【観劇日記】TEAMかわのじ『有頂天な女』@ワニズホール | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 チケットもぎりのお兄さんも、客席案内のお姉さんも、さっきまでゲスト・コントロールしてたのに、芝居が始まると音響室へ。と思いきや、時々部屋から出てきて芝居に参加。そして、出番が終わると再び裏方に戻るという、非常に忙しい劇団でした。おまけに、主役以外は複数の役の掛け持ちなので忙しいこと、忙しいこと。音響室といっても客席の一角を布で仕切っただけの簡易的なものなのに、物音立てずに早変わりを行っているのは偉い!

 

 『有頂天●●』というと、アステア&ロジャースの『有頂天時代』、もしくは、渡辺えり&キムラ緑子の"有頂天シリーズ"(2020年3月に新橋演舞場で『有頂天作家』を上演予定)を思い浮かべます。「有頂天=喜びで気分が舞い上がっていること」のイメージですが、今回は「有頂天=あることに熱中し他を顧みないこと」の意味合いが強い作品でした。

 

 主演の佐藤美佐子ちゃんに誘われての観劇でしたが、まさかのネズミ色スエットの上下。稽古着以下のみすぼらしさ。「ああ、小劇場・・・」とまずはカルチャーショック。小学校時代から40代までをスエットの着た切り雀で演じきってましたが、「女優なんだから、予算がなかったら、自腹でもも少しマシな衣装を着るべきでしょ!!」とダメ出しを準備していたのですが、途中から殺人の容疑で取り調べ中という設定の劇中劇なのが見えてきて、まんまと騙されました。

 

 既に千秋楽を迎えるのでネタバレしてしまうと、真面目で人に頼ることができない不器用な女性が、老いて呆けた母親を殺した理由を掘り下げていくストーリー。他人事じゃない年代なので観ていて心がザワザワしました。70分という小品ながら、こんなしんどい役を一日三回公演をやってのける美佐子ちゃんに感服(そして同情)。しんどいです、重いです。

  

【スタッフ】

作・演出:知江崎ハルカ

 

【キャスト】

女(1):佐藤美佐子
女(2):瀧澤千恵

女(3):大友沙季
女(4):三浦久枝

女(5):知江崎ハルカ

男(1):長尾一広

男(2):阿部晃大

男(3):吉田哲也
男(4):加藤大輔