歌舞音曲鑑 北斎と楽しむ江戸の芸能@すみだ北斎美術館 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 2016年に開館したすみだ北斎美術館。今回、初めて訪れました。もの凄くインバウンドを意識している印象で、常設展では多国籍翻訳のタッチパネルが多数設置され、企画展は写真撮影はNGながら翻訳アプリはOK。北斎というと「富士山」や「波」を描いているイメージが強いけれど、今回は「江戸の芸能」をモチーフとした作品たちということで、シアターゴーアーには興味津々な作品ばかり。「北斎も芝居が好きだった!」ということで、急に親近感を覚えました。仲良くなれそう。

 

 一幕目は江戸時代の劇場の紹介でスタート。ブロードウェイやウェストエンドほどではないけれど、今の日比谷程度には劇場が密集していたようです。そして、劇場エントランス回りを描いた作品は細かく解説がついているのですが、このあたり、今の歌舞伎座前にソックリ。歌舞伎座って過去と現在を繋ぐ劇場なのを再認識。また、遠近法なんて無視していることがほとんどの時代なのに、オーディトリアムを描いた作品(チラシのメイン画像のやつ)は急に遠近法が登場。歌舞伎劇場なんだけれど、プロセニアムがなくて、舞台を横から眺める席もあったりするし、舞台装置はほとんどないし、シェイクスピア劇場みたい。

 

 

舞台を眺める作品だけでなく、舞台から客席を眺める作品もあったりして、このあたりは、舞台袖からのショットを掲載している宝塚グラフみたいだなぁと。役者絵については「みんな同じ顔」だったものに似顔絵を導入したはしりだったそうです。

 

 

 二幕目は公演案内。一枚の紙を六分割し、半分は舞台写真、もとい、舞台を描いたもの、残り半分は演目の紹介。用途としては今のチラシだけど、むしろパンフレットに近いのかもしれません。

 

 

 

 その他、小道具デザインあり、台本(舞台画像あり)ありと、バックステージ好きにはたまらないものが満載。舞台は基本素人がプロの踊りを観る場だけれど「悪玉踊り」ではコリオメモが結構丁寧で、これをパラパラ漫画のようにした映像も流してました。昔は芸能雑誌の付録にアイドルの踊りのコリオメモが付録でついていた記憶がありますが、今はyoutubeなどで振り移しができるからか、この手のコリオメモってとんと見なくなりました(あ、エアロのインストラクターは今も手書きのコリオメモを持ち歩いている人がいますが、あちらはステップ名しか入ってない!)。美術館の中なので一緒に踊っている人は見かけませんでしたが、学芸員さんがエアロのインストラクターやディズニーのキャストのように「一緒に踊ろう」というイベントやってくれたら最高なんですけど!!!

 

 

 そして、北斎漫画の復刻版が多数用意されていて立ち読みコーナーが用意されていました。マンガというネーミングですが、むしろ本屋の美術書コーナーで良くみかけるボーズカタログに近いものを感じました。

 

 

歌舞音曲鑑(かぶおんきょくかがみ) 北斎と楽しむ江戸の芸能

【展示構成】

一幕目:北斎が役者絵を描いていた頃

 第一場:江戸の芝居町

 第二場:勝川派と春朗期の役者絵

二幕目:北斎と江戸の芸能

 第一場:披露会摺物の世界

 第二場:浄瑠璃人気と『絵本浄瑠璃絶句』の世界
三幕目:踊りさまざま

 第一場:見て楽しむ 踊りあれこれ

 第二場:踊って楽しむ 独学のススメ
大切:北斎と芝居


【会期】
2024年3月19日(火)~5月26日(日)
※前後期で一部展示替えを実施
前期:3月19日(火)~4月21日(日)
後期:4月23日(火)~5月26日(日)

【開館時間】
9:30~17:30(入館は17:00まで)

【休館日】
毎週月曜日
※開館:4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)
 休館:4月30日(火)、5月7日(火)

【会場】
すみだ北斎美術館 3階企画展示室

【主催】
墨田区・すみだ北斎美術館

【観覧料】
一般 1,000円
高校生・大学生 700円
65歳以上 700円
中学生 300円
障がい者 300円
小学生以下 無料

【公式サイト】
https://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/exhibitions/view/3728