☆第1話 はじめまして《1.星》 | あまめま*じゅんのスパンキング・ブログ                        

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第1弾 『海の中のアタシ・空の中のアイツ』
双子の海と空のハラハラ・ドキドキの物語♪
第2弾 『星と月美のいい関係』
星と家庭教師の月美&トレーニングの日々!

    愛情たっぷりのおしおき満載(*'▽')

1.星

 
あまめま市、舞台は前回と同じく『あおいろ中学校』。
 
中学1年生の5月、中間テストが終わり、その翌日から採点された答案用紙が返却された。数日かけてすべての教科が手元に戻ってきたが、果たしてこの結果が『良い』なのか『悪い』なのか、自分では判断することができなかった。平均点というものを基準に考えてみると、それに達している教科よりも達していない教科の方がはるかに多いというのが現実だった。
 
中学生になって初めてのテストということで、勉強の仕方もよく分からず、本人的には“まあこんなものかな”ぐらいにしか考えていなかった。数日後、個人のテスト結果をまとめた報告書を渡され、保護者のコメントとサインをもらって再提出するように言われた。そこには、各教科の点数、平均点、分布などが記載されていて、今回のテストの現状が一目瞭然に分かるようになっていた。これだけ出来が悪いと、普通は親に見せるのを躊躇するのだろうが、彼の場合は「ママ、テスト結果。」と言って、平然と報告書を母親に手渡した。
 
小学生のころから『100点満点で花マル』なんて、一度たりとも経験したことがなかった。100点を取って喜んでいるクラスメイトをうらやましく思ったこともないし、それに向かって努力するという概念も毛頭なかった。
 
中学生になって約2か月。小学校のころと比べると環境もガラリと変わり、その生活習慣に少しずつ馴染んできた時期である。あおいろ中学では2つの小学校が合わさっているので、友達の顔ぶれも変わったし、先生たちは皆、小学校の先生よりも厳しく感じる。常に注意喚起しようと見張られているようで、緊張感が半端ない。
 
何よりも大きな違いは、部活があることだ。親からは「勉強と両立できるのなら。」という条件つきで、運動量が多くかなりハードと噂されているサッカー部に入ることを許可された。将来サッカー選手になりたいとか、Jリーガーの誰々に憧れてといった情熱的な理由などあるはずもなく、“ただ何となく友達と一緒に”という軽い気持ちで入部を決めた。その軽率さが災いしてか、入部1週間で嫌気がさし、早くも退部届を顧問に提出した。
 
やめた一番の理由は、先輩たちが怖かったこと。そしてもう一つ。ボールを蹴りながら走るいわゆるドリブルというものが、どうしてもできなかったこと。新たにスポーツを始めた場合に誰もがぶち当たる壁なのだろうが、そこを耐え忍んで練習を積み重ね、習得していこうという意志は持ち合わせていなかった。
 
はっきり言ってしまえば、『情けないヤツ・・・』
 
小学校からサッカーチームに入っている子も多く、出だしから遅れをとっていて同じスタートラインに立てないというのは、技術的にも精神的にも大きなハンデがあったようだ。あとに残ったのは、入部する際に個人で用意するように言われたサッカー用のスパイクだった。母親からは怒られるというよりも呆れられ、それほど文句は言われなかったものの、「やめたい。」と伝えた日の夜ごはんは、いつもよりおかずが2品ぐらい少なかった気がする。
 
あおいろ中学では必ず部活動に入らなければならない。2、3年生になると帰宅部の生徒も増えてくるが、それでもどこかの部には所属している状態で、1年生のうちは必須だった。興味のあるものに関してはコツコツと取り組み、その世界に入り込んでしまうという面を持っていて、その対象を考えると文化部という選択肢もあったのだが、内向的な性格を少しでも改善できたらという両親の意向で、運動部に入ることを強く勧められた。
 
サッカーが散々だったのでスポーツ全般が苦手のようだが、小さいころから走るのは好きだった。決して足が速い訳ではなかったが、消去法で考えた結果、次なるステージは陸上部に決定した。他の1年生からは10日ほど遅い始動となったが、ここでは何ら支障をきたすことはなかった。入部の決め手となった重大な要素として、陸上部の先輩はサッカー部の先輩よりも優しかった。陸上部2年生にはみなさんご存知の『蓮ケ谷空』が在籍している。面倒見がよく後輩に慕われていたというから、新入部員も居心地がよかったに違いない。
 
こんな感じの男の子が今回の主人公、一ノ瀬星(いちのせほし)。中学1年生、13才。
 
ここまで読んでいただいて何となくイメージが湧いたかもしれませんが、マイペースでおとなしく、あまり自己主張が強くないタイプ。人見知りも激しく、初めての場所や初対面の人に対してなかなか打ち解けることができない。見た目も小柄で、あどけなさが残り、小学3、4年生といっても通用しそうな雰囲気をかもし出している。
 
ケンカや暴力、言い争いが苦手で、いざそういう場面に出くわすと、女の子のうしろに隠れて難が過ぎ去るのをジッと待ち、それをまわりの誰もがあたりまえのように思っていた。幼いころから小学校卒業までずっと、男の子と戦いごっこをしたり外で飛び回って遊ぶよりも、女の子の輪に入りペチャクチャとおしゃべりを楽しむことが多かった。
 
そんな星のことを両親は心配でたまらなかった。父親は「いつかきっと男らしくなってくるだろう。」と楽観的に構えていたが、それでも休みの日には自分の体を休めることよりも、星と一緒にアスレチックで走り回ったり、日帰り登山で自然と触れ合ったり、釣り船に乗り込んで海釣りを体験させたりと、できるだけ外に連れ出すようにしていた。母親は「自分の育て方が悪かったのかしら・・・。」と悩みつつ、小学1年生になる妹のお世話に忙しく、その上パートの仕事もしていたので、星との関わりは決して充分といえるものではなかった。
 
そんな一ノ瀬家の長男、星をめぐって、両親は様々な思いを抱きつつ幾度となく話し合いを重ねてきた。
『親はどうしても我が子を甘やかしてしまう。中学生になったら、環境を変えてみよう!』
 
今回の中間テストの結果を踏まえ、星に家庭教師をつけることを提案した。成績アップを前提に、本人には内緒にしておくが、生活面全般においても意識改革を目指してアドバイスしてくれるような先生を望んだ。
 
星としては人に勉強を教わるよりも、自分でコツコツと進めていく方が肌に合っていたので、あまり乗り気ではなかった。しかし、テストの結果を目の前に突きつけられ、学年順位150人中、下から数えて20番以内という現実を指摘されると決して反論できる立場ではなかった。
 
「家庭教師に抵抗があるなら塾にするか?」
と言われたが、集団で勉強を教わるのは学校の延長のようで気が休まらず、それに対してははっきり「嫌だ」と断った。あの手この手を使って説得したところ、ようやく星から「うん。」という返事を聞き出すと、父親は星の気が変わらないうちに早速1人の人物の名前をあげた。
 
 
つづく
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