【ART】和宮 江戸へ ―ふれた品物 みた世界—@江戸東京博物館 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 江戸東京博物館の常設展エリアの半分以上が江戸についての展示なので常設展示と合わせて江戸時代をたっぷり楽しめます。常設展示だけで「江戸城と町割り」「街の暮らし」「出版と情報」「江戸の商業」「江戸と結ぶ村と島」「江戸の四季と盛り場」「文化都市江戸」「江戸の美」「芝居と遊里」と実に盛沢山。この合間に差し込まれるのが特別展示室で開催されている特別展が『和宮 江戸へ ―ふれた品物 みた世界—』です。「江戸東京博物館」なので、江戸ゾーンだけでなく、東京ゾーンがさらに続くので、訪問予定がある方はタップリ時間を用意しておいた方が良さそうです。

 

 3代徳川家光の正室孝子以降、将軍や将軍世子の正室は、宮家・摂家などから迎えるのが習わしだった江戸時代。仁孝天皇の皇女で孝明天皇の皇妹和宮は、14代家茂の正室として、幕府と朝廷の橋渡しのため、将軍でに嫁ぎます。当時だとこれは都落ち。それも、有栖川宮熾仁親王と婚約していたのを取り消されての結婚とあっては面白くないことでしょう。和宮は「お国のためですから、嫁ぐのは仕方ありませんが、江戸に行っても生活習慣を変えるのは嫌です」と、なかなかタカピー。武家風の生活習慣と御所風生活習慣の調和を目指します。実際に和宮が使用した調度品をはじめ、孝明天皇から和宮が拝領した銀製品、和宮直筆の和歌や消息などが展示されています。ドロドロな展開を期待するドラマティックなプロローグですが、いざ嫁いでみたら、家光が優しくてあっけなくラブラブな関係に。幸せになれたのであれば良かった、良かった。何だかラブコメ映画のあらすじみたい。

 

 常設展は特定の個人をクローズアップというわけではないので、鑑賞者は自分が江戸時代にタイムスリップしたような気分に浸れるのに対し、特別展では、タイムスリップしたとしても接点がないであろう大奥の生活がリアルに迫ってくるのが魅力的でした。アントワネットはフランスの国家予算を傾けてしまう位、贅沢三昧で、自信の趣味や好みを満喫していましたが、和宮は与えられたもので生きていたのかな。可愛いとか様式美とは無縁で、結構ものものしい品物ばかりな印象。でも、ひとつひとつがとても高級感たっぷり。このあたり、武家だなぁ(独断と偏見)。

 

【展示構成】
プロローグ
第1章 決意の下向
第2章 背の君 徳川家茂
第3章 調えられた品々
エピローグ

【会期】
2021年1月2日(土)~2月23日(火・祝)
*2月1日(月)は展示替え予定日

【会場】
東京都江戸東京博物館 常設展示室内 5F企画展示室

【開館時間】
午前9時30分~午後5時30分
※入館は閉館の30分前まで

【休館日】
1月12日(火)・25日(月)、2月1日(月)・8日(月)・15日(月)・22日(月)

【主催】
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、公益財団法人德川記念財団

【観覧料】
一般:600円