家に こもりがち
息子の病気が発覚してから、私達夫婦はあまり外出しなくなった。親が留守をすると、息子が不安がるのである。息子は仕事には出かけているが、それ以外には医者に行くのだけが単独での行動なのだ。買い物等は息子が目を悪くしているので、夫の運転で親子三人で行くのである。夫も癌患者ではあるが、息子の事が案外生きる気力をもたらしているのか、へこたれてはいない様子である。 かつて私も、闘病生活を何と17年間!もの長きに渡って過ごしていたことが有るので、病者の気持ちはよく分かる。私も常に誰かが寄り添っていてくれたらと願っていたものだったが、私の場合は息子に寄り添う親の様な存在は無くて、いつも不安な気持ちで生きていたものだった。 病を持つと、気持ちが段々萎えて不安定になるのである。 私は57歳の時に二度目の治療で、劇的に治癒したのだった。感染病なので、ウイルスが体内からいなくなればすっかり元気になって、58歳から働きにも出ている。一度目の治療は40歳の時で、新薬が出来たと喧伝されていて、入院加療を受けたが大変だった。同病で同じ治療を受けた人の中には、命を落とした人もいたし、下半身不随になって車椅子生活になった人もいたほどだった。 治療仲間の一人は精神的に苦しくなって、医師に食ってかかったりしていたが、苦しい気持ちを押さえられないのである。 現在は医療の進歩が目覚ましく、医師曰く「二週間程度の服薬で治る」なんて言われて、あの苦しさは何だったのかなと思わないでもないが。 だから、今現在病気に苦しんでいる人たちには、その内に効果的な治療方法が出来るだろうから、諦めずに頑張ってほしいとエールを送りたい。 何事も時代は変わる。私が子供の頃は、在日韓国人は肩身の狭い暮らしだったが、今ではどうだろう。若い人たちは、むしろ韓国に憧れたりする気配もあるではないか。 我が家は、夫婦共に年金暮らしなので、働きに行かなくとも暮らして行けるし、息子が仕事に出かけている間は適当に外出できるので、それほど不自由を感じはしないが、泊りがけの旅行は難しくて、時々韓国などの海外に出かけたいなあなんて思うが、実現は難しい。 専ら家の中で編み物ざんまいなので、下手くそな編み物のショールやバッグに小物など沢山溜まってしまった。あれほど好きだった読書には目が付いて行かない。 嬉しいことも有った。ブログ以外のサイトに、若い頃に書いたこれ又下手くそな小説、在日韓国人を主人公にした物語だが、を投稿したところ、共感のメッセージが寄せられたのである。 人生の残り時間は段々少なくなってきたが、心残りの無いように生きていきたいと思う毎日である。