「風の時代」のお金とは何か? | 50万部ベストセラー会計士 天野敦之

風の時代というキーワードに特段思い入れは無いのだけど、時代が大きく変化しているのは事実であり、それを表象する言葉としてある程度人口に膾炙していると思うので、風の時代のお金について考えてみたいと思います。

 

これまで、お金とは何ですか?と聞かれて、会計的・経済学的な文脈では「信用」、スピリチュアル的な文脈では「エネルギー」と答えてきました。

 

なぜ信用かというと、そもそもお金の成り立ちからして、お金は価値あるものと交換できるはずという信用によって成り立っているもので、その信用が失われた瞬間にお金は紙切れになるものだし、お金を増やして期日までに返してくれるという信用があれば、お金はいくらでも調達できるので、お金=信用という定義はわかりやすい。

 

またなぜエネルギーかというと、お金は創造のエネルギーによって生み出した価値の対価として、感謝のエネルギーとして支払われるものであり、より多くの価値を生み出した人や会社が、より多くのお金を集め、そのお金によってさらに多くの価値を生み出すことができる、その一方で、お金によって人を傷つけることもできるし、お金によって人は争うし、お金によって地球環境を破壊することも人生を破滅させることもある、使う人によって創造のエネルギーにも破壊のエネルギーにもなるものなので、お金=エネルギーという定義はわかりやすい。

 

そして今起きている時代の変化。

 

地球環境を破壊しかけがえのない命の時間を犠牲にして物質的豊かさを追求してもそこに幸せは無いことに気づき、経済成長というドグマから解放され、得体の知れない他人からの評価という呪縛からも解放され、一人一人が本当の幸せを希求する時代。

 

とらわれを手放し、自然体で、軽やかに、宇宙とつながり、神性に目覚め、内なる光を輝かせて、自分の生命をかけるに値する崇高な仕事をしてお金を稼ぎ、そのお金を世の中の幸せのために使っていくという時代。

 

その時代において、お金とはどういう存在か?

 

簡単に定義づけることはできませんが、感覚として、お金は今のような重たいエネルギーではなく、もっと軽やかな存在になっていくのではないか?

 

例えるなら空気のような存在。

 

お金のために働く、お金のために争う、お金のために自分を犠牲にする、という時代は終わる。

 

そもそも人は幸せになるために生きているのであって、お金のために生きているわけではない。

 

貧困の時代には、お金と幸せは限りなく近い存在だったので、お金のために生きることが幸せにつながることもあったけど、今はもう幸せのためにお金を求める必要はなく、むしろ逆に、自分が本当に幸せに生きて、創造性を発揮して最高の仕事をしていれば、結果的にお金は十二分に稼げる。

 

一人一人が宇宙とつながり、神性に目覚め、内なる光を輝かせて、無理せず自然体で働き、悦びとともに価値を創造し、必要な人に届けることで、自然にお金も増えていく。(そのための仕組みは必要だけどね)

 

そのお金を、自分が応援したい人や会社、自分が望む未来を創り出している人や会社に投じ、そのお金が人を活かし、資源を活かして、新たな価値を創造し、世の中が豊かになっていく。

 

その豊かな営みを、お金が媒介することもあれば、もはやお金を介さない、純粋なエネルギー交換としての経済が発展し、空気のようなお金に感謝しつつも、お金に執着する必要は無くなる。

 

そんな時代になると思っています。

 

 

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