YouTube動画で某大手塾の小学校5年生の年間塾代をみてみた.実際にある保護者が支払った実録。

 

授業料33.9万円

模試教材費10.9万円

季節講習24.1万円

合宿15.8万円

 

年間合計84.7万円

 

ここは公立中学一貫校受験を強みにしているところなので私立中学受験に強い塾はもっと金額がかかる(過去記事2).

 小学校6年生になったらもっとかかる.

 

ここで注目したいのは

授業料+模試教材費が44.8万円

季節講習+合宿費が39,9万円

であること.

 

年間トータルは,パンフレットなどで分かる金額の約倍かかる

ということだ.

 

 

上の動画もあるが,学習塾は夏季講習など季節講習で稼ぐシステムになっている.

 

本来なら,普段の通常の授業で学力を固めておいて,補充という形でオプションとして季節講習を選択するという形のはずなのだが,ここで稼ぐのが塾なのだ.

 焼肉食べ放題店のドリンクバーみたいなものだ(過去記事1).本体の代金を安く見せ,オプションで稼ぐという手だ.

 本体の代金は高く設定すると競合他社に客を取られる.だから本体は安くすることで客を呼び込む必要がある.

 

 だいたいの生徒が季節講習・合宿も参加してくれるという前提の下で普段の授業料の金額を設定しているわけだ.塾の建物の税金だの固定費は季節講習やろうがやるまいがほぼ同じだ.

 

 まあ良くあり得るパターンとして,

(固定費・経費)=(通常授業料)=(例年の季節講習料)

と仮定すれば,

(利益)=(例年の季節講習料)

なのである.経費には変動費があるのでこんな簡単な話ではないが,季節講習費の利益率はかなり高いことは間違いない.

 オプション(季節講習)は利益に直接レバレッジが効くと言っても良い.

 だから塾は真剣に塾生に季節講習・合宿を勧めるし,季節講習の宣伝広告費を費やす.それで新規塾生を獲得するのと合格実績にカウントするためだ.

 

 塾経営のYouTube見ると分かるが,どう指導してどう合格実績をあげるかなんて話は無い.生徒にどう季節講習をとらせるか,という話がメインである.

 

 パンフレットだけ見て,年間45万円(月3.75万円)だと思って入塾すると,塾の講師は生徒をまきこんで季節講習・合宿などオプション獲得ノルマを達成する.そして売り上げを倍増させる仕組みだ.生徒はやはり子供だ.親のいないところで大人の塾講師や経営者にはまるめこまれる.金額についても無頓着だ.一度入塾してしまってから,他の友達が皆講習や合宿へ参加するのに自分の子だけ金銭的理由で寂しくさせるのも親として背徳感がある.

 学年が上がればさらに金額は吊り上がる.

 そして塾は中学受験で失敗したら,さらに3年間高校受験のために同じ塾に通ってもらえる可能性が高まるのだ.

 

 軽い気持ちで一度入塾してしまったら足を洗えなくなる仕組みだ.暴力団や麻薬などに似ているともいえる.最初から手を出さないのが最善策だ.

 

 土日や長期休暇も塾に稼がせるために親子の時間も無くなる.

 塾は手数料で儲けているので拘束時間を増やす理由があるわけだ.

 

 

 

(過去記事1)

 

 

(過去記事2)

 

 

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