躍をしたのでPTは多くないかもしれないが、プレイは大いに期待出来るのでSF層は昨季比で薄くなっても層自体は薄くないと見ている。


続いてPFはバックアップの野本と帰化選手のパーカーが継続してベンティルが新加入。


まず、パーカーは引退してもおかしくない年齢であるが、全く落ちない運動量でリバウンドやチームディフェンスで絶大な影響を与えており、群馬で最も替えが効かない選手とも言えるので残せたのは大きい。


オフェンスでもオフボールやリバウンドから効率的に得点してくれるので新加入の

辻とも相性は良く、オン3がより強力になったと感じる。


そして新加入のベンティルは日本に来る選手としてはかなりランクが高く、群馬は2年連続で高ランク選手の獲得に成功した。



こちらの記事でも最後に予想とは別で日本に来て欲しい選手としてベンティルにチョロっと触れたが、まさか本当に日本で見られるとは思っておらず、それも群馬への加入には驚かされた。


ベンティルはオフボールタイプのフォワードでシュートとカットが特に上手い。


C&Sから打つ3Pは高確率で、ヨーロッパでの直近5シーズン全てで3割後半と安定しており、昨季ツルヴェナでは自身ヨーロッパ最高確率となる4割以上を記録した。


シュート力でジョーンズのドライブ、パーカーのカット、ターズースキーのダイブにスペースを与えられる上にカットから得点出来る点では並里や辻、ジョーンズとの相性も良いはず。


また、トランジションでも得点出来るのはキーナンとの違いと言える。


リバウンドは強いわけではないが、ポジションの平均レベル以上は備えていて悪いわけではない。


ペリメーターディフェンスが苦手だったキーナンよりペリメーターディフェンスが出来る点でも穴が減るのでディフェンスでもある程度の強化が見込める。


前任のキーナンとは全く違うタイプで、昨季キーナンが不振だったことからベンティルがキーナンを下回るとは到底思えず、新チームのメンバーとの相性を考えても ベンティル加入はPF層のみならずチーム全体にもパワーアップをもたらす補強と感じる。


最後にCはターズースキーが継続しているが、やはりターズースキーのファウルの多さは危うい気がする。


ターズースキー自体は優秀なフィニッシャーで並里や辻、ジョーンズや新加入のベンティルとのオフェンス面の相性でも問題ないが、ファウルの多さから継戦能力が高くない点はリバウンドやインサイドのディフェンスでチームを窮地に追い込みかねない。


また、昨季はロールマンとしては多いTOを記録しており、ファウルとTOの多さが今季も続くようだと厳しい。


FTも昨季は高確率で決めてくれたが、その前4シーズンは6割台なので昨季が上振れしただけならパーカー、ターズースキーとFTが苦手な選手が並ぶことになり、ベンティルも高確率で安定しているわけではないので帰化、外国人選手にFTが得意でない選手が固まっているのをポジティブに見ることは難しい。


高ランク選手のターズースキーを2年抱えられて新たに高ランク選手のベンティルを獲得出来る資金力があるなら選択肢は多かったはずなので、高ランクじゃないとしてもチーム力を上げられる別の選手にターズースキーを変えて欲しかったというのが個人的な気持ちではある。


このターズースキー継続がチェンバース退団と並んで群馬の今オフにおける数少ないネガティブ要素だと感じる部分であり、Cは枚数的にも継戦能力的にも層が薄いと言わざるを得ない。


実際はベンティルも5番起用されるはずなので2番手Cがキーナンからベンティルになった部分で強化出来ると考えたとしても、昨季から物足りなさがあったメインCが変わらないのは他で良い補強が出来ていた群馬だけに惜しさを感じる。


以上見てきて全てのポジションが強化されたというわけでないが、チーム全体で昨季と比べると辻とベンティルの加入でパワーアップしたと見ている。


ただ、同じ地区には東京と千葉がいて栃木にも強力な帰化選手が入ったのでワイルドカード争いに絡めてもプレイオフ出場は難しいと予想。


個人的注目選手は新加入のベンティル。


先述したように高ランクのオフボールフォワードで群馬のオフェンス面に寄与出来る点が多く、日本でのプレイがとても楽しみな選手。


オンボールのプレイはあまり得意ではないが、日本ではヨーロッパの時よりオンボールでプレイする割合が少し増えるかもしれない点も注目したい。