2024 聴き初め THE HOLLIES / OUT ON THE ROAD | 健全なVINYL中毒者ここにあり

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毎年恒例、‘元旦のヒマな午後にゴソゴソ棚を漁って今日このLPを聴くのは日本で俺だけだろ’という企画。

 

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(★)2023年

 

90年代、ほぼ毎月英RECORD COLLECTOR誌を買って読んでいた。やがて編集部まで行ってバック・イシューまで買うようになったのだが、どこかに‘英米未発売、西ドイツのみリリースのアルバム’があると書いてあった。

 

HOLLIESの60年代のアルバムは学生時代に全部聴いていたが、70年代にまではまだ手を伸ばしていなかったし、各別好きになるとも思えなかった。が、そんな珍しいアルバムがあるなら入手せねば!、と急激に焦りだした。

 

当然、日本で見つかるわけがない(当時は)。ジャケのデザインもわからない。ドイツの店頭をそこそこ見て回ったが見つからない。そんなある日、ブリストルのある店で見つけた。£14だったから、3000円はしていた。喜びよりも安堵感が先だった。

 

そんなわけで内容にはあまり興味を持たず、以来2度くらいしか聴いたことがなかった。そんなレコードは、毎年恒例のこの企画にぴったり、今年は悩まずすぐに本盤をひっぱりだした。

 

 

位置づけでいえば、EMIの最終作になるのか。ABBEY ROAD録音だ。歴戦のボーカル、ALLAN CLARKEが抜け、スウェーデン人のMIKAEL RICKFORSをリクルート。だいぶ濃い声質なので、バンドとしての性格もひっくり返っている。これでは英EMIが難色を示したのも仕方ないか。独HANSAは60年代からのおつきあい。スペインでもリリースがあったようだが見たことが無い。

 

たぶん25年ぶりくらいに聴いたのだが、およよ、かっこいいじゃないか。とくにA①をはじめ、TONY HICKSのギター・ワークが前面に出ているロック・ナンバーがいいぞ。ドラムのBOBBY ELLIOTTがそのキャリアで唯一作者としてクレジットされている「TRANS-ATLANTIC WEST BOUND JET」もはなしのネタになる。

 

かといって全編を通して傑作かといえば、まったくそんなことはなく、とりあえず期待?に反して‘いいロック’だね、というレベル。個人的には、70年代のHOLLIESといえば(★)以前紹介したこれをやっぱり推しておく。

 

メンバー自身にとっても納得作ではなかったのだろう、後にALLAN CLARKEがバンドに復帰した際には数曲を録音しなおしている。

 

まあでも、悪いアルバムではないんだよ真顔

 

 

歌詞インサート付属。以来2~3枚くらいしか見たことないから、そこそこレアなブツではある。

 

1973

WEST GERMANY

HANSA

87119 IT