15歳でファラオとなったシェションク。
若い王は、戦車にトレーニングを兼ねた遊びで乗る事を好んだ。
そしてその側らには、アンケセンの姿もしばしば見られた。
兄妹でもある彼らは、子どもらしい遊びを共有することに喜びを見出し
ていたが、夫婦となった後も、そのような遊びに興じることで、男女の
愛情というよりは、ふたりが互いを温かい気持ちで見つめ合うことに
よって、より絆を深めていた。
戦争のため訓練してきた戦車に乗り、燃え盛る街へと向かったシェションク--
人々を水辺に避難させ、延焼を防ぐため木造の家屋を破壊させた。
火の勢いが治まるまで、現場の見廻りを始める王の後ろには、兵士が続く。
悲劇は、その直後起きた--火を噴いた柱が、突然、王の眼前に倒れて
きたのだ・・・
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瀕死の重傷を負って王宮に運ばれてきた夫--
左半身に深い火傷を負っている。
一目見るなり、彼がもう助からないことを悟ると、途端に涙が溢れ出し、
自分を抑えることができなくなった・・
死の床に就いたファラオには、しかしはっきりとした意識があった。
泣きじゃくる妻に対し、自身の死への恐怖に耐え、優しい眼差しでいたわり
の言葉をかけた--妻の、そして産まれたばかりの息子の未来のために・・・


