新国立劇場バレエ団『アラジン』(福岡✕小野)オペラパレス | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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  新国のバレエ作品の中でも指折りで大好きなのが『アラジン』。素人にもわかりやすいし、音楽も振り付けもキャッチー、衣装も豪華。私だけでなくこの作品のファンが多いみたいで、再演だし平日公演なのに空席わずか。

 

 席に座った途端に客電が落ちる滑り込みで開演。優雅な作品だとホッとして睡魔に襲われてしまうシチュエーションですが、ジョージ・ルーカスの映画のように、畳み掛けるように展開される冒険物語。あっという間に血圧上昇!

 

 新国バレエ団✕ビントレー(芸術監督を退いて早くも10年!)は、今なお蜜月関係が続いていて、上演作品こそ年に一つあるかないかですが、今日もビントレーさんがいらしていて、このあたり「再演演出」は別人になるのが当たり前なオペラと違って恵まれてます。

 

 本日の主役はビントレーによって花開いたダンサーたちなので安定感半端なし。正直、少年、少女を演じるにはトウが立ってる?見納め?と心配していたんですが、なんのなんの。むしろ、表現巧者だからこそ散りばめられたなりきりテクニックに釘付けでした。誰よりもキレッキレであろうとする動き、力を抜くことなく決して流さない踊り、そして何度も踊ってるのに「これが初めて!」な初々しい表情。そんな二人が舞台上でラブラブ✕イチャイチャ。古典作品だと形式美によるラブラブですが、もうね、とことんやっちゃってくださいと客席一同さじを投げたのでした!

 

 隠れミッキーならぬ 隠れ主役級CASTも多くて「気づけよ!」な存在感アピールのオンパレード。展開が早く、いろんなダンサーの見せ場が多い作品の場合、時にダンサーの位取りが追いつかないこともありますが、今日ばかりは役不足だらけ。「すごいっ!誰?→あー、この人なら納得」な場面が何度あったことか! 主役経験者って、存在感を闇雲にアピールするんじゃなくて「私はこれで魅せます!」が確立しているから、ホント舞台が豊かになります。

 

 アラビア〜ンナイトなハズの『アラジン』ですが、クライマックスの音楽や群舞は横浜中華街の旧正月。でも、エンタメに特化した作品なので、楽しさが全てをエニシング・ゴーズ!!! 1幕後の休憩では「(上演時間の)半分が終わっちゃった」と早くも寂しくなり、2幕後の休憩では連休最終日の気分に。困ったもんです。