☆第1話 はじめまして《2.月美》 | あまめま*じゅんのスパンキング・ブログ                        

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第1弾 『海の中のアタシ・空の中のアイツ』
双子の海と空のハラハラ・ドキドキの物語♪
第2弾 『星と月美のいい関係』
星と家庭教師の月美&トレーニングの日々!

    愛情たっぷりのおしおき満載(*'▽')

2.月美

 

風守月美(かざもりつきみ)先生。今回の物語のもう一人の主人公だ。

 

星の父親が大学時代にお世話になった教授の娘さんで、現在大学2年生。社会勉強を兼ねて家庭教師のアルバイトをしている。人づてに聞いた話では、子供を見てもらっている保護者の間でかなり定評があるらしい。星の父親はその恩師に絶対的な信頼を寄せていて、まだ見ず知らずの娘さんに対しても「教授のお嬢さんなら間違いない。」と太鼓判を押していた。

 

まずは顔合わせということで、3日後の土曜日の午後に予定を調整した。その日が近づくにつれて星の不安は徐々に募り、マイナスのイメージばかりが膨らんでいった。

 

家庭教師って1対1で2人きりで勉強するんだよね。緊張するだろうし、何を話していいか分からないし・・・。それに嫌いな先生だったらどうしよう・・・。怖い先生でいつもガミガミ言われたら、勉強する気もなくなっちゃうよ。最初に会ったときに無理そうだったら、パパとママに言って断ってもらおう。”
 
土曜日、午前中は部活だった。約束の時間はpm2:00。朝家を出るときに母親から、
「終わったらサッサと帰って来るのよ。」
とクギを刺された。
 
部活中も“やだな。どうしよう・・・。”とずっとモヤモヤした気分で練習を続けた。pm12:30に部活は終了し、着替えて真っすぐ帰れば30分で家につくはずなのに、ダラダラ歩きながら、友達とおしゃべりしたり、遠回りして駅の方まで行ってみたり、とにかく嫌だと思ったら逃げ出すことしか考えない困った性格の持ち主だった。
 
家では両親がハラハラしながら星の帰りを待っていた。しびれを切らした父親が「探してくる。」と玄関を出ると、ちょうどそこに女の人がやって来た。お互いに「あっ!」と驚いて声を上げ、「初めまして。」とあいさつを交わした。
 
「先生すみません。まだ部活から戻らないので、ちょっと探して来ます。」
父親が言うと、
「あっ、お父さん、大丈夫です。帰って来るまで少しお話したいのですが。」
ということで、リビングに案内し、星がいないところで今後の方針についての話が始まった。
 
「この度、家庭教師のご依頼を承りました風守月美と申します。父からお父様のお話は伺っております。まだ学生の分際で頼りないとは思いますが、精一杯やらせていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。」
とても丁寧な話し方で、きちんとしたあいさつを受け、それだけで好感度はかなり高いものとなった。
 
やはり厳格な教授に育てられただけあって、礼儀作法や言葉遣いは申し分なかった。
「教授はさぞ厳しかったんでしょうね。」
と聞くと、両親からはとりわけ叱られたことも干渉されたこともなく、どちらかと言えば甘やかされて育てられたという答えが返ってきた。
 
星の両親からの要望としては、学力向上はもちろんだが、それ以外に生活面においても力を貸してほしいというものだった。
 
「息子にはやる気がまったく感じられない。ガムシャラに物事に立ち向かったり、一度決めた目標を最後までやり遂げるという強い意志を持てるようになってほしい。」
月美はうなずきながら真剣な表情で父親の話を聞いていた。
 
「私、現在3人の生徒さんを受け持っているのですが、それぞれ親御さんや本人の希望を重視して、まったく違った対応をしています。高校3年生の男の子の場合、大学進学を控えどうしても内申点を上げたいということで、週1回ですが3時間ひたすら勉強に取り組んでいます。
 
中学2年生の女の子は、勉強よりもお姉さん的な話し相手になってほしいということで、学校の宿題が終わるとあとはおやつを食べながら友達の話を聞いたり、恋愛相談にのってアドバイスをしたりと楽しい時間を過ごしています。
 
それから小学2年生の男の子も見てるんですが、その子はものすごくヤンチャで親の手には負えないということで、ビシビシとお尻を叩いて厳しい態度で接し、基本的なしつけをしている感じです。
 
星くんにはまだ会っていないので、どういったタイプのお子さんか分からないのですが、お話を聞くところによると少し厳しくさせてもらった方がいいのかなと思います。
 
ご両親の同意が得られればの話ですが、悪いことをしてしまったときや、約束を守れなかったとき、努力すべきところで手を抜いてしまったときなど、お尻を叩いて反省させるという手段をとらせていただいても大丈夫でしょうか?体罰的なことと判断されて、そういう対応はやめてほしいというのであれば他の方法を考えますが、星くんには『おしおき作戦』が効果的な気がします。」
 
父親も母親も今まで星に手をあげたことはなかった。頭をぶったり、顔をはたいたり、もちろんお尻を叩くといった行為は一度も経験したことがない。星が特別悪いことをするような子ではなかったという理由もあるが、そうすることに勇気が出なかったのも事実だ。
 
虐待じみた体罰にはYESとは言わないが、しつけとしての『おしおき』なら大いに賛成だった。
 
自分たちでは今さら、中学生になった息子のお尻を叩くなんて気恥ずかしくてできないが、家庭教師の先生がその役を買って出てくれるというのであれば、ぜひお願いしたいと頭を下げた。
 
「先生はご両親から、おしおき的なことはされていたんですか?」
母親が遠慮がちに尋ねた。
 
「いえ、父も母もそういうことは一切しませんでした。自分で言うのも恥ずかしいのですが、私小さいころから全然手がかからない子供でした。星くんと同じように競争心というものがまったくなくて、これでは受験戦争に打ち勝つことができないということで、スパルタ指導をしている学習塾に通うことになったんです。
 
そこの講師の先生に毎日のようにお尻を叩かれて、それで気持ちの持ちようが180度変わりました。家で甘やかされて育てられた分、外の世界で厳しくされてようやく目が覚め、自分自身を奮い立たせることができるようになったんです。」
 
月美の話を聞いた父親は、
「先生、ぜひ星のことも鍛え直してやってください。」
若くて優しい表情の、厳しさなんて微塵も感じさせない月美に思いを託した。
 
 
そんな話をしている最中、玄関のドアが開いて星が帰って来た。時計はpm2:40。大幅に遅刻したにも関わらずリビングには顔を出さずに、そのままスタスタと2階の自分の部屋に上がろうとしたところを父親が呼び止めた。
「星っ!」
 
星はドキッとして、恐る恐るリビングのドアを開けた。
「星、どこで何してた?約束の時間はとっくに過ぎてるぞ。」
強めの口調で言うと、星は
「ごめんなさい。」
と体を小さく丸め、か細い声で謝った。
 
「星くん、初めまして。風守月美といいます。今、お父さんお母さんとお話をして、家庭教師をやらせてもらうことになったので、これからどうぞよろしくお願いします。」
月美がニコッと微笑むと、
「えっ、あっ、はい・・・」
星は月美の顔をろくに見もせずに、しどろもどろになって返事をした。
 
「今日は少しお部屋の方でお話したいのですが、大丈夫ですか?」
両親に向かって尋ね了承を得ると、月美は星のあとについて部屋に向かった。星は心臓がバクバクするのを何とか抑えようと大きく深呼吸をしてみたが、部屋のドアノブに手がかかるとその拍動は一層激しくなった。
 
 
つづく
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