公的年金の老齢給付は、受給資格を満たした人が所定の年齢に達した時に支給されます。
国民年金だけに加入していた人は、国民年金から支給される老齢基礎年金のみを受給し、厚生年金や共済年金に加入していた人は、老齢基礎年金にプラスして老齢厚生年金や退職共済年金を受け取ります。
これらの受給は自動的に始まるのではなく、受給する人(受給権者)が請求しなければなりません。
受給の手続きを裁定請求といいます。裁定請求の窓口は、国民年金の第1号被保険者期間のみの人は市区町村、厚生年金などの加入期間がある人や第3号被保険者期間がある人は年金事務所になります。
老齢基礎年金は、原則として保険料を納めた期間が25年以上ある人が65歳に達したときに受給できます。
この25年間のことを受給資格期間と呼びます。
保険料を納めた期間以外にも、次の期間を合算することができます。
① 保険料免除期間
第1号被保険者で保険料を免除してもらっていた期間です。
ただし、免除された期間の長さに応じて年金額は少なくなります。
② 合算対象期間(カラ期間)
国民年金に任意加入できる期間のうち、実際には加入しなかった期間です。
なお、この期間は年金額を計算する際にはまったく反映されません。
学生の納付特例や若年者の納付猶予を受けた期間もカラ期間となります。
つまり、「保険料を納付した期間」+「保険料免除期間」+「合算対象期間」が25年を超えれば、老齢基礎年金が65歳から受給できるということになります。
老齢基礎年金の受給額は、物価水準などに応じて毎年見直されますが、平成27年度では満額で年間780,100円となっています。
満額を受給するには、40年間きちんと保険料を納めていることが必要です。
40年に満たない場合は、保険料の納付額に応じて受給額が減額されます。
なお、第1号被保険者で、保険料の納付時に月400円の付加保険料を上乗せしていた場合は、200円×付加保険料の納付月数が年間の受給額に上乗せされます。
例えば、付加保険料を5年(60ヵ月)納めていた場合、
支払った付加保険料は、400円×60ヵ月=24,000円です。
年金に上乗せされる額は、200円×60ヵ月=12,000円です。
毎年の年金額が12,000円増えるので、2年間で元がとれることになります。