昨日の国会質疑でれいわ新選組の山本太郎議員の質疑が行われた。

 

 

そこでは、この30年間の長期不況の原因が自民党の失政にあることが強調されていた。

その失政の内容は、主に消費税の増税、派遣社員の全面解禁による正社員の減少による格差社会と平均所得の減少など。

その失政のために、日本は賃金の上昇を実現できずに、30年間にわたって経済成長に失敗し、

国民生活も豊かにすることが出来なかった。

潤ったのは巨額の内部留保をえている大企業と、資産が拡大している富裕層ばかり。

この山本太郎議員の述べた事は最もである。

 

一方で、経済成長そのものは、格差社会を作り上げても実現することは十分可能である。

富の格差が拡大しても成長している事例としては、80年代以降の米国や欧州、中国、などがあげられる。

つまり、経済低迷の原因としては、消費税の増税や労働環境の不安定化などがある程度作用を及ぼしている事は

あっても、それが「十分条件」ではないという事だ。

 

それでは何が根本的な原因なのか?

 

以下の銀行貸出と名目GDPの関係のグラフを見れば、一目瞭然である。

 

 

この30年間は、銀行貸出による信用創造(銀行の貸出で生じる預金創造)が十分に行われなかった結果、名目GDPは伸びず、物価も賃金も上昇しなかったということだ。

 

この銀行貸し出しも、金融経済に使われる場合は、名目GDPに反映されない。

ただし、金融経済向け(例えば不動産取引向け融資など)を銀行貸出総額から差し引いても、グラフ上では大きな差は見られなかったので掲載していない。

 

上記のグラフを見れば現金と預金(マネーストック)は増加している。しかしその預金は、名目GDPの上昇につながることに使われていない。そのため、マネーストックとGDPの伸びは連動していない。

このマネーストックが上昇している原因は、日銀の量的緩和による国債、株、不動産の購入などの影響である。

それらの金融経済向けに信用創造された資金は、名目GDPを押し上げる効果を発揮していない。

 

ちなみに、ここ半年あまりの日本は銀行貸出が拡大している。

円安や資源価格の高騰による輸入インフレがある程度落ち着いた後でも、インフレになる可能性はある。

 

 

現在の主流派経済学の問題は、購買力の量り方としてマネーストック(現金+預金)のほうばかりに注目する一方で

新規に購買力を作り出し、その向かい先を特定させる信用創造量(銀行貸出などの銀行の資産側)の影響力を、経済成長理論やバブル生成の理論のモデルに組み込んでいないことだ。

 

この主流派経済学の信用創造タブーを批判している専門家は、リチャード・ヴェルナー氏や山口薫氏などがいる。

 

経済成長(名目GDP)を上昇させるには、実体経済において取引を増加させる部門に、信用創造量を増加させる必要がある。

その事に、この30年間の日本は失敗し続けてきた。

 

日本の長期不況の原因は、資本主義の通貨発行権を管理してきた国際銀行家の利権学問である主流派経済学の意図的な理論的欠陥がもたらしたものである。

 

自民党の政策を批判する側も「格差社会という倫理的な現象」と、「信用創造が影響する経済成長理論の現象」を分けて考える必要がある。

 

 

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