夕べの夢ですが、実際にあったことがそのまま夢で出てきました。
中学校勤務の頃、香港のロックを聴かせました。
尾崎豊が好きな子が多いクラスでしたので、私自身が好きなBeyond『長城』…猿岩石の旅で日本人も知っていたから。
当時は、ネットが大して普及していなかったので、テレビ番組を視ている中学生は多かったから、やはり知っていました。
(このネタは大学の授業で発展させた教材になりました)
香港から帰国した男子のひとりが、「香港にいたことがあるだよ、オレ。今日、すごく嬉しかった」って。
その後、その子と香港ポップスの話しをしたりしていました。
その子、ヤサグレていたのでした。問題がある子の子分みたいになっていたし…。
夢で見たのは、その次のエピソードでした。
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アメリカから帰国した女子。吹奏楽部で打楽器のリーダー。
とてもしっかりしていて、かわいくて、やさしい。土曜日曜の部活でウチ息子を子連れで指導に行ったときも面倒をみてくれました。
保育士になりたかった(現実なったようです)
帰国者でなくても…密かに男子の人気者だった彼女…。
廊下で私と話していた香港帰国の男子が通りかかる彼女をチラッと見て
「いいなぁ~、アメリカ帰りってかっこいいよなぁ…オレって香港だからいじめられたんだけど」
…ああ…そういうことだったのね。
アジアからだと差別・いじめの対象になり、アメリカ・ヨーロッパだと憧れの存在になってしまうんだ!!
夢でみたのは、この瞬間でした。
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この男子は、近隣の高校に入学しラグビー部で活躍しました。
(不良仲間は就職や高校中退)
大学も中国語学科に入ったようです。
その後の消息は今わかりませんが、来年の6月、当時の同僚と会う予定がありますので、
その時に訊いてみたいと思います。
すでに30代なのでいいお父さんになっているだろうな…子どもを香港に連れて行っただろうな。
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時代が変わって…「帰国者」「日本人」の定義がその当時のものとは違ってきました。
★「中国帰国者」という子たちは、残留孤児3世なので、ほとんど中国人です。
血のことをいうと、私が知っているケースのほとんどが祖父母のいずれかもしくは両方が日本人とのハーフで、
さらにいうと少数民族のルーツを持つ子たちもいます。
★親が帰化して、一旦母国に帰り、ですが日本人。日本国籍
★日本で生まれ、片方の親が日本人で日本国籍になっているけれど、
まったく日本を知らずに育った。二重国籍ではなくて。
★国籍的に両親とも日本であっても本来の母国やそれ以外の地域で暮らし育った。
現地語もしくは親の母語しか知らない。
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事務的な扱いは公の専門家にお任せするにしても、
書類上、○○国籍、あるいは○○人であっても、ひとりひとり違う対応をしていきたいと。
日本を知らずに育った子の意識が育った国・地域にあれば、その子はその国の子と考えていたい。
100%日本人であっても。日本よりもふるさとならば。
日本を知らずに育った子の意識が日本をあまり知らなくても、日本が心にあれば日本の子と考えたい。
100%外国ルーツであっても。ふるさとよりも日本ならば。
よく考えれば…私自身も帰るところは日本なはずなのに…チベットに帰りたいとかインドに帰りたいとか思うことがあります。
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アメリカなどの多民族国家であっても差別偏見があります。
あれだけ多様であっても。
飛鳥・奈良から大陸や半島や島から来た人々が溶け込んでいった日本です。
渡来人の子孫は日本人になりきっています。
強制的に日本と同化することを行われていたのではないはずです。
もちろん、渡来人の多くは技術を持った専門家だったから日本人にも尊敬されていたのでしょう。
ああ…これって、アメリカから来た人たちはかつて何かのプロだったりするし、国際語を話す人たちだったからかしら。
そして、遣隋使・遣唐使のような留学帰国者ははるかに高い地位の人々や高僧でした。
近年のアメリカ帰りに近かったのでしょう。
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20年以上も前のことを夢でみたら、当時深く考えていなかった日本における多文化共生を思いめぐらせることになりました。
香港帰国の生徒のおかあさまから大学合格当時、お葉書をいただいたことを思い出しました。
探してみよう…。捨てていないはずですから。