Round About Midnight⑤(Columbia)/Miles Davis
久しぶりのRound About Midnightは国内初期盤(最上段)と2nd(2段目)を(どちらもペラジャケ)。
発売年をライナーの文章から読み取ることは出来ませんが、
2nd最下段に『1960.11』の印字があるので、初期盤の方はおそらく1950年代の発売でしょうか。
(2nd裏ジャケに『Y.TAKAGI』さんの購入された日付が書かれていますね、こういうの好きだなぁ)
盤は両方とも同じセンターレーベルのようだが、仔細に眺めると中の文字が微妙に違います。
オリジナルや欧州盤に慣れた耳でこのレコードの音質を語るのは野暮ってものですが、
双方ともに充分鑑賞に耐えられるレベルにあると思っています。
2ndジャケットの構図も素晴らしいけれど、
初期盤のジャケット写真は、他の国内盤や現行CDとは比べ物にならないほど深い陰影と濃厚な
奥行きを感じることができ、所有することに充分すぎるほど価値のあるレコードだと思っていますので、
万一中古店で見かけたら、手にとっていただきたい。
(最下段に国内盤CD紙ジャケットとオリジナルジャケットを掲載してみました。)
そしてこれがMilesが64年に初来日するのを記念して発売された、7inch盤。
ジャケ写はペラジャケの2ndと同じですが、(音質はぐっと落ちる)珍しいので購入しました。
64年の来日時って『Miles In Tokyo』が録音されたときでしょう?
う~む、この7inch盤でも発売後すでに45年も経っているのか・・・・・・
(国内盤7インチはこれが初期盤ではありません。もっと以前に別の発売があります。)
↑国内盤CD(紙ジャケ)ジャケット ↑以前紹介したオリジナル盤ジャケット
同じジャケットだと思っていても並べてみると違いは歴然、自分でも驚いています。
Round About Midnight①
The President (Norgran)/Lester Young
仕事から帰宅すると、今夜は何を聴こうかと一寸考えてみるんだけど、結局は
その日の気分や体調にマッチしたレコードをサクッと取り出せるほど自己管理は徹底されておらず、
一曲聴いてこれは違う、しっくりこないなどとぼやいて針を上げることがほとんどで、
気持ちは高揚しないままで眠りにつく日が大半なのですが、みなさんも似たようなものでしょうか?
ふとした、何かのタイミングや偶然の一致が重なり、絶妙のバランス感覚でその日の気分を
見事に捕らえたレコードを取り出せた時はとても上機嫌になる僕は、きっと単純な男なのでしょうね。
そんな僕がいつも頼りにしているのがLester Young。
ついつい彼を連投させて酷使してしまうのは、やはりソフトなフレージングで耳馴染みが素晴らしいからで、
どんな状況でも無難に僕の心境を察知して毛羽立った気分を一瞬で落ち着かせてくれる効能があります。
先日捕手として守備についたジャイアンツの木村拓也選手のように、
オールラウンドプレイヤーとして僕の書棚では、稀有な存在感を放っております。
左側がオリジナルで右側が国内盤。
オリジナルの重厚感を演出するサックスの赤系色の印刷がまったくの別色で残念な国内盤だけど、
まぁ及第点ではありますか。
妄想的レコードジャケット学
美しいデザインの多い欧州各国製作の、僕の心を揺さぶり続けるいわゆる別ジャケットのレコード達。
随分前からなぜ手間暇を掛けてまでデザインを変えて発売する理由を考えていたのですが、
主原因としては版権使用料の問題や、米国人への一般的な国民感情等の理由があげられるでしょうが、
最近になってその中のひとつには(おそらく小さな事由ですが)、ジャズレコードジャケットを象徴する
バウハウス的商業デザインも起因しているのではないかなと、個人的には考えています。
ドイツのワイマールで設立されたバウハウス(芸術・建築学校)自体は処々の理由によって
大戦前にナチスによって取り潰されてはいますが、その精神性は以後も継承されており、
海を渡ってアメリカではジャズのレコードジャケットとしても散見することができます。
1950~60年代が全盛期だったジャズにおいて、
一目みただけでバウハウス→ドイツの流れからナチスを連想させてしまうレコードジャケットは
戦後間もない欧州では疎まれ、敬遠され、そして意図的に(あるいは無意識に)
デザインが差し替えられたのではないでしょうか。
身勝手な想像なのですが、対ドイツ感情において、当時、
屈折のあったイギリスやフランスで別ジャケットが特に多いことからも、そんなことを連想してしまうのです。
(ただ単にデザイナーが自分をアピールする場に、レコードジャケットを選んだだけかもしれませんけれど。)
とはいえ、
各レーベルの中でも他国生産を基本的に許さなかったA.ライオン率いる
最強インディーズレーベルBLUENOTE のジャケットが一番バウハウス的と言えるのが皮肉なところ。
リードマイルスの奇抜なタイポグラフィやF.ウルフ撮影写真の大胆なトリミングなどで顕著に現れている
バウハウス的なジャケットデザインの差し替えを許されなかった当時の欧州人達は、
どのような気持ちでBLUENOTEのジャケットを眺めていたのでしょうかね。









