上のサイトにもあるけど、

公立小中高って生徒一人当たり年間百万円かけてる。国や地方自治体が。

あれだけの広い土地に大きな校舎をたてて校庭もあって給食設備もあって、多くを正規公務員として平均年収700万円で雇って。(日本の平均は年収410万円) ちなみに高校教師は公立が年収680万円で私立の年収625万円より高い。

 もちろん教師は教員免許という国家資格持ちだ。


 それに引き換え、塾は講師に資格は必要無い。大学新卒未経験でも入社六年目で教室長になれる。サピックスの場合ね(過去記事1)。




 雑居ビルのワンフロア借りるだけで塾は開ける。

 教室長以外は全員バイトというのも珍しく無い。早稲田アカデミーは一校舎に正社員2人いるというのを売りにして求人広告していた校舎があった。

 授業時間時給三千円、それ以外は時給1200円程度が中学受験塾の相場だ。

 日能研以外の3大中学受験塾は大学一年生18才から未経験でバイト歓迎だ。


 

 塾講師の平均年収は418万円で日本人平均443万円を下回る(下のサイトより。2021年度国税庁。上のサイトとは異なる)



公立学校に比べ学校法人では無い民間の塾は圧倒的に安い経費で無資格で営業できる。

 政府としてはそれだけ贅沢な教育を国民に与えているのに、一部の親は民間の塾に小4から小6の三年間で約260万円を支払う。


 これは興味深い現象だ。

 例えば公立と私立の小中高の教員にしても、教員志望者はだいたいが公立校を志望する。そりゃそうだ。これから少子化で学校も倒産する。私立校だと経営が心配だ。給与も上に書いたように良くはない。公立なら旗本日の丸だ。それに落ちた人が私立教員となる。

 昔は公立教員は志願倍率が高かったが、今は低いので、私立教員の実はどうなのだろうか?私が知ってる例だと、私立校内で不倫をしてる男女教師がいたが、左遷されることはなく、同じ学校で勤務し続けた。公立校なら別々の学校へ異動させられるだろうが、私立校はそれが無い。別の意味でフリーダム。


 消費者って、自分の財布から出た金の量でサービスの価値を測るという変な心理があるようだ。

 公立は無料だから質が良く無い?

 私立や塾は多額の費用が必要だから質が良いに違いない?


 いやいや、それはあなたの財布の話をしてるだけであって、

 国や地方公共団体から出ている金の量からしたら、公立の方が金がかかっている。

 

 働く側としては塾は夜間勤務で重労働で安月給と散々だろう。

 (過去記事2)であげた39才年収780万円独身の京大卒塾講師は日能研関西では灘コースを任されるほどの地位だった。労働環境は悪かったけれど、灘校受験生のレースをそばに見てアドレナリンが出ていたのだろうか。


 公立学校は教育委員会が実質的に上にいて政府の監視がある。私立校は理事会が暴走すれば歯止めがなかなか効かない。虐めも隠蔽したがるしそれが比較的容易だ。私立にとってその上の教育委員会は形式上の存在でしか無い。トップの生徒の合格実績を上げるためには大半の生徒を犠牲にして無理な先取り学習も出来てしまう。


 親が金損するだけならまだ良いのだが、被害は子供が被る。私の知人は娘を私立中高一貫校に入れたが、大学合格実績を学校が気にしていらいろ圧力をかけてくるのが嫌だと言っていた。





(過去記事1)


(過去記事2)