(過去記事1)の(4)をはじめとして

現在の信託報酬0.09372%を見て,

(1-0.09372/100)

を資産に年数かけるだけで,終わらしてしまったが,この計算は粗い.

実際にはもっと取り分は減る.

 

二つ理由がある.

・信託報酬は年ごとに違う

・投資信託には隠れコストがあること

 

隠れコストとは,

・売買委託手数料

・有価証券取引税

・その他費用(海外の保管機関に支払う費用や監査費用など)

からなり,運用後に運用報告書を見なければ分からない.事前には分からないのだ.

 

上のサイトの運用報告書を見ると,

 

信託報酬率と,隠れコスト込みの総手数料率は

2019年0.072% 0.119%

2020年0.119% 0.209%

2021年0.117% 0.178%

2022年0.114% 0.170%

2023年0.113% 0.166%

 

(上の2019年は正確には,2018年10月31日ー2019年4月25日)

(他の2020+n年は,2019+n年4月下旬から2020+n年4月下旬)

だから,一年間で総手数料は,信託手数料率の1.46-1.76倍,平均で1.58倍にはなっている

5年間でも

(1-0.09372/100)^5=0.9953227752

(1-0.119/100)(1-0.209/100)(1-0.178/100)(1-0.166/100)=0.9932967..

と0.2%ぐらい差が出てくる.

 

(過去記事3)では以下のように書いた。

 emaxis slimだと信託報酬は

オルカンもSP500も0.09372%と同じだから,

1.163229*(1-0.09372/100)=1.16213882..

1.182109*(1-0.09372/100)=1.181001127..

オルカン(全世界株)とS&P500は,
年率リターンが16.2%と18.1%

となる.

5年だと

1.16213882^5=2.11977635..

1.181001127^5=2.297479...

となる.5年で2.1倍と2.3倍

 

これは隠れコストを考えると以下のようになる。

 

emaxis slimだと信託報酬は隠れ手数料込みで、

オルカンもSP500も

一年で

0.9932967^(1/5)=0.99865573

かけるとして、

1.163229* 0.99865573=1.1616653

 

1.182109 * 0.99865573=1.180519926

 

オルカン(全世界株)とS&P500は,
近似年率リターンが16.2%と18.1%

となる.

5年だと

 

1.1616653^5=2.1154612

1.180519926^5=2.292802308

となる.5年で2.1倍と2.3倍

 

 一年や五年くらいでは殆ど差は出なかった。

 SP500で一千万円を五年預けて、近似年率リターン18.2%として、信託報酬以外の隠れコストは約五万円。

 (過去記事2)で書いたが,オルカンとSP500のここ5年の年率リターンの算術平均が

18.7%と16.9%

(標準偏差が16.46%,9.91%)だった.

これが近似年率リターンだと,信託報酬と隠れコストを抜いて,

16.2%と18.1%

になるわけである.

((過去記事2)で書いたように,オルカンの方がSP500より,年リターンの算術平均は大きいのだが,標準偏差も大きいから,近似年率リターンでは大小逆転する.

 

 ここ5年の日本の国債は

2019 ー0.15%

2020 0.035

2021 0.089

2022 0.454

2023 0.647

として,1+(年リターン)/100の相乗平均が1.002417だから,

オルカンのシャープレシオを

(1.186676-1.002417)/0.164619=1.11930579094758

と計算するなら

SP500のシャープレシオは

(1.169356-1.002417)/0.099089=1.68473796284

だから,

シャープレシオでみると,SP500のほうが1.68で,オルカンの1.12より結構良い.

 

 


(過去記事1)

 

 

(過去記事2)