Bリーグ開幕前総評最後はアルバルク東京。


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外国人選手の怪我やシュートの不振により2季連続で苦しいシーズンを送った東京だが、離脱者が出てもシーズン終盤やプレイオフで栃木や島根に勝つなど怖さはしっかり見せており、川崎や名古屋同様に外国人選手が揃っていれば優勝もあり得たと思わせるチームだった。


そんな東京のオフはリーグ屈指のタレントが揃っているだけに主力キープに尽力し、選手の入れ替えは3番手外国人選手と日本人控えのみの動きの少ないオフとなった。


一方でスタッフ陣はリーグ2連覇とACC準優勝と優勝の偉業を成し遂げたルカの勇退に伴いACなど含めてルカ体制からアドマイティス体制に移行するなど大きく様変わりした。


正直、もっと大物HCを招聘することを期待していたので拍子抜けしたが、日本で指揮を取るのが初めてのアドマイティスが日本でもヨーロッパでやっていたようなバスケをするのか、日本に合わせてスタイルを変えるのかは楽しみだ。


動きの少なかった選手人事では菊地、小島、テイラーの3選手が退団し、その他全ての選手が残留。


今季のデプスを見てみると、ビッグマンには苦手だったシュート含めて全局面で昨季大黒柱だったサイズ、リーグトップクラスのロールマンであるカーク、帰化選手のロシター、バックアップとしては最高レベルの平岩とディフェンスとリバウンドでリーグトップクラスのビッグマンが揃っている。


フォワードは昨季チームで入らなかった3Pをチーム3番目の確率で決めていたザックとビッグマン離脱のピンチを見事なディフェンスで埋めてブレイクした吉井の優秀な2人が揃っている。


吉井は代表でも良いディフェンスを見せており、今季は3番起用もあると予想しているので楽しみだ。


バックコートは昨季シュートが不振で今季は本来の確率で決めることが求められる安藤と小酒部、PGでも本職以上のプレイが出来る田中と若手の笹倉の残留組に藤永とコブスが新加入。


田中がPG起用されるとしても控えが昨季ほとんどPTのなかった笹倉と千葉で3番手だった藤永ではPG層が不安だったのでコブスの加入は心強い。


コブスはモンテネグロ代表で主力だったPGで東京の外国人選手予想をする際にリストアップして最後の3人まで残していたが、ルカの退任でモンテネグロの選手はないと思ったのとシュートがもっと上手い選手の方がいいと思いスピッスを選んでしまった。


ユーロリーグでのプレイ経験はないが実力的にはユーロリーグ常連チームでプレイしてもおかしくない選手であり、ABAでMVP経験があるなど少なく見積もってもヨーロッパのPGで上の下以上の実力を持っている選手である。


特徴としてはドリブルスキルが抜群でスコアリングとゲームメイクの両方を高いレベルで兼ね備えている。


シュートはヨーロッパでの8シーズン平均で3Pが約36%と高い部類だが本数自体は多くなく、OTDからのシュート中心でC&Sは少ない。


確率的にもOTDからのシュートの方が入ってる印象でC&SはOTDと比較すると苦手なのかもしれない。


ミドルの精度も高く、こちらもOTDから打ってくるミドルが高確率で入るのでコブスの3P、東京ビッグマンのインサイドと守るべき優先順位からして捨ててきそうなミドルは効果的に決まりそうだ。


コブスの得点パターンの中で最も強力なのはドライブであり、アイソレーションやP&Rから繰り出すドライブで簡単にゴール付近に侵入してレイアップやフローターをガンガン決めてくる。


このドライブからファウルをもらうのも抜群に上手く、近年はシーズン平均のFTAが4本以上は当たり前で多いシーズンは6本以上と非常に多い上に確率も8割後半の超高確率で安定しているなど得点源にもなっている。


日本では外国人選手だけでなく日本人選手もマッチアップすることになると思うので、FTの大量獲得が期待出来るのは大きなアドバンテージとなりそうだ。


ヨーロッパでは稀ではあるがポストアップも仕掛けたりしていたので日本人選手が相手の時はポストアップからの展開も見られるかもしれない。


トランジションでも持ち前のフィニッシュ力を活かして得点出来るのでトランジションからの得点やブレイクが多くなかった東京に新しい風を吹き込んでくれそうだ。


このようにドライブ中心にスコアリング面で凄まじいスキルを持ち高得点が予想されるコブスであるが、先述したようにゲームメイクも得意。


P&Rアクションが上手く、ロールマンへのロブパスやポケットパスもお手の物。


自信のドライブも強力故にそれだけでディフェンスを引っ張ってディッシュやキックアウトに繋げることも可能。


コートビジョンも素晴らしいものを持っており、デッドローやダンカースポットへのハイローやコーナーへのクロスコートパスなどパスやアシスト能力も卓越している。


ディフェンスではオンボールディフェンスに定評があり、ヨーロッパではスイッチしてビッグマンとマッチアップになった際も1人で距離や重心など体を上手く使ってポストアタックを守る場面を何度も見せるなどオンボールディフェンスではペリメーター以外でも活躍していた。


反面、オフボールディフェンスはオンボールディフェンスに比べると劣る印象を受けるが、日本では日本人選手とのマッチアップが多いと思われるので気になるほどではないと思われる。


ランクが高いだけでなくテイラーやセオドアと違いプレイスタイルやバランス的にも東京に合いそうなコブスの加入でコブス自身のプレイだけでなく、他のメンバーにどう相乗効果が及ぶか楽しみにしたい。


まずは昨季全くチームで入らなかったシュートを本来あるべき確率に戻すことが最重要であり、まさか2年連続でそうなるとは思えないが日本人選手やカークがシューティングスランプを脱出出来ないようであれば昨季のように中を固められて苦しみながら勝つことになるかもしれない。


コブスか田中が怪我した場合に片方の負担が一気に増しそうなのも心配だが、笹倉のステップアップにも期待したい。


個人的注目選手は新加入のコブス。


歴代の外国人選手の中でも随一のゲームメイク力を持っているので相性の良さそうな東京の強力なビッグマンの得点をどれだけ演出するか楽しみである。


ヨーロッパで猛威を振るっていたドライブでもどれだけ得点するか、どれだけFTをもらえるかにも注目したい。


シューティングスランプを脱出出来るかという不安要素はあってもタレントはリーグトップクラスなのと昨季バランス的に問題のあった外国人編成でもあれだけ強かったのでアンバランスさが解消された今季も川崎と並んで優勝候補筆頭格と見ている。


今季の開幕前総評は今回で終わりということで、プレシーズンや開幕を楽しみに待ちたい。


開幕後も総評で取り上げた13チームの試合をピックアップしていく方針で。