デ・キリコ展@東京都美術館 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 POPでシュールで不思議の世界。好みではないからこそ、どっぷり浸かってみようと美術館へ。デ・キリコは形而上(けいじじょう)絵画の発明者を名乗っていますが、形而上の専門職人ではなく、生涯にわたって様ざまなスタイルの作品に取り組んだカメレオン画家。それゆえか、画風が変わる度にバッシングを受けたりもしたそうですが、どんなスタイルでもしっかり自分のカラーを押し出せるのがツボ。

 

 デッサン会なんかに参加すると、自分のあまりのバランス感覚のなさにへきえきしてしまうのですが、デ・キリコはバランスが崩れまくりの画風で、無秩序にいろんなグッズが並んでいたりするのに、滅茶苦茶とか出鱈目にならないのがプロたるゆえんですね。そういえば、音楽やダンスでも、粋に崩すにはかなりの技術とセンスが必要なんでした! プリクラのように顔の一部のパーツを誇大化したり、Photoshopのように現在の素材(コスプレしたデ・キリコ自身とか)を古典絵画的にリメイクしたり、のんびり・ゆったり・思いのままに好きなように作品を書いているのが小気味よい作家でした。

 

 後期になると、顔の代わりにマネキンの頭部を用い始めるので、どことなくバービーランド。上半身はマッチョに、下半身は小さく描くことで威厳感を醸し出したり(ちょっとフクロウっぽいw)、オリンピックのフェンシングあたりの試合中の選手っぽく見えたり、とにかく、部屋を巡りながら「まだ変化するの!?」の驚きの連続! 部屋の中に小舟を浮かべたプールとか、壁紙にビスケットはりつけとか、発想が謎過ぎます。そして、前衛→古典回帰→先祖帰りして再び前衛へ。ピアノで昔、手掛けた曲を10年後に改めて取り組んでみると、同じ曲なのにテクニックが違っていたり、表現したいことが変わっていたりして面白いんですが、絵画の世界でも「今の私だったら!」の再挑戦が楽しいんでしょうね!(あ、パソコンのデータが飛んでしまってやり直すのは嫌いです💦)

 

デ・キリコ展

【展示構成】
SECTION1:自画像・肖像
SECTION2:形而上絵画
 形而上絵画以前
 2-1 イタリア広場
 2-2 形而上的空間
 2-3 マヌカン
SECTION3:1920年代の展開

SECTION4:伝統的な絵画への回帰~「秩序への回帰」から「ネオ・バロック」へ

SECTION5 新形而上絵画
 TOPIC1 挿絵~〈神秘的な水浴〉
 TOPIC2 彫刻
 TOPIC3 舞台美術

【会期】    
2024年4月27日[土]~8月29日[木]

【休室日】    
月曜日、5月7日[火]、7月9日[火]~16日[火]
※ただし、4月29日[月・祝]、5月6日[月・休]、7月8日[月]、8月12日[月・休]は開室

【開室時間】
9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)

【会場】
東京都美術館

【主催】
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、朝日新聞社

【後援】
イタリア大使館、J-WAVE

【特別協賛】
大和証券グループ

【協賛】
ダイキン工業、大和ハウス工業、竹中工務店、NISSHA

【協力】
ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団、メタモルフォジ財団、イタリア文化会館、日本航空、日本貨物航空、ルフトハンザ カーゴ AG、ITAエアウェイズ

【観覧料金】
一般    2,200円(2,000円)
大学生・専門学校生:65歳以上,300円(1,100円)
65歳以上:1,500円(1,300円)
※( )内は前売料金。2024年3月14日(木) 10:00 ~ 4月26日(金) 23:59までの販売。

土曜・日曜・祝日及び8月20日(火)以降は日時指定予約制(当日空きがあれば入場可)
※8月16日(金)までの平日は日時指定予約は不要です

【巡回】
2024年9月14日[土]~12月8日[日] 神戸市立博物館

 

【公式サイト】