ファラオが治める街は、オアシスのような美しい街だった。
ヤシの木など、背の高い青々とした木々に囲まれている。
王宮に沿うように走るナイルの支流は、本流と同じ豊潤な水量を誇っている。
そのナイルがもたらす恩恵を受けた土壌が、オアシスのような街を産んだ--
シェションクが命を懸けて守ろうとした理由は、その美しい街を失いたくない
一心もあったが、何よりそれは、臣民への感謝の徴だった。
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妹のアンケセンが生まれた年、農作物の収穫が極端に落ちるという不幸に
見舞われた--それが回復するまでの1~2年、先代の王は、民と苦しみを
共にした。民が飢えることの無いよう王宮の貯えも総て与えた。
--が、それが原因で、兄妹の父母(先代の王と王妃)は体を壊し、命を
縮める結果を招いた・・・
幼いシェションクは、その当時の出来事を全て記憶していた。
--臣民の、先代の王への感謝と敬意、王の民への愛・・
父母の死は悲劇だったけれど、彼らの意思を継ごうと心に固く誓った。
太陽神を祭り、祈りを捧げることによって農作物も回復、総てが好い方向に
巡り始めた矢先の事故だった・・・

