少し前になるが4月22日は、近現代の西洋哲学の形成に大きな影響を与えたイマヌエル・カントの生誕300周年だった。
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https://x.com/GermanyinJapan/status/1782328302872797576
カント哲学の「理性と人格と普遍性の原理」は、フリーメイソンの倫理思想に影響を与え、
その勢力が中心になり作り出した近現代の民主主義や、日本国憲法の原理にもなっている。
その意味でカント哲学は民主主義を理解する一つの要である。
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〔田村一郎著 『十八世紀ドイツ思想と「秘儀結社」』 多賀出版 1994 P89~P90〕より以下転載
【フリーメースンリィについてのもっとも一般的な見方を知れるのは、しばしば引き合いに出している『国際フリーメースン事典』である。ここにも「カント」の項がある。そこではカントは、「フリーメースンリィにとってもっとも重要な哲学者」とされ「個人的には組織に属していなかったとはいえ、カントの思想世界はまちがいなくどんな教養ある市民階級においてよりも、ドイツのロッジで強く生き続けている」と高く評価されている。とくに重視されているのはカントのモラル理解で、その倫理法則による自律の基礎づけは「フリーメースンリィのすべての基本思想の基本思想」とされ、カントが「もっとも深い本質からしてフリーメースンであった」ことを示しているという。(中略) その哲学の全体を通じて、「カントはいつもフリーメースンリィのイデオロギーの哲学的基礎として決定的に役立ってきた」のだと、この項は結んでいる。】
(転載終了)
このカント哲学がフリーメイソン最上層部の民主主義の密教を支える原理として利用されているのは次の要素だろう。
・道徳の形式主義(倫理そのものの中身を規定せずに、精神の働きの先天的な形式を尊重する)。
この形式主義によって、倫理の中身の強制が権力によって行われず、国民主権の下で許容される様々な自由(例えば幸福追求)などが認められる。
・普遍性の原理(人間にとって普遍的なものとは、経験的なものではなく、非経験的な先天的なものであるということ)。
民主主義の原理は、人間が生まれつき持っている非経験的な精神の働きを万人に保障する形で形成されている。例えば、誰しもが持つ欲求追求の精神の働き(何々がしたいという目的という感情、現状認識という知性、実行という意志)の尊重を万人に平等に与え、その欲求追求の適不適を判断する人格の自由を保障することなど。そのため文明や宗教を超えて支持される普遍性を持つ。
・理性をもつ人格をこの世の最高価値とする人格主義(この理性を持つ人格とは、物事の真偽や善悪を普遍的な観点から判断し、実践する主体の事)。
この人格を最高価値として尊重することで、市民の人格の自由を権力が制限することを規制し、政治活動の自由などの様々な自由権や平等権が認められる。
まさに、現代の民主主義や世界人権宣言の理論的基盤になっている哲学である。
問題は、このカント哲学を利用する形で作られている民主主義の理論が、フリーメイソン最上層部の図形・象徴哲学の密教として、民主主義操作の操作の道具にされていることだ。
上記のカント哲学の理論を図形化しているのだが、その原理が隠されているのである。
更に複雑な事に、この民主主義の原理に「カバラの生命の木」などの神秘主義のモデルが応用されているのだ。
カント哲学+神秘主義+図形哲学=フリーメイソン最上層部の民主主義の密教
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(上記図は拙著『フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理』 P178より転載)
この民主主義の密教の原理を作りだしたのは、おそらく、カント哲学の影響を受けたカントの友人・ライバルであったモーゼス・メンデルスゾーン(カバラに通じ、サバタイ派7代目の首長説有り)やアダムヴァイスハウプトらイルミナティの哲学者達であろう。
この密教の原理の謎解きは、以下の本で行っている。
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ところでカントが生まれたケーニヒスベルクは、現在ではカリーニングラードという名前のロシア領になっている。
カント生誕300周年は、ドイツでは祝われているようだが、人格の自由を危険視する今のプーチン・ロシアでは祝われるのだろうか?
・記事の関連本
非常に難解なカント哲学を漫画で分かりやすく解説してくれている以下の2冊はお勧めです。
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(記事終了)
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