普通のノンフィクション作品とは違い、物語の中に作者の姿が出てこないので、知らずに読めば、貧しいインドの人々の生活を、少し誇張して描いたよくできた小説だと思うかもしれない。読んでみた感想としても、自分の知っているインドと比較して、これは現実だなと思うところもあれば、本当に彼らはこんなことを考えているのかと思うところもあったりして、これがインドの都市の真実だなどと納得したわけではないけれど、間違いなく、世界中でもっとも弱い立場の人たちの何人かである彼らの本音を聞くために、著者が捧げたであろう数々の犠牲と、この手の作品でたまに見られる、強すぎる思い込みみたいなものがまったく出てこない表現手法に、ただただすごいなと驚きました。
いつまでも美しく/早川書房

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