サン・マメスの新スタジアム効果(1) | un piquillo de amarillo

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リーガ・エスパニョーラのサッカークラブ、ビジャレアルCFの歩みの記録

新サン・マメスの概要
The Stdium Guide.com「Estadio San Mames」の抄訳

アスレティック・ビルバオに新スタジアムの建設計画が持ち上がったのは2004年。2006年までには最初の契約が交わされ、2009年にはクラブがまとまった建設計画を示し、2010年後半に新サン・マメスの建設が開始された。2013年9月16日、ラ・リーガのセルタ戦で公式にオープンした。

現時点で完成しているのは客席の3/4のみである。新サン・マメスは旧サン・マメスと隣接しており、メインスタンドから見て右側は客席ではなく「壁」がある。旧サン・マメスの解体工事と並行して客席の建設工事が進められ、2014年夏には完成する。竣工の暁には54,000人を収容する予定である。

新サン・マメス(と旧サン・マメス)はビルバオ市中心部にあり、旧都心から東に約2kmの距離にある。ビルバオ市の主要な商業地区に近く、有名なグッゲンハイム美術館からは徒歩で15分の位置にある。ビルバオ市にある2つの鉄道駅から徒歩で30分とかからず、メトロでアクセスすることも可能である。ビルバオ市を走る2本のメトロ線は新サン・マメスに通じている。


サンマメス1


サンマメス2


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ヨーロッパには市街地の中心部に近いスタジアムが多いのは羨ましい。でもビルバオ市のような中規模都市の場合、陸上トラック付きのスタジアムが他所に存在するのだろうか。


新サン・マメスの名称
Wikipedia英語版は新旧スタジアムの記事名を「San Mames Studium (1913)」と「San Mames Studium (2013)」として区別し、スペイン語版も同様である。日本語版でも昨年12月頃に改名提案を出す準備をしていたが、その前に去ることになってしまったのは残念。日本でもサン・マメス・バリアという表記はやがて少なくなり、新旧スタジアムを比較する際に使用する程度になっていくと思う。

FCバルセロナの旧スタジアムであるカム・ダ・ラス・コルツ(ラス・コルツ地区のスタジアム)は所在地区名をそのまま使用した味気ない名称であり、後継スタジアムのカム・ノウ(新スタジアム、カンプ・ノウ)がカム・ノウ・ダ・ラス・コルツ(ラス・コルツ地区の新スタジアム)と呼ばれ続けずに地区名が取れたのは自然なことだと思う。

逆にアスレティックの場合は旧スタジアム名称に地区名を使用していないため、後継スタジアムのサン・マメス・バリア(新サン・マメス)がやがてただのサン・マメスになるのが自然だろう。


新サン・マメスの平均観客数
旧サン・マメスの収容人数は40,000人、2012-13シーズンの平均観客数は34,876人であり、収容率は87%である。現時点での新サン・マメスの収容人数は35,686人、2013-14シーズンの平均観客数(現時点)の平均観客数は33,665人であり、収容率は94%である。

シーズン最初のホームゲーム(8月23日のオサスナ戦)はラ・レアルの本拠地アノエタで開催して20,000人しか集めていないから、オサスナ戦を除外すれば33,665人よりも最大収容人数に近づき、今シーズンの実質的な収容率は100%だろう。

収容率が80%を超えるクラブは、アスレティックの他にはレアル・マドリード(86%)とアトレティコ・マドリード(85%)のみ。バルセロナの観客数減少が話題になっている今、スペインでも稀有なクラブ/スタジアムであることがわかる。


2014年夏に新サン・マメスが竣工して54,000人となれば、大幅な観客数増加が見込める。ビルバオの人口はわずか35万人であり、ユヴェントスのように新スタジアムが満員となるかはわからないが。

スペインでは1990年代にも2000年代にも一定数のスタジアムが新設されているが、2009年からエスパニョール、アスレティック、アトレティコ、バレンシアとビッグクラブのスタジアム新設ラッシュが続いている。バスク地域以外からの収益を期待できないアスレティックの場合、新スタジアム建設による入場料収入の増加がクラブ経営にもたらす力は大きそう。2014-15シーズンのアスレティックの成績、観客動員数には期待している。


参考サイト
新サン・マメスの収容人数 - The Stdium Guide.com
http://www.stadiumguide.com/sanmames/
平均観客数 - World Football.net