『盗馬族』リバイバル上映[1]☆手掘り字幕の時代 | The sounds☆まいにち知ります・学びます

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#東京フィルメックス2018

1987年中国映画祭で上映された『盗馬族』がデジタルマスター版で上映されることになりました。

31年前の仕事が日の目を見ることになりました。

過去の翻訳者が私であることを

私が死ぬまで恩を忘れることない星三千代先生のサラブレッド星泉さんのご紹介してくださいました。
泉さん、いいひとだなぁ。
(どろどろした研究者の社会の中でこれだけピュアでいられるのは、彼女の強い芯があるからなのでしょう。
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当時の台本やビデオなどの資料がないかという問い合わせ、
押入れから出てきたビデオとプログラム。
早速送りました。
翻訳現場の当時の様子を思い出してきました。

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中国語担当の刈間文俊先生とコンピで「堀り」の現場へ。
★鏡文字でフィルムに掘り込む・ぶっつけ本番

★中国語台本があるとはいえ、ほとんど同時通訳状態

掘りこんでいる間フィルムが止まっているけれど。

★「読める字数」…つまり流れている間のスピードに合わせて本来の翻訳よりも短くしなくてはならないこともある。
★宗教用語の難しい漢字は回避する

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「クンチョク・サンボータ」

中国語台本は「み仏の救済を」と全部同じ言葉が入っていましたが、

それは間違いではないのですが、使い方が場面で違うので、意訳!!

「三宝に誓って」(絶対にね)

「きちんとな」(間違いなくやれよ)

「南無さん」(今だったら「ヤバい」と訳していたかもしれません)

これは、お隣のイスラムの人たちが「神」に対するなにかの言葉を使っているときと同じです。

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因みに値切り交渉すると

「チョーリンポ」お釈迦様、「クンチョクスム」三宝

ムスリムの人だと…

「神様が限界だと言っている」「神様に誓ってこれは最終価格」

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おばあちゃんが自分の寿命についてしゃべっていたシーンはまるっきり意訳しました。

「私はもうすぐ生まれ変わるよ」

難しいことばを抜いて意訳しても宗教の背景がわかる訳にしたかった。

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あと、主人公の名前も「中国映画祭」だったので、

チベット語方言と中国語の中間にして、中国語がわかる日本人に違和感がないようにしました。

今回のリバイバルはチベット語に戻していただくことになりました。

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手掘りなんで「ドルマ」という奥さんの名前が「トルマ」…掘りそびれもあったんですね。

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自分が子供の頃のホームビデオ、見たことある?

ホームビデオで撮った翻訳・・・見ていなかったけれど。

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