幕末を駆けた青年(13) 重用 | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

前世の記憶 ~Past Life Memories~

占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

他 映画、音楽、スポーツ関連記事も書いています。

腰の刀を抜き、単身敵地に向かう--

勇気がなければできない役回りだった。


選ばれた剣士達に、果たして彼のような度胸があっただろうか・・?


寿三郎は、誰もがしり込みするようなそんな役割を、苦にしなかった。

むしろ、長発直々の命とはいえ、損な役割 地味な仕事と過小評価

しており、いずれは 大仕事=剣を使える仕事 をさせてもらいたい

気持ちを相変わらず抱いていた。



一方、人の適性を見抜くことに長けていた長発は、常に冷静で、部下に

対しても、誰かを特別に(贔屓して)重んじるとか、重用に温度差を付け

ることを決してしなかった。

部下をフェアに扱うと同時に、ギブ アンド テイク --自分の駒

として動かすにあたり、得意な分野で最大限の能力を発揮してくれるこ

とを求めた。



そんなある日、感情を露わにすることのない長発が、やはり駒のひとつ

としてしか見ていなかったはずの寿三郎に、突如怒りをぶちまける、とい

う事件が勃発する。


彼が怒る姿を初めて見た寿三郎は無論の事、周囲もその猛りぶりに仰天

したその事件は、皆がいつもの仕事に取り掛かって間もない時だった・・