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ほんだながわり

「読んだり、観たり、行ったり」だけは、何だかやりっぱなしじゃいけないような気がしたもので…。

2024年『本屋大賞』受賞作。滋賀…というよりも、膳所という名前が何度も出てくるだけで、何となく懐かしくて読み進めてしまった。出身でもないし、特段、思い入れがあるわけではないのだけれど、記憶とは不思議なものだ。特に本編とは関係のない感想になってしまったけれど、そういう思い出を想起させる類の作品ということなのだろう。

 

20世紀初頭の南アフリカを舞台に、人間のディスコミュニケーションを描いた傑作。J.M.クッツェーが30代で発表した濃密な物語である。原題は“In the Heart of the Country”。ちなみに本作は、くぼたののぞみさんによる新訳で、旧訳タイトルは「石の女」。くぼたさんの解説と合わせて読むと、より理解が深まり、おすすめ。

 

 

子どもの頃から、太宰は響くけれど鴎外はあまりよくわからないと思っていた。年を重ねたらわかることも出てくるものだろうかと久しぶりに手にとってみたけれど、やはりまだよくわからないままだ。

 

ザハ・ハディッド案の国立競技場が立っていた世界線というのが面白い。というか、そうあるべきだったんだと今でも強く思う。…とついつい前のめりになって読んでしまった。海の向こうの“容赦ない分断”はよりひどい有り様となり、気づけばそれは遠い彼方の出来事ではなくなっていた。頭がおかしくなりそうな酷い話が主語だけを変えて右でも左でも再利用されている。