ドギョム:アーサー王への軌跡~韓国ミュージカル『エクスカリバー』 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

てるみん ~エンターテインメントな日々~

• ミュージアム& アトラクション
• アート& カルチャー
• 音楽
• 映画
……などについて書いてます

 

 

 7月に宝塚で日本初演されたミュージカル『エクスカリバー』の韓国再演版プロダクション。主人公のアーサー役を務めたSEVENTEENのメンバー ドギョムにスポットを当てたドキュメンタリー。発声トレーニングや役作り、OST収録現場、バックステージの様子、公演ハイライトなど、2021年公演の本編映像に加え、それに至る道程が収められています。前半は「ミュージカル初めてです」「先輩たちにいろいろ教わってます」とか、「ミュージカルってすごい」とか発言がいちいち初々しくて、何だか宝塚の新人公演特集を見ているみたい。後半は舞台ハイライトが中心になってくるのですが、これが見ごたえたっぷり。「アイドルがミュージカルに挑戦ですか」位に思っていたドギョムがミュージカル俳優として覚醒していくサマが見どころ。また、韓国のミュージカル界の稽古場環境や、人間関係も見て取れるのも貴重な機会。

 

 韓国のミュージカルというと真っ先に思い浮かぶのが声の強さ。日本のミュージカル俳優が時にメロディを支えきれないことが多々ある中、主役から脇役まで圧巻の声量とフレーズの大きさ。テノールは張りがあり、バリトンは重厚っていうだけで嬉しい。内蔵も発声も日本人と全く異なります。ブロードウェイというより、すっかり「韓国人?」なワイルドホーン作曲の作品ですが、それぞれのキャストがしっかり自分の音楽として雄大なメロディを消化しているのが素晴らしい。正直、装置や衣装はお金がかかってないし、ダンスや殺陣だって素人目にも見劣りするのですが、これってある意味、日本のミュージカルがいかにダンス中心に動いているかが見て取れます。でも、歌えて、歌えて、歌えるんだから全てが帳消し。ミュージカルたるもの、まずは音楽! 押しの一手なので日本のミュージカルを見慣れていると戸惑うけれど実にパワフルな上演です。

 

 ハイライト版でも十分楽しかったけれど、どうせならノーカット版、ひいては来日公演希望!!(一時期、韓国ミュージカルの来日公演は毎年あったし、韓国ミュージカル上演の常設劇場もあったのにね)。

 

ドギョム アーサー王への軌跡 韓国ミュージカル「エクスカリバー」

原題:엑스칼리버 더 뮤지컬 다큐멘터리 : 도겸의 찬란한 여정
2022年製作/95分/G/韓国
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
劇場公開日:2023年1月20日

https://liveviewing.jp/dk-xcalibur/

 

【スタッフ】

監督:クォン・ウンア

 

【キャスト】

アーサー:ドギョム(芹香斗亜)
ランスロット:カン・テウル(桜木みなと)
モルガナ:シン・ヨンスク(真白悠希)
マーリン:ミン・ヨンギ(若翔りつ)
グィネヴィア:チェ・ソヨン(春乃さくら)
 ( )は宝塚版日本初演キャスト

 

 

↑入場記念ステッカー↑

 

 

↑韓国上演時のチラシ↑

 

 

 

ナウオンステージとセットで見るとより作品が理解できそう。