聖都アルカディア 中央広場
「今日はみんなにお伽噺をします」
パチパチパチパチ
昔々 賢者の石と呼ばれる全知全能の叡智を記した書物がありました
この秘密を知る者は億万長者になれるのです
ある日 貧しいけど敬虔なメシア教徒の青年が夢を見ました
「お前にこのタブレットを授けよう 学べ 然らば富が引き寄せられよう」
ふと 目が覚めると枕元に夢に出てきた書物がありました
それはエメラルドに輝く数枚の書物です
青年は必死にその本を読みました
行き詰ると夢の中で教えてくれるのです
そして青年は仕事に成功し億万長者になりました
正直者で優しい青年はその書物をみんなに広めました
多くの人達がお金持ちになって幸せになって欲しいと
しかしその書物の内容に枢機院は危惧し青年を追放しました
「魂の体験を遠ざける」
それでも青年はあきらめませんでした
皆が判らなければ本の解説書を何冊も書きました
しかし大金持ちになれた人はほんの一握りでした
時が過ぎ その青年は神に召されました
青年の意思を受けそのタブレットは長く読み継がれましたが
ほとんどの人が億万長者にはなれませんでした
おしまい
オチは～？
「ポイントはメンターが教えた事と本を読んだだけの人よ」
読むだけじゃダメなの？
「お金持ちになろうと次から次へと本を読み漁り思考の迷路に入るの」
なんかこわ～い！
「夢と同じで青年から直接学んだ人達は上手くいったけど理由がわかる？」
うーん・・・あー！ 初めに言ありきだね
「そう 聖なる秘密は本からじゃなくて王の口から言を耳にするのよ」
やっとわかった
「みんなもユダ様の聖句をよく聴いて言葉の力を高めましょうね」
はーい
迦恵莉の祝福があがった！
つづく